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「今週の相場の焦点」by Joe Tsuda (津田 穣)22 September 2025

 

22 September  2025

<ポイント> 先週は米英日の金融政策会合を受けてドル円は145円台~148円台でアップダウン

今週の予想レンジ:146.00-149.00
先週のレンジ 145.48-148.28
(先週の予想レンジ:146.00-149.00

・先週は米英日の金融政策会合に関心が集まり、特に米国利下げと日本の利上げが焦点に。加えて総裁候補者5人が決まりドル円相場にも影響が見られた。
FOMCでは予想通りに昨年12月以来の25bp利下げが行われ、メンバーのドットプロットから年内更に2回の利下げが示され、ドル円は一時安値145.48まで下落。しかしその後のパウエル議長会見で同氏が景気の底堅さを強調し、インフレ高止まりへの警戒感を示したとことからドル円は一時148円合に大きく反発。
・日銀会合では予想通り金利据え置きとなったが、高田・田村両委員が利上げを主張して据え置きに反対票を投じ、また日銀保有のETF(時価76兆円相当)を年間3,300億円規模で売却するする決定がなされたことから、ドル円は一時147.19まで下落。しかし植田総裁から10月利上げの示唆はなく、週末に向けてドル円は一時148円台まで反発した。
・金曜日に高市氏が総裁候補に立候補表明し、同氏がリフレ派と目されているため、金融緩和→円安の発想が働いたこともドル円買い戻しを誘った。
・上記のように先週は日米金融政策会合を挟んでドル円はアップダウンしたが、結局足元では147円台後半と“元のサヤ”に収まった形。
・今週は米PCE価格指数が発表されるが、パウエル議長もインフレ高止まりに警戒感を示しいる。その解析手段として今後のデータの重要性に言及しており、この数字も注目されよう。
・米国のインフレはエネルギー価格がAI需要による電力消費の拡大やトランプ政権のクリーンエネルギー導入コスト、更には関税の影響と思われる車価格の上昇(中古、新車共)などの影響で、財のインフレが上昇傾向にあり、今後も高止まりが予想される。一方上記以外は落ち着いた数値となっている。
今週発表されるPCE価格指数はやや強めの数字が予想されるが、一方コア部門は若干の鈍化も予想され、予想通りの数値となれば年内2回の利下げをサポートするものとなるだろう。問題はどちらか上下にブレる場合であろう。
・また日銀の年内利上げ観測が再び高まれば円買いに作用するだろうが、今週活発化する自民党総裁候補者の討論会にも注目したい。
・ドル円は145円台で再び底値確認と思われるが、今週も売り買い交錯で不安定な展開となるだろう。

 

◎<豪ドル相場>

豪ドルは米ドルがアップダウンする中、一時67セント台を付けたが、週後半は米ドル反発や、8月就業者数のマイナスを受けて軟調に転じ、66セント台を割り込む展開となった。対円でも、98円台前半の天井を確認後97円台前半に反落した。

先週の相場レンジ―AUDUSD 0.6586-0.6707  AUDYEN  97.24-98.39
(先週の予想レンジ―AUDUSD 0.6550-0.6750  AUDYEN  97.00-100.00)
今週の予想レンジ―AUDUSD 0.6500-0.6700    AUDYEN  96.50-98.50


先週は上記のように米英日の政策金利決定会合に注目が集まる中、週前半はFOMCでの利下げ受けて一時67セント台まで上昇したが、後半は米ドル反発地合となる中雇用統計の悪化(マイナス就業者数)もあり65セント台後半まで反落した。
・対円でも週初は一時98円台まで続伸したが、週後半は豪ドルドルの下落にフォローする形で一時97円台前半まで軟化した。
・発表された8月の雇用統計は失業率は4.2%と予想通りであったが、就業者数が
-5,400
人(予想+2.1万人、前回+2.45万人)と予想外のマイナスであったことも豪ドルの利食い売りを活発化させた。
・ただ豪州の就業者数は5月も-2,500人を記録するなど、サンプル期間の偏りなどで時々大きくブレる傾向にあり、むしろ失業率の安定性に着目すべきであろう。
・今週は8CPIが発表されるが予想値は+2.9%と前回の+2.8%から若干のリバウンド予想となっている。先月も前月の+1.9%から大幅反発しており、その動向には注意を要しよう(RBAのインフレ動向判断基準に注目!)。
・先週のように米ドルの乱高下は暫く続くことが予想され、豪ドルも対米ドル、対円共に依然としてトレンドが見えない相場展開が暫く続きそうだ。

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Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

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