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今週の相場見通しby Joe Tsuda (29 March 2021)

29 March 2021

◎<主なイベント>

3/29(月)日銀主な意見(3/18-19)、ウォラーFRB理事発言
30(火)日本2月雇用統計、米3月消費者信頼感、NY連銀総裁講演
31(水)中国3月製造業/サービス業PMI、米3月ADP雇用者数
4/1(木)Q1日銀短観、中国3月財新製造業PMI、米3月自動車販売、米3月ISM製造業景気指数、新規失業保険申請件数
2(金)米3月雇用統計、グッドフライデー祝日(米国、欧州、英国、香港、オセアニア)

◎<マーケットの焦点>

先週は世界の新規コロナ感染者数が再び一日60万人を上回る状況となったことや、ミヤンマーでの抗議デモ激化と犠牲者数の増加、スエズ運河でのコンテナ船座礁事故、加えて欧米諸国と中国・ロシアなどの外交的対立の表面化など数々のリスク要因が意識され、市場のリスク許容度が低下してドル買いが活発化した。
ドル円は昨年3月のパンデミックショック以来の109円台後半まで上昇し、ユーロは1.17台、ポンドは1.36台まで下落した。
係るリスクオフ状況下で、主要国株価は高値圏で乱高下したが、一時1.70%台まで上昇した米債利回り(10年債)は1.6%台半ばに低下したこともあり、NYダウやS&P500は金曜日終わり値ベースで史上高値を付けている。
コロナ収束・世界経済回復シナリオの実現は容易ではなく、感染再拡大県に加えてワクチン・ナショナリズムの問題も指摘される。
また米中対立を中心に、ミヤンマー、香港、イラン・サウジなど中東問題、北朝鮮問題などで再び西側諸国と中国・ロシア・トルコなどの陣営の対立が深まっているのも大きな懸念である。
また英国とEUとの金融規制に関する討議もいよいよ始まるが、北アイルランドでのEUルール逸脱問題など既にBrexit合意を疑問視する意見もある。
係るリスクオフ材料多い中、株価に大きな崩れがないのは、主要国金利の一方的な上昇懸念が後退していること、更には「為替と違って相手国通貨の存在しない株価の上昇」で困るのは、株価をアンダーウエイトにしている“一部の運用会社のみ”であり、「株価が上昇しても誰も困らない」、「株価は右肩上がりが常態」との強気な見方は根強い。
今週末はイースター・グッドフライデー、来週月曜日はグッドマンデーとなり市場か薄くなる中、水曜日と木曜日の中国3月PMI、木曜日の日銀短観や金曜日の米3月雇用統計が注目される。
中国3月製造業PMIの予想値は51.2(前回50.5)に改善し、また日米共に景気回復基調が予想される。
特に米国のnfprは63万人の増加予想であり(前回+37.9万人)、50万人を上回る数字が出れば、再び長期債利回りが上昇するだろう。
年初における市場の超ベアなドル安予想は、現在かなり上昇予想に変化している点は、“元祖ドルブル”としては不安材料ではあるが、係る“にわかドルロングポジション”の調整を交えつつも、早晩110円の上に上昇する相場を予想する。

◎<豪ドル相場>

足元の豪ドル相場―売り買い交錯だが、足元上値の重い展開か

先週の相場レンジ―AUDUSD 0.7563-0.7756 AUDYEN 82.28-84.36
今週の予想レンジ―AUDUSD 0.7450-0.7750 AUDYEN 82.00-85.00

先週豪ドルは週央に2月初以来の安値75セント台半ば、3月初以来の安値82円台前半まで下落した。コロナ収束・世界経済回復期待の高まりで3月中旬に80セント、85円という心理的な壁を一旦つけたが、過度の楽観的なシナリオに対して年初来の豪ドル買いポジションの調整が出た形だ。
先週はスエズ運河でのコンテナ船座礁が世界経済に与える影響も指摘され、商品相場も一時調整反落して豪ドルの売り戻し材料とされた。
また中国が「3/28から豪州ワインに反ダンピング関税を課す」と発表したことも、豪中対立を思い出させた。
世界のコロナ感染者数が再度増加に転じていることがリスク要因として再度意識された。豪州は先進国では軽度の被害状況にもかかわらず、島国として感染症に対するアレルギーが非常に強い国である。
今週末はイースター・フライデー/マンデーでロングウイークエンドとなるがイースターを過ぎると豪州も秋から冬に向かうわけで、コロナ再燃への予防が強化されるだろう。
豪ドルは一旦高値80セント、85円を見ただけに、足元は上値の重い展開が予想される。

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Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

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