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大切な雪絵ちゃんのお誕生日

12月27日は大切な「雪絵ちゃん」のバースデー

 夜じゅう雪が降り続け、朝になったら、雪にすっぽりつつまれているようでした。今

日は雪絵ちゃんの亡くなった日です。そして、1/4の奇跡の始まった日といっても

いいかもしれません。雪絵ちゃんの亡くなった日はいつも、雪が降るね。今日もそ

う。そして、あさっては雪絵ちゃんのお誕生日。お葬式のあった日です。雪絵ちゃん

のお話を知ってくださっている方も多いけれど、今日は雪絵ちゃんのことを書きま

す。

・・・・・・

雪絵ちゃんは、私が養護学校で出会った女の子、そのとき、雪絵ちゃんは中学2年生

でした。MS(多発性硬化症)という病気で、私のいた学校の隣の病院へ入院してこら

れました。私は雪絵ちゃんが学校にいるときも、それから卒業したあとも、ずっと仲

良しのお友達でした。雪絵ちゃんは、脳の中のいろいろな場所が固くなって、目が見

えにくくなったり、手足が動かしにくくなるという病気でした。一度発病してそれっ

きり元気と言う方もおられます。でも、人によっては、再発の前の状態にもどること

はなかなか難しいということで、私は雪絵ちゃんが再発すると、どんなに不安だろう

と心配でした。

でも、雪絵ちゃんは口癖のように言いました。「私はMSになってよかったよ。MSに

なったからこそ、分かったことがいっぱいあるし、MSになったからこそ、今周りに

いる人に出会えたよ。かっこちゃんに出会えたよ」と私のことも言ってくれました。

「もし、MSでなかったら、違ういろいろな人、素敵な人にも出会えたと思うけれど、

私は今、周りにいる人がいい、かっこちゃんがいい、だからこれでよかった。目が見

えなくなっても手足が動かなくなっても、人工呼吸器をつけないと息ができなくなっ

たとしても、決してMSであることを後悔しないよ。MSの雪絵を丸ごと愛していくよ」

と言い切る雪絵ちゃんはなんて素敵だろうと思いました。

そんな雪絵ちゃんがあるとき「かっこちゃん疲れちゃった」と言いました。そのとき

は体のほとんどが動かなくなっていたのです。私は雪絵ちゃんがどんなにつらいかわ

かっていたので、どうしようと思いました。そんな私の様子を感じた雪絵ちゃんが

「かっこちゃん、まさか私が死にたいとでも思ったと思った? そんなはずないで

しょう。ただ動けないからちょっと疲れちゃっただけ。何かうれしくなるような話を

してほしい」と言いました。「なあんだ、そうだったの。まかしておいて、私、雪絵

ちゃんにお話ししたいこといっぱいあるんだ」と言いました。そのときお話ししたの

が、明日、上映していただくことになっている映画1/4の奇跡の主題となっている

話です。

その頃、テレビで見たお話がとても印象に残って、そのことを話したのですが、科学

番組で、遺伝子についての放映でした。あるアフリカの村がマラリアという病気で絶

滅しそうになるのです。でも、絶滅しませんでした。なぜなら、マラリアにかからな

い人がいて、その人がいることで絶滅から救われたのです。どんな人がマラリアにか

からないかということを調べたら、赤血球が草を刈る鎌状の形をしている鎌状赤血球

を持っている人がマラリアにかからないということがわかりました。

お医者さんたちは、今度は鎌状赤血球の人の兄弟を集めて調べたところあることがわ

かりました。その人たちは三つのグループに分けることができました。一つ目は鎌状

赤血球を持っていて、重い障害がある人たちが四分の一。二つ目のグループは鎌状赤

血球を持っていて、障害のない人で、その人たちは四分の二の人たち。そして最後

は、通常の赤血球で、障害もない人たちが四分の一。この三つに分けられることがわ

かりました。マラリアが流行ると、三番目のグループの人は鎌状赤血球でないので、

亡くなってしまいます。

テレビでは、鎌状赤血球を持っていて、障害のない四分の二の人たちがいたから、村

は絶滅から救われたと言っていました。けれども、残りの鎌状赤血球を持っていて、

障害のある人たちはとても大きな役割をしている。もし村に障害のある人はいらない

んだという考えがあったとしたら、いずれ鎌状赤血球を持った人はいなくなってし

まって、この村はマラリアが流行ったときに絶滅していたであろう。そう考えると、

この村を救ったのは鎌状赤血球を持っている障害のある四分の一の人たちであると言

えるのではないか。そして、こんなふうにもテレビでは言っておられました。

今、私たちが明日へ向かって元気に歩いていくことができるのは、過去に病気や障害

を持って、そのために苦しみながらも生きていてくれた人がいるおかげである。今も

病気や障害を持ってそのために苦しんでおられる方がいます。その人たちがいてくだ

さるから、私たちの未来の子供たちが元気に明日へ向かっていくことができるので

す。社会は障害や病気を持つ人を含んでいかなければならない。それでなければ私た

ちの未来はないのです。

そんなお話を雪絵ちゃんにしたら、雪絵ちゃんは、とても喜んでくれて、「私が病気

であることにはそんなに大きな意味があったんだね。うれしいな」と言いました。そ

して、「かっこちゃん、このことは私たちだけが知っていてはもったいないよ。みん

なが大切なんだということが科学的にも証明された本当のことなんだということを世

界中の人が当たり前に知っている世の中にかっこちゃんがしてほしい。お願い」と言

うのです。どうしてそんなこと、わたしができる?できっこないよと言うのに、雪絵

ちゃんはどうしても、してほしいと言いました。私は雪絵ちゃんがあまりに一生懸命

なので、「わかったよ」と約束してしまったのです。ところが、雪絵ちゃんは亡くな

りました。それは雪絵ちゃんの遺言になりました。

私は何の力もないのにどうしたらいいんだろうと思ったけれど、不思議なことに、映

画にしてくださる方がいて、明日上映していただける1/4の奇跡という映画は、自

主上映を重ねて、日本では700か所近く7万人の方が見てくださり、世界中のいろ

いろな国でも上映していただいています。雪絵ちゃんの思いが、今、現実になろうと

しているのかなと思いました。

わたしは、病気や障害を持っている人たちが、私たちの命を救ってくれているという

ことを決して忘れてはいけないと思うのです。社会や国が、病気や障害をもっている

人たち、あるいは弱者と呼ばれている人たちをささえていく必要があると思います。

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上記は、私がとっても応援している、かっこちゃん事「山元加津子さん」の

今日のBLOGから。

http://www005.upp.so-net.ne.jp/kakko/miyapupuro/kokorokakehasi.html

 

ドキュメンタリー映画「1/4の奇跡」の初上映会がおよそ2年前

そして、今年もシドニーで再上映会を行いました。

私がとてもっても大切にしている「かっこちゃん」と「雪絵ちゃん」

の事を、皆さんにも知って頂きたいです。

 

 

「雪絵ちゃんの願い」

http://www005.upp.so-net.ne.jp/kakko/eigoyukie/yukiechanswish2.html

 

映画「1/4の奇跡」公式サイト

http://www.yonbunnoichi.net/

  

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