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「今週の相場の焦点」by Joe Tsuda (津田 穣)15 September 2025

 

15 September  2025

<ポイント> 先週もアップダウンして、結局147円台

今週の予想レンジ:146.00-149.00
先週のレンジ 146.30-148.57
(先週の予想レンジ:146.00-149.00

・先週初は「石破ショック(辞任表明)」でドル円は148円台に窓開けオープン。
・しかし週中弱い米雇用(2024 4月~20253月改定値は過去最大91.1万人の下方修正)に日銀の年内利上げ観測も伝わり一時146円台に下落。
ECB理事会での予想通りの金利据え置きでECBの利下げサイクル終了が意識されユーロが1.17台堅調推移したこともドルの重石に。
PPIは下振れしたがCPIは(関税の影響か)財のインフレ再燃で前回の+2.7%から+2.9%に上昇→しかし同時に発表された新規失業保険件数が大幅に増えて再び147円割れに→結局週末は147円台後半に反発して越週。
・今週のFOMCでは昨年12月以来の利下げが確実視されるが、今年5月分以降のNFRの大幅下方修正を見て、さすがにタカ派のパウエル議長もハト派に急転した。
・「雇用と物価の安定」をダブルマンデートとするパウエル議長にとって、まさかのNFRの大幅下方修正を突きつけられて心中察するに余りあるが、、、
・今回のFOMCで同時に発表されるドットプロットにおけるメンバーの金利見通しが注目されるが、10月、12月の2度のFOMCで追加利下げがされ、年末は3.50-3.75に、そして現在の厳しい雇用情勢が来年も続けば来年も3度程度利下げが行われて、来年末は2.75-3.00%に政策金利が下がると見るのが大勢だ。
・ただ金融緩和の継続を妄信すべきではなく、今後の“雇用とインフレのデータ”を注視すべきだろう。
・現在主要国中最高の“周回遅れのインフレ率3.1%”と政治的不透明感を両方抱える日銀が、果たして積極的に利上げを継続できるのか?大いに疑問。
・加えて景気減速とインフレ再燃懸念を抱えるのは米国だけではなく、ウクライナ戦争はじめとした地政学的懸念の存在を考えれば“米国金融緩和げ”だけの理由でドルを売るには限界ああるだろう。
146台~148台のレンジを抜けてドル円が下落基調に戻るとは考えにくい。

 

◎<豪ドル相場>

豪ドルは米ドル軟調/ユーロ堅調地合の中従来のレジスタンスであった66セント台へ上昇。対円でもドル円の底堅さとの相乗効果で1月以来の高値98円台前半に続伸した。

先週の相場レンジ―AUDUSD 0.6546-0.6668  AUDYEN  96.81-98.42
(先週の予想レンジ―AUDUSD 0.6450-0.6650  AUDYEN  95.00-98.00)
今週の予想レンジ―AUDUSD 0.6550-0.6750    AUDYEN  97.00-100.00


先週は目立った国内指標の発表もない中、豪ドルは米ドル軟調とユーロ堅調にフォローして66セント台、98円台に続伸した。
・特にECB理事会でのスタッフ予想で今年と来年のインフレ率が引き上げられ、利下げサイクル終了観測が出てユーロが1.17台に上昇したる動きが豪ドルをサポートした。
8/12RBA理事会における利下げ以降、発表された国内経済指標(7CPIQ2GDP)がともに強く、RBAの緩和継続に懐疑的な見方が生じていることも豪ドルをサポートー今週発表される8月雇用統計が注目される。
・ただウクライナ戦争終結期待が後退し、米ロ間の緊張が中国やインドにも波及することが懸念されるなど、地政学的懸念が払拭できないことは豪ドルの潜在的な不安材料だ。
・ユーロ堅調地合がこのまま継続するとは考え難く、豪ドルが66セント台から更に続伸するとの見方には懐疑的である。
・一方対円ではドル円が底堅く推移するならば、再び大台100円を意識した展開が予想される。

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Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

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