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お医者さんも、ちゃんと手を洗ってね

いやぁ、ついにオールブラックスが24年ぶりに2度目の優勝を果たしました。意外と接戦で、後半はハラハラドキドキでしたが、フランスは今ひとつ押しが足りなかったですね。というか、オールブラックスの守備が堅かったということでしょう。はい、ラグビーWカップのお話でした。

ところで、今日は「Pink Ribbon Day」ということで、乳がん予防啓発のための募金活動が街頭で行われます。みなさんも基金に協力しましょうね。

がんの予防は検診による早期発見が一番と言われています。日頃の定期検診が重要になります。でも、オーストラリアの医療はあまり信用できない、なんていう人もいますね。反対に、結構先端医療は進んでいて世界的にも高い技術だという人もいます。

まあ、いくら先端医療が進んでいたとしても、一般の人には、日頃接するGPの腕とか、最寄りの病院の質が一番気になるところです。

オーストラリアの医療水準を考えるうえで気になる報告があります。

オーストラリア全国の病院での医療過誤による死亡や高度障害のケースが、5年前に比べて減少しているそうです。少なくなっているのだから、それは良かったと思うのですが…。

2005/06年度に79件あった死亡事故や高度障害事故は、2009/10年度には10件にまで減少しています。でも、手術器具などの体内置き忘れ事故は、44件と同数でした。日本でもたまにニュースになったりしますが、やはりどこも一緒で人間がすることですから、うっかりミスというのは必ずあるのですね。

オーストラリア全国で、病院への搬送や入院は年間850万件にのぼります。この総数からすると医療過誤の件数は微々たるものといわれています。世界に比べて、人口比でオーストラリアの件数が多いのか少ないのか、よくわかりません。だいたい、病院は医療事故があっても隠そうとしますし、表面化したケース以外、表に出てこないものは結構あるのではないかと疑ってしまいます。

注目すべきは、医療における安全と質の向上を監督する政府機関が、調査の結果、最近改善されていることとして挙げているのが、なんと「病院職員の手洗い励行率の向上」です。

今年度、全病院における手洗い率は平均68.3%で、看護士の手洗い率は75%。意外に低いのが医者の手洗い率で、52.4%。看護士より低いのは、医者に手洗いを励行させる全国キャンペーンがわずか3年前にはじまったばかりだからというんです。

基本的な手洗いが次第に行なわれるようになったと政府機関が指摘するなんて、なんだか非常に心もとない気がするのですが。いままで手を洗っていなかったの?

院内感染が問題視されているなか、病院職員の手洗いという基本的な習慣がオーストラリアでも真剣に取り上げられていることは、良いことなんでしょうが、今頃そんなこと?という気がしてならないのです。

毎年、20万件の院内感染が報告されているのですから、やはり手洗いは大事です。外から帰ったら必ず手を洗いましょう。うがいもしましょうね。手洗いとうがいで風邪はほとんど予防できるそうです。

ところで、死亡に至らなくても、さまざまなミスは起きています。薬の間違った処方や服用による入院は、年間19万件、その医療費は総額6億6,000万ドルにのぼります。処方薬の分量を間違えるというミスも結構あります。また、患者の尿検査の結果を取り違えてしまい、結果的にその患者の治療が遅れたというケースや、抗マラリア薬と抗てんかん薬との取り違えで、危うく危険な状態になるところだったというケースも報告されています。

先日、久しぶりに会った知人がいうには、連れ合いがお腹が痛いといってGPに行ったのですが、単なる腹痛と診断され、帰ってからあまりの痛さで病院に行っても埒があかず、自宅に戻り、その後、救急車で運ばれたのですが、原因は盲腸だったのです。でもすでに手遅れで、体内で盲腸が破れた状態になってしまい、その後、何回も手術を繰り返したというのです。

誤診から重症になり、さらに手術のミスで何度も手術を繰り返されるはめになったと怒っていました。彼が言うには、知り合いの日本人がこちらの病院は信頼できないと日本に帰ってしまったというのです。

もちろん、個々のケースだけで全体を判断したり、制度そのものを問題視はできませんが、少なからず、医療面での不安感を理由に日本に帰る人がいるのは事実です。

日本だって医療過誤が起きてニュースになっているのですから、特に日本が安全、信頼できるということでもないような気がしますが、医療に限らず、どうしても外国に住む日本人にとって、何かにつけて「日本は…」と判断してしまうことが多くあります。

こと医療に関しては生命に関することですから、皆さん慎重になりますし、過度に敏感にもなります。一番大事なことは、医者任せ、病院任せにしないことです。「セカンドオピニオンをとるのは先生に悪い」なんて考えず、自分の身は自分で守る習慣をつけ、常に自分の身体のことを知る努力はした方が良いようです。

今日は乳がん予防啓発の日ですが、女性にかぎらず男性も、定期検診で自分の身体を知る習慣をつけましょう。それに不養生が一番悪いのですが、分かっちゃいるけど…ついつい、ということですよね。後で後悔しないためにはそんなこと言ってられないですよ。

(水越)

 

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