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今週の為替相場見通しby Joe Tsuda(津田 穣)3 October 2022

26 September 2022

◎<主なイベント>
10/3日(月)岸田首相所信表明演説、日銀主な意見(9月21日-22日開催分)、日銀短観(第3四半期)、米自動車販売(9月)、米ISM製造業景気指数(9月)、クワーテング英財務相保守党大会で演説、NY連銀総裁講演、アトランタ連銀総裁講演、ユーロ圏財務相会合、中国市場は国慶節で休場(10日に取引を再開)
4
日(火)東京都消費者物価指数(9月)、RBA政策金利、豪州住宅建設許可件数(8月)、米求人件数(8月)、ジェファーソンFRB理事講演、NY連銀総裁講演、ダラス連銀総裁講演、クリーブランド連銀総裁講演、サンフランシスコ連銀総裁講演、EU財務相理事会
5
日(水)日銀需給ギャップ潜在成長率、NZ中銀政策金利、米ADP雇用者数(9月)、米ISM非製造業景気指数(9月)、トラス英首相保守党大会で演説、アトランタ連銀総裁講演、OPECプラス閣僚級会合
6
日(木)豪州貿易収支(8月)、日銀支店長会議、日銀地域経済報告(10月)、ECB議事録(9月8日開催分)、クックFRB理事講演、ウォラーFRB理事講演、NY連銀総裁講演、シカゴ連銀総裁講演、クリーブランド連銀総裁講演
7
日(金)RBA四半期金融政策報告書、日本景気動向指数(8月)、RBA金融安定報告、米雇用統計(9月)、NY連銀総裁講演、EU首脳非公式会議
8
日(土)中国財新サービス業PMI(9月)
9
日(日)中国共産党第19期中央委員会第7回全体会議(7中全会)

◎<マーケットの焦点>―日銀単独介入の限界、しかしドル高もかなりいい所にきている

先週はポンド中心に波乱の展開となった。
月曜日の東京市場では、前週のトラス新政権の大幅減税含む経済政策に対するネガティブな見方から、ポンドがオープニングの1.08近辺から、一気に史上安値を更新する1.03台に急落。薄商いでのシステム売買も一因とみられるが、ポンド防衛のためBOEが緊急利上げに踏み込むとの観測からロンドン市場オープン後は寄り付きの1.08台を回復するという荒い展開に。不安定なポンド相場に加えて前週のロシアの予備役動員やノルドストリームの意図的破壊疑惑などから急激な「株安、債券安、ドル安」のリスク回避相場となった。
ベイリー総裁は緊急会見で「必要なだけの金利変更を躊躇しない」、「次回のMPC(11/3?)でポンド安と財政計画を評価する」と述べたが実際の利上げは行われず。ただBOEが英長期国債の無制限購入措置を発表したため、英国債の急落が食い止められポンドは1.09台まで急反発するなど大荒れの展開となった。
水曜日にはリスク回避のドル高が顕著となりドルインデックスは一時20025月以来の114台後半まで上昇した。
しかしポンドが落ち着きを取り戻すに従いドル高の流れも調整され、週末に向けてポンドは1.12台まで、0.95台まで下落したユーロも0.98台まで回復した。
ドル円は依然として介入警戒感から145円台のトライには躊躇しているが、144円台を割り込むこともなく、144円台で堅調推移。
いよいよ最終四半期入りとなるが、ウクライナ紛争に加えて11月の米中間選挙も迫る。中間選挙で通常与党が劣勢となるが、今回はトランプ前大統領への否定的な見方も強く、民主党が意外に健闘する可能性もある。
係る中インフレ対策に加えて、米景気減速懸念が強まる中、民主・共和ともに足元の“ドル全面高”是正の動きが出てくる可能性には留意したい。
先月の日銀介入額は円買い介入としては史上最大規模の28千億円規模と公表された。しかし介入は一日のみでフォロースルーがなく、しかも単独介入であって、その効果を疑問視する市場の見方は強く、ほぼ介入地点までドル円が反発している事実がそれを物語っている。
今度145円を超えた場合、たとえ日銀が再度介入しようとも前回のような「5円落ち」とはいかないであろう。
政府・日銀は145円超えを待つのではなく、145円から遠ざける措置が必要であろう。
いずれ150円方向に反発するとはいえ、発射台を少しでも下げる必要があるあろう。

◎<豪ドル相場>

底値圏と考えるが、足元は上値が重い展開

先週の相場レンジ―AUDUSD 0.6363-0.6538  AUDYEN  92.12-94.21
今週の予想レンジ―AUDUSD 0.6200-0.6600  AUDYEN  90.00-94.00

先週豪ドルは一時2020年のパンデミック以来の安値63セント台半ばまで下落。
対円でも一時先月の急伸前の92円台まで反落した。
ウクライナ情勢は依然混とんとしており、加えて先週はポンドの大幅下落などから、「リスク回避相場のドル全面高」となったことが豪ドルの重石となった。
またRBAは“利上げ速度の減速”を示唆し始めており、米豪金利差拡大観測や、商品相場の軟調も豪ドル売り材料視される。
今週のRBA理事会では再び50bpの利上げが行われてオフシャル・キャッシュ・レートは2.85%に引き上げられるとみられるが、25bpの利上げに留まる場合には、一時的にせよ豪ドルが続落するだろう。市場は利上げ停止レート(ターミナルレート)を意識し始めるだろう。
ただ米中間選挙を来月に控えて、そろそろ足元のドル全面高地合をけん制する政治的意図が民主・共和両党から働かないか?ドル相場が調整反落となれば豪ドルも現在の最安値圏から底入れするであろう。
AUDUSDのRSIは24%台、AUDJPYは33%台と、既に大幅なoversold状態になっていることにも留意したい。

 


―読者各位―
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Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

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