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“TKG”を食べられるのは日本だけ?!


ある日、友達と「今朝何食べた?」と何気ない会話をしていました。私は大好物のT・K・Gこと“卵かけごはん”を食べたと伝えると、友達の表情が一変。「え!大丈夫?」と何度も言われ、私は理由がわからず困惑していると、友達がオーストラリアの生卵は危険だと説明をしてくれました。

なぜオーストラリアの生卵は危険なの?

オーストラリアのスーパーで販売されている卵の賞味期限をみると、1ヶ月先の期限がほとんど。日本では購入日から約2週間後に賞味期限の設定がされている卵が多い印象です。私自身オーストラリアに到着して、卵の賞味期限の長さに多少の不安感は感じたものの、特に深く意識はしていませんでした。しかし、ここが重要ポイント!卵の出荷時に日本とオーストラリアの違いがありました。

日本で販売されている卵に関して「日本卵業協会」より、卵は生で食事することを想定しており、殻に付着したサルモネラ菌(※)の洗浄をした後、出荷されることがわかります。
しかし、オーストラリア放送協会の「ABC News」では、オーストラリアの生卵とサルモネラ菌の関係について取り上げており、サルモネラ菌を除去できる加熱調理の必要性を呼び掛かけています。

オーストラリアで販売される卵の賞味期限が長い理由は、加熱して食べられる卵の賞味期限だったわけです。日本では生卵としても使用できるように短めに賞味期限の設定をしていたようです。また、オーストラリアで卵を購入する際、パックの中身を空けている人を見かけます。これは、パックを空けて殻が割れていないか、羽や糞が付着していないかを確認しているのです。卵の購入前にはぜひチェックしてください。

※サルモネラ菌
通性嫌気性桿菌の腸内細菌科の一属に属する細菌のこと。主にヒトや動物の消化管に生息する腸内細菌の一種。吐き気、腹痛、発熱、下痢などが感染した際の主な症状としてあげられる。加熱によって死滅。

オーストラリアで購入できる卵の種類

日本で卵を購入する際は卵殻の色の違いで購入を決めていましたが、オーストラリアには主に3種類の卵が販売されており、品質も値段も3段階で異なっています。上級の品質のものから①オーガニックエッグ、②フリーレンジエッグ、③ケージエッグです。

①オーガニックエッグ(Organic Eggs)

©Woolworths

  • 約$10〜12(12個入り)
  • ポイント:ケージにいれず放牧。放し飼いの状態のためストレスない環境で育った卵。飼料へこだわりあり。中にはオーガニックの飼料の農園もあるようです。

②フリーレンジエッグ(Free Range Eggs)

©Sunny Queen Farms Pty Ltd

  • 約$5~8(12個入り)
  • ポイント:ケージいれず放牧

③ケージエッグ(Cage Eggs)


©Woolworths

  • 約$4〜6(12個入り)
  • ポイント:ケージを使用して飼育

 

この卵の中でどれが一番“TKG”にふさわしいのか調べてみたところ、オーガニックエッグは生卵として食べても問題ないという意見を発見しました。しかし、殻の洗浄処理が問題とされているため、オーガニックエッグの高級品でも危険の可能性はあります。

“TKG”は日本の文化

私はこちらにきて“TKG”がどうしても食べたく、オーストラリアの卵事情を知りつつも、「大丈夫」と呪文を自分にかけて3回目の“TKG”をトライしました。一番安いケージエッグの卵を購入しましたが、そのパックの中でも一番キレイな卵を選択。“TKG”を食べることの喜びを感じていた1時間後。呪文がきれてしまったのか腹痛に襲われました。後悔の念を感じながらも、次はオーガニックの卵で挑戦してみようと思います。

生卵の食べ方として「卵の殻が白身・黄身につかないように注意して割る」、「生卵に熱湯をかけてサルモネラ菌を除去する」といった方法があるようですが、やはり危険なので日本国以外では食べないことをおすすめします。

また、日本に住んでいた時に、湯沸かしポットでゆで卵を作っていましたが、卵の殻の危険性を知った今、日本以外の国ではありえない行為だったのだと改めて気付きました。

手軽で簡単がウリの“TKG”ですが、国の環境も考えて美味しく、安全に味わって食べたいですね。

 

文:岡崎 理沙

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