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シドニー発豪ドル見通し (2014年2月17日)

 

”シドニー発豪ドル見通し”(毎週月曜アップデート)
(米ドル円日足)

(豪ドル米ドル日足)

(豪ドル円日足)

Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在Junax Capital,AT FUND,Sydneyでファンドマネージャーを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。

豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。

趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ

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今週の主な予定、イベント

2/17(月)日本Q4GDP、米プレジデンツデー休場、ユーロ圏財務相会合

18(火)日銀会合(黒田総裁記者会見)、独2月ZEW景況感指数、米2月NY連銀景気指数、EU財務相理事会

19(水)日銀月報、英1月失業率、米1月PPI/住宅着工件数/建設許可件数、米FOMC議事録、地区連銀総裁講演(SF、アトランタ、セントルイス)

20(木)日本1月貿易収支、中国2月HSBC製造業PMI、米1月CPI/景気先行指数、米新規失業保険申請件数

21(金)米1月中古住宅販売件数、セントルイス連銀総裁講演

 

マーケットの焦点

キーワード:日銀会合、FOMC議事録、リパトリ、シドニーG20

先週は注目のイエレン新FRB議長の議会証言があり市場は神経質に動きました。QE(量的緩和)縮小の方向性は確認されましたが予想された通りに、かなり将来までのゼロ金利維持など、ハト派色が強い内容となり、主要国の株式市場は安ど感から堅調推移しました。その中で日経平均だけが続落しているのが気になるところです。

またECB理事会では先日のECB理事のマイナス金利発言から緩和期待がありましたが結果は据え置き。

英中銀理事会では一部市場が期待したフォワードガイダンス強化(緩和姿勢の強化)は発表されず、ユーロは1.37台に、またポンドは1.68近辺まで上昇しています。

米経済指標は前週の弱い1月雇用統計に加えて、発表された1月小売売上高も不冴えで、米ドルを圧迫しました。

果たして大寒波の影響が一過性で終わるのか見極めが必要です。

以上から先週は総じて米ドル軟調で欧州通貨が上昇し、ドル円は101円台半ばまで下落しています。

今週は17/18日の日銀会合、19日のFOMC議事録発表、22/23日のシドニーG20などが注目イベントです。

日銀会合では4月からの消費増税への対応として日銀の異次元緩和第二弾への期待が高まっていますが、海外からも米国の緩和縮小で新興国から資金が米国に還流している現状から、円が米ドルに取って代わって”円キャリートレード(今回はゼロ金利円資金から新興国への資金流入)”が活発になることを望む声も聞かれます。

また19日に発表されるFOMC議事録ではフォワードガイダンス強化やテーパリングの中断条件などに言及していたかどうかも注目ポイントです。

更に22日のシドニーG20ではFRBのテーパリングから新興国市場が混乱している現状に対して、どのような対応策が出されるのかも注視されます。

このところアベノミクスへの期待感が徐々に剥落しているのもドル円軟調の一因です。更に円需給を見れば、今月は米債の償還・利払い月である他、3月の本邦期末を控えた本国送金のリパトリ(外貨売り/円買い)の観測もあり、加えて3月末のヘッジファンドの解約45日前告知ルールに絡んだ円買いなど円買い需要が目立っており、ドル円の頭が重くなることが予想されます。

 

豪ドルマーケット

先週の相場レンジ AUDUSD 0.8907-0.9067 AUDYEN 90.93-92.97

今週の予想レンジ AUDUSD 0.8850-0.9150 AUDYEN 90.50-93.50

今週の豪ドルは売り買い交錯で揉み合いでしょう

先週の豪ドルは週初は前週の堅調地合を継続して90セント台半ば、93円近辺の上値をトライしました。中国の1月貿易収支が良好であったことも豪ドルをサポートしました。

しかしトヨタが豪州生産撤退(2017年末までに)を表明し、自動車産業全体の雇用喪失が懸念される最中に発表された1月の雇用統計が、失業率6%(前回5.8%)、就業者数-3.7千人(前回-22.6千人)と弱い数字であった失望感から、一気に豪ドル売り戻しが活発化し、豪ドルは一時89セント近辺、91円割れまで反落しました。

しかしその後は米ドルの軟調もあり、再び90セント半ば、92円台を取り戻す展開になっています。

今回の弱い1月雇用統計は、今回から”新人口データ”に基づいてサンプリングが行われたことも就業者数が弱かった一因と言われ、また資源産業のピークアウトが言われ久しいですが、景気に対する労働市場の遅効性がここにきて顕現化しているのは事実です。

従ってある程度軟調な労働市場は”過去の影響”として市場も織り込むでしょうし、その他の景況や中国情勢が大きく悪化しない限り雇用悪化だけを理由に豪ドルが大きく下落するとは予想しません。

ただ対円では3月期末を控えたリパトリや投資家の利食いの動きなどで、豪ドル円も軟調に転じる可能性があり要注意です。

猶、*来週2/24と再来週3/3は所用で帰国しますの、本レポートはお休みさせて頂きます。

  ”今年の豪ドル見通し”については下記セントラル短資FXブログ(26 December付)をご参照ください。

Junax Capital, Sydney

Joe Tsuda

 

☆豪ドルトレーディングにはFXマガジン「Joeの豪ドル道場」をお勧めします。

http://www.fxmagazine.jp/magazine_direct.php?uid=3Gl8j

サンプル例を添付させて頂きます。

「11 July_2012.pdf」をダウンロード

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当)

http://www.central-tanshifx.com/

☆外為どっどコム社の動画担当(毎週金曜日)

http://www.gaitame.com/gaitame/

 

ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

 

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Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

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