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「今週の相場の焦点」by Joe Tsuda(津田 穣)29 September 2025

 

29 September  2025

<ポイント>   149円台、、、上放れと見て良いか?

今週の予想レンジ:148.00-151.00
先週のレンジ 147.46-149.95
(先週の予想レンジ:146.00-149.00

・先週ドル円は150円台一歩手前まで上昇、、、中長期的にドル円↑を見ながら、このタイミングでのこの動きは予想できなかった、、敗北。
・予兆は確かにあった。前週のFOMC、日銀会合後のドル円戻り高(148.28まで)は先週初調整されたが下値は147円台半ばと底堅かった。
24日(水)に発表された9月の独ifo景況感指数が予想を下回りユーロが軟調と英国財政赤字警戒を受けたポンド売りが活発化しドルが堅調地合に。
・極めつけは25日(木)に発表されたQ2GDP確報値が前回の3.3%から3.8%大幅上昇修正されドル円は一気に149円台後半に。
・さすがに大台150円乗せには警戒感が強まり金曜日には149円台半ばに反落したが、8/1の米雇用統計の大幅下方修正で150円台から一気に147円台に下落し、その後も米利下げと日銀利上げの思惑から145円台まで続落したドル円も、①パウエル議長が米景気に強気でインフレ警戒感を維持したこと、及び植田総裁から10月利上げの示唆がなかったことからドル円は反転し、上記の理由から150円一歩手前と、8月初の急落以前の水準をほぼ回復した形だ。
・このセンチメントの急変には完全にビハインドした。確かに米金融緩和局面入りは既成事実化しつつあり、米金融緩和のドル下げ効果には懐疑的であった。しかし米労働市場の冷え込みとインフレ高止まり懸念が同居(いわゆるスタグフレーション懸念)する中、ドルの売り買い綱引き状態が暫く継続し、「年末にかけてドル需要の高まりからドルじり高推移」と考えたが、ドル円は既に従来のレンジ146-148円台中心から“上放れた”状況だ。
・ただ上昇トレンド入りと判断するのは時期尚早であり、まずは10/3(金)に発表される9月の米雇用統計を注視したい(予想は失業率4.3%、前回4.3&)、nfpr5万人増(前回+2.2万人)。
・現在市場は米経済と金融政策の行方に注目している。先週のGDP上方修正以来利下げ観測がやや後退する一方、雇用者数の伸びは従来の10万人超の伸びから、早くも5万人程度の伸び鈍化へのシフトを織り込みつつあるようだ。
・今後の労働市場やインフレ関連のデータが極めて重要だが、今回の雇用者数大幅下方修正で急激に高まった米景気に対する懸念が行き過ぎであり、米経済の底堅さとインフレ高止まりが確認される場合は→年末に向けたドル需要の高まりと相まって、中長期的なドル円上昇予想を再び前面に出していいのかもしてない―もっとも“ハシゴ外し”はよくあるパターンで、幾度となく騙されてきたが、、、

 

◎<豪ドル相場>

豪ドルは先週初は66セント台の高値圏を維持したが、週後半は米ドルの反発を受けて65セント台前半まで急落。対円ではドル円の上昇と相殺し合って97円台中心にアップダウンした。
先週の相場レンジ―AUDUSD 0.6520-0.6628  AUDYEN  97.24-98.22
(先週の予想レンジ―AUDUSD 0.6500-0.6700  AUDYEN  96.50-98.50)
今週の予想レンジ―AUDUSD 0.6450-0.6650    AUDYEN  96.00-99.00


先週豪ドルは週初は前週の堅調地合続き66セント台で推移した。9/24(水)の8CPIが再び3.0%(予想2.9%、前回2.8%)に上昇したが、むしろ同日発表された独ifo景況感指数の悪化でユーロが下落した動きにフォローして65セント台に軟調推移。25日(木)に発表されたQ2GDPの大幅上方昇修正を受けて米ドルが上昇する中、65セント台前半まで下落した。
・対円では週後半ドル円が150円台手前まで上昇する動きと相殺し合いながら98円台乗せをトライしたが、豪ドルドルの65セント台前半への反落を受けて97円台に小緩んで越週した。
・今週9/30(火)のRBA理事会では8月の利下げ後に発表されたQ2GDPの堅調な数字や8CPI反発を受けて金融政策据え置きが予想される。
・今週は米国サイドの9ISM景気指数や雇用統計など注目材料多く、「豪ドルは米ドルの受け皿」で米ドルやユーロ動向を注視する必要がある。
・従来から66セント台を上回る豪ドルの続伸には否定的であったが、再び従来の定位置である65セント台に戻った形で、暫く65円セント台中心の展開が予想されるが、対円ではドル円が150円台乗せとなれば、豪ドル円は再び100円台が視野に入ってくるだろう。

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Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

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