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今週の相場見通し(14 January 2019)

<主なイベント>

1/14(月)日本休場、中国12月貿易収支
15(火)英国EU離脱合意案議会採決、ドラギ総裁年次報告書提出
16(水)英12月CPI、米12月小売売上高、米11月証券投資、FEDベージュブック
17木)米12月住宅着工件数、黒田総裁講演
18金)日本12月CPI、米12月鉱工業生産

 

<マーケットの焦点>

先週は年初のパニック相場も落ち着き、主要国の株価は総じて堅調でリスク回避の動きも後退した。
注目の米中次官級通商協議は貿易の公正と互恵という点で双方歩み寄ったものの、知的所有権の保護や強制的技術移転の禁止などの根本問題の解決には未だ隔たりが大きかった。
しかし今月中にライトハイザー米通商代表部代表や習主席の側近など高官級にレベルアップして通商協議継続となったことから市場の期待感は継続した。
一方政府機関の閉鎖は過去最長の22日を経過したが、依然として解決の目途は立たず、社会問題かしつつある。 政府機関閉鎖の影響から年初来米経済指標の発表がなされておらず、米経済減速懸念が言われながら実体経済の数字が入手できないということで、市場参加者にとってもその影響は他人ごとではない。
トランプ大統領は政府機関閉鎖が続けば非常事態宣言を行って国防費からメキシコ国境の壁建設費用をねん出すると言っているが、民主党も歩み寄りの気配なく、政府機関閉鎖問題は徐々に社会問題化しつつある。
一方今週15日(火)には、英国議会において昨年11月にEUと合意したBrexit案の議会採決が行われるが、大方の予想は「否決される」というもの。
勿論可決されれば3/29英国は晴れてEU離脱となるのだが、否決された場合、政府は3日(3議会運営日)以内に対策を迫られるが、5つのシナリオが用意される。①Brexit強固派が唱える“合意なき離脱”②EUへの再延長(??)の要請そして、万が一受け入れられた場合の再々?交渉③二度目の国民投票実施④解散総選挙⑤内閣不信任案決議発動。
勿論このどれに落ち着くかは、メイ首相が否決後どの程度の勢力を保っているかにもよるが、現在英国では超党派の議員連合がいくつかできており、新たな動きも出るだろう。
万が一可決されれば不透明感後退から、ポンド買戻しそしてリスク選好の動きとなろう。 一方「合意なき離脱」となる場合が最悪パターンで、ポンド急落、そしてリスク回避の円買いが強まる可能性が指摘される。
先週市場は落ち着きを取り戻したが、今週は再び乱高下相場となる可能性がある。

<豪ドル相場>

足元の豪ドル相場―堅調だが思わぬ急落も

先週の相場レンジ―AUDUSD 0.7165-0.7235 AUDYEN 77.08-78.36
今週の予想レンジ―AUDUSD 0.7000-0.7300 AUDYEN 75.00-80.00

 

年初の豪ドルは前週のパニック相場からの回復が継続し、一時72セント台前半、78円台前半まで値を戻した。
米中通商協議が月内にも高官級会議として再開される見通しとなり、中国株式市場が下げ止まったことから今後への期待感が豪ドルをサポートした。
一方発表された国内指標では11月貿易収支や住宅建設許可件数が冴えない一方、小売売上高は前回の+0.3%を更に上回る+0.4%の強い数字となり、豪ドル買い材料となった。 個人消費の落ち込みは豪州経済の懸念事項の一つとされてきたからだ。
12月クリスマス商戦の好調につながれば、第三四半期に落ち込んだGDPの回復期待も出てくる。
米中摩擦に加えて今週は上記のようにBrexit関連でも大きな山場を迎える。
先週見られたリスク選好の動きも一過性に終わる可能性には留意したい。

 

 

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Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

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