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「今週の相場の焦点」by Joe Tsuda(津田 穣)17 July 2023

17 July 2023

<ポイント> ドル円は145円台から137円台に調整反落だが徐々に底入れか

・先週はドルが続落した。前週の6月米雇用統計後のドル売りセンチメントが継続。発表された米6CPIPPIがいずれも予想を下回り、米金利先高観が急速に後退。
7/26FOMCでの利上げ観測は残るものの、5.50%で今回の米利上げは打ち止めとの見方が強まってる。米金利先高観の後退と共に前週まで反落していた主要国株価は軒並み反発し、NYダウは34,500ドルを回復した。
・今週は中国のQ2GDPや米6月小売売上高に注目が集まる。先ほど発表された中国のQ2GDPは前年比+6.3%(予想+7.1%、前回+4.5%)、前期比+0.8%(予想+0.8%、前回+2.2%)と前年比で予想ほどの強さは見られなかったが、中国景気の減速懸念はやや後退した形。
・先週はカナダ中銀が予想通り25bp利上げして政策金利を5.0%としたが、政策金利が4.0%と低いECBを別とすれば、6月に大50bpの大幅利上げをして政策金利を5.0%にしたBOEはじめ、主要国はほぼターミナルレートを達成したと考えていいのではないか?その中で今月の利上げ25bpで利上げ打ち止めとみられるドルへの調整売りが目立った。
・ただドル円も145円台から137円台まで反落し、ドルインデックスも100を割り込むなど、ドル買いポジションの調整はかなり進んだと考えられる。
・今後主要国の利上げ終了が徐々に明確になれば主要国の株価をサポートし、リスクオン相場となればドルへのニーズはモデラートなものになるだろう。
ただドルインデックスの100割れはいかにもドルアンダーバリューであり、「リスクオンのドル売りと値ごろ感のドル買い戻し」が交錯する展開が続きそうだ。
・係る状況下 “金融政策格差からの円売り”地合が長かっただけに、簡単には再び円売り(ドル円上昇)に反転はできないのかもしれない。
・「金利差による円売り」の次に来る「円独自の売り材料」が浮上するまでの間、暫くはポジションの溜まり具合に左右された135-140レンジの上下動が続きそうだ。

 

◎<豪ドル相場>――ドル全面安で豪ドル反発

先週の相場レンジ―AUDUSD 0.6623-0.6894  AUDYEN  93.27-95.38
今週の予想レンジ―AUDUSD 0.6600-0.6900  AUDYEN  93.00-96.00

・先週豪ドルは米ドルが全面安となる中「豪ドルは米ドルの受け皿」で、対ドルで68セント台後半に上昇する一方、対円ではドル円の下落と相殺し合いながら94円台でやや頭の重い展開となった。
・また主要国の金融引き締め終了観測が強まる中、世界的な株価の堅調からリスク選好ムードとなっており、商品相場(CRB Index)が再び300台を回復してきたことも豪ドルをサポートした。
・先週豪州のチャーマーズ財務相はRBA次期総裁として、初の女性総裁となるミシェル・ブロック現副総裁の総裁人事を発表した。RBAのインフレターゲットを含めた抜本的な政策見直し論が強まる中、外部からの登用の可能性が指摘されたが、過去の前例を踏襲する形で副総裁の昇進人事であった。
ただブロック新総裁には今後RBA改革の重い責務が課せられることになる。
・足元の豪ドルは米ドル安を反映して急反発したが、RBAの利上げ自体終了したとの見方が強く、今後労働市場をはじめとして豪州経済の減速懸念が強いだけに、70セントを超える豪ドルの上昇も現実的とは言い難い。
・今週木曜日に6月雇用統計が発表されるが、先月大幅増加(7.59万人)した就業者数が調整される可能性には留意したい。

 

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Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

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