オーストラリアでは、毎日600万人以上が自動車や電車、トラム、バスなどを利用して通勤しています。コロナ期間中は在宅勤務が大幅に増えたため通勤人口は一時的に減少しましたが、現在は以前の水準に戻りつつあり、通勤する人の数も再び増加傾向にあります。
私たちは毎朝、当然のように、無事に仕事を終えて安全に帰宅できるだろうと家を出ますが、時には通勤中に事故に遭ってけがを負い、自分自身や家族の生活に思いがけない試練が訪れることもあります。
今回は、「通勤中の事故に関する補償請求」とは何か、そしてNSW州の労災補償制度においてこの通勤中の事故補償(Journey Claim)がどのように適用されるかについてご説明します。
通勤中の事故に関しての補償請求とは、労働者が業務上の移動、または通勤中に事故に遭い、けがを負った場合に、その損害に対して補償を求める請求のことを指します。ここで言う「移動」は、仕事の目的で車両やその他の交通手段を用いて勤務先を移動する場合を意味します。
業務上、場所の移動が伴う職種の場合は、次の仕事場へ向かう途中での事故も業務中の事故として扱われます。したがって、通勤中の事故補償請求とは、業務目的での移動中や通勤途中に発生した事故によるけがを対象としており、これはNSW州労災補償法(Workers Compensation Act 1987(NSW) 第10条)に基づいて適用されます。
NSW州での通勤事故補償請求は、基本的に「出勤途中や退勤途中に、車や公共交通機関を利用している際に起きた事故によるけがの補償」を指します。ただし、一部の業務間の移動中に発生した事故も対象となります。
NSW労災補償法では、「通勤中」とは労働者が仕事のために自宅(居住地)を出てから、職場(雇用場所)に着くまでの全ての時間を指します。この間に事故が起きてけがをした場合、労災補償を受けることができます。これが「通勤中の事故 補償請求」です。
「雇用場所」という言葉は、狭く解釈されることがあります。つまり、職場の建物、オフィス、工事現場など、実際に仕事をする場所だけを指すと考える場合があります。
このような解釈では、次のような疑問が沸くことがあります。
しかし、会社の駐車場での事故や、駐車場からオフィスへ移動中であっても、それが雇用の一部または雇用の過程で起きたと認められれば、労災補償の対象になりえます。
通勤事故補償請求に該当しえる例をいくつか紹介します。
もし、上記のような通勤中または業務関連の出張中に事故に遭ってけがを負った場合、NSW州労災補償法に基づいて補償請求を行うことができます。請求が認められれば、事故による収入の損失や、治療・リハビリなどの医療費が補償されます。
補償金の支給については、事故の因果関係やけがの程度に応じて個別に評価され、通勤事故補償請求であっても重度のけがであれば、一時金としての補償請求も可能です。
ただし、通勤事故補償請求では、事故と業務の因果関係の立証や、けがの正確な評価が非常に重要です。そのため、通勤中または出張中に発生した事故に対する賠償請求をする際には、通勤事故や労災補償請求について経験豊富な個人損害弁護士に相談することを強くおすすめします。
弊事務所は、補償請求の専門家です。交通事故および労災補償に特化したチームが、通勤事故で発生しうるさまざまなタイプの事故に対して、最善の方法で対応し、依頼者が十分な治療と適正な補償を受けられるよう、最善を尽くしています。
通勤中に車両や公共交通機関で思いがけず事故に遭い、怪我をした場合は、いつでもサポートいたします。ご相談をご希望の方は、お気軽にご連絡ください。日本語でご対応させていただきます。
リトルズ法律事務所
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(注意)この記事は弊事務所の過去ブログを和訳したもので、過去の情報を元にしています
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