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今日は何の日?/3月11日

2011年3月11日、午後2時46分(日本時間)に東日本大震災が発生しました。

 

宮城県牡鹿半島の東南東130km付近、深さ約24kmを震源とするマグニチュード9.0の大地震で、宮城県栗原市で震度7、宮城県、福島県、茨城県、栃木県の4県37市町村で震度6強、北海道から九州地方にかけて震度6弱から震度1の揺れが観測されました。

この東北地方太平洋地震および、その影響で発生した大津波により、東北地方を中心に人的被害および建物被害が引き起こされ、その規模は死者1万5,854人、行方不明者3,089人、全壊家屋12万9,431戸に上りました(2011年3月28日現在, 警察庁調べ)。

 

また、大津波により発生した東電福島原発事故は大量の放射性物質を放出。原発事故の影響もあり、避難者の数はピーク時にはおよそ47万人にもなりました。避難解除によりその数は減ってきてはいるものの、いまだ17万4,000以上の人が避難生活を余儀なくされています(2016年2月12日現在, 復興庁調べ)。

大地震、大津波、原発事故という複数の災害がほぼ同時に発生した東日本大震災。日本はこれまでに経験したことのない多くの難題に向き合わされることとなりました。

 

復興支援のために、震災発生直後から現在まで、日本国内でもさまざまな支援活動が行われています。ポータルサイトの「Yahoo! JAPAN」にて「3.11」と検索すると、1人につき10円がYahoo! JAPANから被災地の復興団体に寄付されます。

また、海外からも多くの支援が寄せられ、アメリカ、イギリス、中国、ロシア、台湾、そしてオーストラリアなど、163カ国・地域および43国際機関から支援の申し出がありました。シドニーでもあちらこちらで被災地への募金活動が行われていましたね。

 

今年(2016年)3月11日、12日にマンリーにて開催される「JCSレインボープロジェクト東日本大震災5周年復興支援イベント」では、震災後、海外の首脳としては最初に被災地(南三陸)入りを果たした、オーストラリアの元首相、ジュリア・ギラード氏のメッセージ映像が上映されます。アメリカでの公務のため残念ながらイベント当日の参加はできませんが、代わりにビデオメッセージという形で、被災地、そして日本への想いを届けます。Youtubeでも観ることができますので、ぜひギラード氏のメッセージをお聞きください。

ジュリア・ギラード氏ビデオメッセージ(Youtubeにリンク):https://www.youtube.com/watch?v=NEmRsstvOSw

 

以下、ギラード氏の支援メッセージの日本語訳です。

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今回の震災復興支援行事に直接参加することができず、とても残念です。

まず震災復興支援行事の成功を心よりお祈りいたします。

 

2011年に南三陸町を訪れた際、この目で見た光景は今でも忘れられません。しかし自分が南三陸町を訪れるまで、その被害がいかに膨大なものか、その地に足を踏み入れるまでは、実際にはわかりませんでした。報道で聞く話や写真で見る映像をはるかに越え、想像を絶する惨状でした。避難所を訪問し、被災者の方たちとも話をしました。非常につらく厳しい状況でした。

当時オーストラリア政府は、日本を最大限支援しようと、災害レスキュー隊や陸軍を派遣しました。また大勢の民間人も救いの手を差し伸べました。

 

あれから5年の月日が経ち、日本はこの歴史的大災害から立ち直るための努力をするべく、素晴らしい復興を成し遂げてきました。新しい建物や街が再建されています。

しかし復興が進んでいるとはいえ、その時に傷ついた人たちの気持ちは、5年が経つからといえども癒えるものではありません。犠牲になった大勢の方への追悼は今後も続きます。

2016年3月11日、震災から5年の節目に、この震災復興支援行事では、これまでの軌跡を振り返り、将来のさらなる復興を祈念するために、皆さんが一致団結されることでしょう。

 

最後に、今回私自身が震災行事には参加できませんが、参加者の皆さんと気持ちを共有させていただきたく、メッセージを送ります。

(以上)

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「JCSレインボープロジェクト5周年復興支援イベント」では、他にも国連防災世界会議にてスピーチを行った福島大学生2人によるスピーチ、福島県浪江町の伝統工芸品「大堀相馬焼」再興に奮闘する窯元4代目・松永武士氏のスピーチに加え、被災活動を続けたバイオリニスト・石川綾子氏や、大人気アニメ「ポケモン」のサトシの声優でも知られる松本梨香氏によるゲストコンサートも催されます。

■「JCSレインボープロジェクト5周年復興支援イベント」詳細:http://event.jams.tv/view/486

また、国際交流基金シドニー日本文化センターでも、写真家・六田知弘氏が、被災物を記録した写真展、原発事故後の全貌を記録したドキュメンタリー映画の上映、大堀相馬焼のデモンストレーション、造園学者や日本学者、比較文学者などさまざまな専門家によるトークイベントなど、東日本大震災の現状を知るためのプログラムが用意されています。

■写真展・映画上映会詳細:http://event.jams.tv/view/485

■トークイベント・デモンストレーション詳細:http://event.jams.tv/view/487

東日本大震災から5年。今なお続く復興活動を支援するため、海外からも日本を応援したいものです。

参考:

文部科学省平成24年版科学技術白書→http://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/html/hpaa201201/detail/1322695.htm

内閣府 防災情報のページ→http://www.bousai.go.jp/kohou/kouhoubousai/h23/63/special_01.html

東日本大震災・避難情報&支援情報サイト→http://hinansyameibo.seesaa.net/category/10331937-1.html

 

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