「停電中の酒造り その3」
重油が何とか供給され始めましたが、問題はまだまだ続きました。
それは同じくエネルギー問題で、従業員が通勤するためのガソリンが全く無い状態が続きました。
ガソリンが無い、ということは、田舎に暮らしていれば、「何もできない」につながり、通勤できない人が多数南部美人以外にも出てきました。
このような状態になるのが目に見えるほど、ガソリン不足が続いたため、蔵のスタッフは、大吟醸の仕込みの時のように、蔵に泊まり込みを決意し、酒造りを家族よりも優先して行ってくれました。
二戸市も大きな地震の揺れで、小さな子供を持っている蔵人は、まだ子ども達が夜も眠れないくらいショックを受けている中、家庭よりも酒造りを優先してくれました。
本当にありがたかったです。私はもちろんスクランブルで蔵に泊まり込んでいましたが、私一人では酒造りは出来ません。チーム南部美人が一つになって、初めてこの困難を乗り超えることが出来ました。
それ以外にも、様々な困難があった中、出来上がった今年のお酒は、いつもよりも感慨深いものがあります。
このようないつも以上の苦労をして造ったお酒を、ぜひ世界中の方々に飲んでいただきたいという思いは、本当に強いものがあります。
ぜひ皆さんには、特別な年である今年のお酒を楽しんでください。
それが東北の酒蔵にとって最高の応援になりますので。
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