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シドニー発豪ドル見通し(2011年7月4日)

”シドニー発豪ドル見通し”(毎週月曜アップデート)

(米ドル円日足)

(豪ドル米ドル日足)

(豪ドル円日足)

Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在Junax Capital,AT FUND,Sydneyでファンドマネージャーを務める傍ら日本の投資家に市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴29年。

趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ

今週の主な予定、イベント

7/4(月)米国独立記念日休場、豪州5月小売売上高、5月住宅建設許可件数

5(火)RBA理事会(予想:キャッシュレート4.75%据え置き)、豪州5月貿易収支、ユーロ圏5月小売売上高、米5月製造業受注

6(水)米6月ISM非製造業景況指数

7(木) 日本5月機械受注、豪州6月雇用統計(就業者数:予想15千人、前回7.8千人、失業率:予想4.9%、前回4.9%)、NZQ1GDP、BOE理事会、 ECB理事会(1.25%→1.50%利上げ予想)、米6月ADP雇用統計、米新規失業保険、ホーニグ・カンザスシティー連銀総裁講演

8(金)独5月経常収支/貿易収支、英6月生産者物価指数、カナダ6月雇用統計、米6月雇用統計(NFPR:予想+83千人、前回+54千人、失業率:予想9.0%、前回9.1%)

マーケットの焦点

キーワード― 欧州の焦点はギリシャ問題一服→欧州中銀(ECB)による利上げ観測へ、米国の連邦債務上限引き上げ問題、豪州ではRBA理事会と6月雇用統計

先 週はギリシャ問題が市場の注目をほぼ独占した1週間でした。週央に実施されたギリシャ議会の中期財政計画の採決を巡って期待感が広がり、同計画が無事可決 されたことから、週を通して”リスク回避の巻き戻し”が強まりユーロは1.41近辺から1.45台半ばに反発しました。

また米国経済でもシカゴPMI、ISM製造業景況指数、住宅関連で予想を上回る指標が見られ、米景気後退懸念が緩和されたこともリスク選好の動きに拍車をかけました。

こ の結果株価は欧米中心に急反発(前週引け値比:NYダウ11934→12582、独DAX7121→7419、日経9678→9868、上海総合指数 2746→2759、豪州All Ords 4565→4647)、商品相場(CRB)は329→336、原油は1バレル91ドル→95ドルに上昇しています。

またここまでリスクヘッジで買われていた金は1500ドル→1482ドルに反落しています。

前号では”ギリシャ議会の緊縮財政法案可決は既に織り込み済みであり、その他欧州周辺国問題や、米国連邦債務問題、中国の景気スローダウン懸念など、まだリスクフリーではない”とやや悲観的に見ていましたが、どうも予想外にギリシャ懸念一服効果は強かったようです。

今後ともリスク回避/選好の波が押し寄せるでしょうが、取り敢えず市場の目は”ギリシャの次はECBによる利上げ(7/7の理事会で政策金利を1.25%→1.50%に引き上げ予想)”に移行しているようで、ユーロに対する買い気が強いようです。

また米国の債務上限引き上げ問題はデッドラインが8/2であり、与野党間の協議が暗礁に乗り上げていますが、ガイトナー米財務長官が債務上限引き上げ問題決着と引き換えに辞職を匂わせている節もあり、それが奏功して早期決着となるか注目されます。

豪州国内では7/27の第二四半期消費者物価指数が最も注目されます。この数字を見る前に明日のRBA理事会で利上げがなされる可能性は少ないでしょう。

また本日発表された5月の豪州小売売上高と住宅建設許可はいずれも不冴でしたが、今週木曜日(7/7)の6月雇用統計の内容が気になるところです。5月分は予想外に4月の-29.4千人に続いて+7.8千人と弱い数字でした。

豪ドルマーケット

先週の相場レンジ AUDUSD 1.0391-1.0790 AUDYEN 84.06-87.24

今週の予想レンジ AUDUSD 1.0550-1.0850 AUDYEN 85.00-88.00

今週の豪ドルは”上値テストと利食い売り”でアップ&ダウン

先週の豪ドルは”月曜日に下値テスト後、大幅上昇”でした。

” 前週に引き継ぎ欧州問題や米景気懸念からリスク回避の流れ継続”と見ましたが予想ははずれ、上記のようなギリシャ問題一服と堅調な米国指標を受けて、世界 的に株価・商品相場は堅調推移し、リスク選好の動きから豪ドルも週初の安値1.04割れ、84円近辺から、金曜日には1.08手前、87円台まで続伸して ほぼ高値引けとなりました。

まだ内外不安要因がなくなった訳ではありませんが、今週はリスク選好色の強い”円キャリートレード”が豪ドルを押し上げる可能性があります。

テクニカルには6月初に付けた高値1.07台後半、87円台半ばを上抜くと、5月初の史上高値1.10、そして豪ドル円の90円がターゲットとなります。

ただ本日発表された5月の小売売上高は-0.6%(予想+0.3%、前回+1.1%)、住宅建設許可-7.9%(予想-0.5%、前回-1.3%)といずれも不冴であり、木曜日の6月雇用統計の結果も気がかりなところです。

一方、前2カ月の数字が悪かっただけに6月はリバウンドする可能性もありますし、またRBAは依然として年末にかけてのインフレ上昇を懸念しており、7/27に発表されるインフレ指数が高い数字であれば8月利上げ観測が高まります。

したがって、欧米、中国などの外的要因、豪州国内要因共に好悪材料雑居状態で、豪ドル相場も一方方向に動くと考えるよりは、”高値圏における売り買い交錯”と考えた方がよさそうです。

それでは 、今週も Have a nice WEEK!!!

Junax Capital, Sydney

Joe Tsuda

・豪ドルトレーディングにはFXマガジン「Joeの豪ドル道場」をお勧めします。 http://www.fxmagazine.jp/magazine_direct.php?uid=3Gl8j

サンプル例を添付させて頂きます。

「29_december_2010.pdf」をダウンロード

・現在セントラル短資FXブログに執筆中!

http://www.central-tanshifx.com/

 

 

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ご注意!

本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、

それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

 

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1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
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