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今週の為替相場見通しby Joe Tsuda(津田 穣)19 September 2022

19 September 2022

◎<主なイベント>
19日(月)敬老の日祝日のため東京市場は休場、エリザベス女王国葬、英国市場は休場(国民の日)
20
日(火)日本消費者物価指数(8月)、中国最優遇貸出金利(ローンプライムレート 1年・5年)、カナダ消費者物価指数(8月)、第77回国連総会一般討論(26日まで)
21
日(水)米FOMC―パウエルFRB議長記者会見・経済予測公表、G20貿易投資産業担当相会合(23日まで)
22
日(木)日銀金融政策決定会合―黒田日銀総裁記者会見、日銀「基調的なインフレ率を捕捉するための指標」公表、トルコ中銀政策金利、スイス中銀政策金利、ECB経済報告、英中銀政策金利、ユーロ圏消費者信頼感(9月)、米景気先行指数(8月)、国際連合安全保障理事会―ウクライナ巡る閣僚級会合
23
日(金)、秋分の日祝日のため東京市場は休場、先物・オプションの祝日取引開始、フランス製造業PMI速報値(9月)、ドイツ製造業PMI速報値(9月)、ユーロ圏製造業PMI速報値(9月)、英国製造業PMI速報値(9月)、米国製造業PMI速報値(9月)、パウエルFRB議長―Fed Listens イベント開会挨拶
24
日(土)英労働党大会(28日まで)
25
日(日)イタリア総選挙


◎<マーケットの焦点>―米金利上昇によるドル高も今週のFOMCがピークか

先週は米国の金利先高観が更に強まり、前週反発を見せたNYダウは再び1,300ドルを超えて大幅に下落し、他の主要国の株価も軟調となった。
火曜日に発表された米8月のCPI+8.3%(予想+8.1%)、コアCPI+6.3%(予想+6.1%)と予想を上回り今週のFOMCにおいて1%利上げ予想も台頭した。
ドルインデックスは109台を中心に揉み合いとなったがドル円は乱高下した。
強い米CPIに伴う大幅利上げ観測で9月上旬の高値145円一歩手前に肩を並べたが、水曜日には「日銀レート・チェック」が入り144円台から142円台に急落するなど乱高下した。
その後も木曜日に発表された日本の8月の貿易収支(通関ベース)が過去最大の赤字となり再び144円台を窺う動きとなったが、週末にかけてはECB当局の「ユーロ安けん制発言」なども相次ぎ、ドル円も143円を挟む水準に緩んで越週した。
今週はFOMCはじめ日銀会合、BOE理事会、スイス中銀理事会、トルコ中銀理事会など各国中銀政策会合が重なる。注目はやはりFOMCだが、先週のCPIの“再リバウンド”を受けて上げ幅の予想は75bpに止まらず100bpも聞こえてくる。
ただ重要なのは足元の上げ幅よりも、現在4%台前半と想定される終着地点に急速に近づいているということだ。終着地点がニュートラル地点よりも上に設定されることは間違いないが、終着駅がどんどん遠ざかるということも歴史的には考え難く、利上げ幅の残りも減少していくということだ。
したがって米国の利上げを理由とするドル高もそろそろ終盤と考える。
同時に100bp利上げが現実化すれば、市場の目は徐々に米景気スローダウン懸念に移るのではないか?
また先週の日銀レートチェックの“本気度”はさておき、黒田総裁としても「145円台を容認すれば一気に150円」という展開を恐れているはずだ。145.00が何度も跳ね返されている背景にGPIFが外貨資産の為替ヘッジオーダーを145円から上に並べていたとしても不思議でなない。
むしろ先週のデキンドスECB副総裁やビルロワドガロー仏中銀総裁の「ユーロ相場を極めて注意深く見ている」というユーロ高けん制発言に日銀も積極的に乗るべきだろう。
ただ、残念ながら円のサポート材料は係る日銀の“口先介入”以外はほぼ皆無。
本格的に円売り材料が出てくるのはこれからであろう(詳しくは9/20リリースのセントラル短資FX社のマーケットビューをご覧いただきたい)。
結局は日銀の口先または、たとえ実弾介入でドル円が反落しても、筆者の第一ターゲットである150円を目指すための“買い場”を提供することになると考える。

 

◎<豪ドル相場>

依然好材料に欠き軟調推移か。対円でもドル円の調整が強まれば反落か。

先週の相場レンジ―AUDUSD 0.6670-0.6916  AUDYEN  95.55-98.73
今週の予想レンジ―AUDUSD 0.6700-0.7000  AUDYEN  94.00-98.00

先週豪ドルは週初は堅調裡にスタートしたものの、強い米8月CPIを受けた米金利上昇観測強まり、週末に向けて一時67セント割れまで値を崩した。対円では週初にドル円の再上昇とのコーラボで一時98円台まで新高値を更新したが、日銀レートチェックを受けたドル円の反落に連れて週後半には95円台まで反落するなど、さすがに100円の大台を前に高値警戒感も高まっている。
商品相場(CRB Index)が週末に向け300割れまで下落したことも重石となった。
7月4万人の減少となった就業者数は、8月は3万3千人の増加に盛り返したが、サンプルデータの偏りになどにより毎月ボラタイルに振れる数字である点は否めない。ただ失業率は前月の3.4%から3.5%にやや悪化したが依然として歴史的にも低水準であり、RBAも年末までに3.25%までの低下を予想している。(その後は上昇予想)。
ただ足元の豪ドルは米ドルの強弱に最も左右され(豪ドルは米ドルの受け皿)、米ドルが軟調に転じる場合には66-67セント台がボトムとなる可能性があろう。
対円では一時98円台と2015年1月以来の高値を付けたが、大台の100円台を見るには、ドル円が145円台を上抜けして上伸する必要があるだろう。

―読者各位―
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Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

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