未分類

ウィットラム元首相に対する勲章伝達式

平成18年11月3日付けで、ゴフ・ウィットラム及びマルコム・フレーザー両元豪州連邦政府首相に、旭日大綬章が授与されることとなり、フレーザー元首相に対しては、11月7日に、皇居における親授式において天皇陛下より勲章が授けられた。

ウィットラム元首相に対しては、11月13日に在シドニー日本国総領事公邸において、関係者三十名程が見守る中、上田日本国大使より勲章及び勲記が伝達された。

 
両首相に対する勲章は、日豪友好基本条約署名30周年を記念する日豪交流年の本年に、同条約の交渉を開始したウィットラム元首相及び同交渉を成功裡に終結したフレーザー元首相の顕著な貢献に鑑み授与されるものである。

また、今回の叙勲は、両首相の長年に亘る日本への関与及び日豪関係の強化に対するコミットメントに敬意を表するものでもある。旭日大綬章は、外国人に対して授与されうる最高位の勲章である。


 

 

左写真:上田特命全権大使より勲章及び勲記が伝達された。
右写真:上田秀明特命全権大使とウィットラム元首相ご家族

 


 
ウィットラム元首相
 
ウィットラム元首相は、昭和46年に労働党の議員団を率いて日本を訪問し、当時の佐藤総理等と会談を行った。首相就任後直後には、日本との間での経済分野を含む包括的な友好条約を作ることに関して、強い意欲を示した。
 
同元首相は、昭和48年10月に豪州連邦首相として日本を訪問し、より包括的な日豪間における友好条約(通称「NARA条約」)を結ぶことを約束した。この条約は、結果的にはフレーザー政権時に、「日豪友好協力基本条約」と名を変えて締結されることになったが、ウィットラム元首相の約束がその後の「日豪友好協力基本条約」に繋がる日豪関係の発展の基礎となったことに疑いはない。
 
また、この他にも同元首相は、日豪間の文化協定の締結、豪日交流基金設立、日豪閣僚委員会の開催(昭和48年の訪日時に併せ行われた)、日豪間の資源貿易の推進等に熱意を持って取り組んだ。
 
フレーザー元首相
 

フレーザー元首相は、ウィットラム元首相の外交政策を引き継ぎ、日豪をアジア太平洋地域のパートナーと位置付け、二国間だけでなく、地域という枠組みにおいて日豪関係を促進することに努めた。例えば、後のAPECである太平洋経済協力会議Pacific Economic Cooperation Conferenceの開催における協力に当時の大平元総理との間で合意している。

 
また、同元首相は、現在の日豪友好関係の基盤となった先述の日豪友好協力基本条約を1976年6月16日に署名した。これを機に、同元首相の政権の下では、日豪漁業協定、科学・技術協力協定、ワーキングホリデー制度取極、原子力の平和的利用における協力協定と主要な日豪間取極の合意が次々に実現されている。また、豪州連邦政府内に日豪関係の促進を検討する委員会を設置し、日豪関係に従事する民間団体等への活動支援を行った。
 
同元首相自身は親日家であり、首相就任以前から豪日議員連盟に所属し、積極的に日本との関わりを追求した。また、同元首相は、8年の首相在任期間中4度訪日し、政界から離れてからも私的に訪日を繰り返し、日豪関係の重要性を強調している。

この記事をシェアする

この投稿者の記事一覧

その他の記事はこちら