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運転免許をとるなら田舎に行ってとる?

 

車の免許を取得するには学科試験と実技試験に合格しなければなりません。日本では最寄りの自動車学校に通ったり、免許取得の合宿に参加したりと、とにかく集中して勉強しなければなりませんね。

 

オーストラリアでは、練習コースのある自動車学校がなくて、名称はDoriving Schoolでも、教官が自前の車を運転して生徒のところにやってきます。生徒はいきなり車に乗ってハンドルを握らされ、指示に従って車を走らせます。一応助手席にもブレーキがついているので、いざとなったら教官がブレーキを踏んでくれますが、それにしても生徒はビクビクものです。なにせ初めて車を運転するのですから。

 

日本のように自動車学校で、車の構造の知識を勉強したり、ハンドル操作を練習したり、などということがいっさいないのです。それもオートマチック車で練習して実技試験に臨み、合格すると免許がもらえるということで、こんなんで免許を発行していいのかなと思いつつ、無事試験に合格して免許を手にしたときには嬉しかったですね。

 

もちろんそんな試験制度ではやはり事故が多いと悟ったのか、いまでは運転免許の試験制度が以前と比べてかなり厳しくなってきました。

 

ニュー・サウス・ウェールズ州では、実技試験の合格率を調べたところ、シドニーなどの都市部より、地方のRTA試験センターでの合格率が断然高いことが明らかになりました。

 

地方のNarooma(91%)、Bega(90%)、Crookwell(86%)、Batemans Bay(84%)、Bombala(84%)などは80%以上の合格率です。それに比べてシドニー周辺地域の、Silberwater(49%)、Lidcombe(48%)、Wetherill Park(46%)、Maroubra Junction(43%)などは50%以下です。なお、MarrickvilleやBondi Junctionも平均をかなり下回る合格率です。

 

実際に教えているドライビング・インストラクターにいわせるとどうなんでしょうか。ある場所では易しいコースだったり、違う試験センターでは難しいコースだったりということはあるそうです。例えば田舎の試験コースの場合、ラウンドアバウトは一カ所しかなく、都会のコースでは何カ所も出くわす場合が多いという違いなどがありますね。

 

もちろんしっかりと練習していれば、シドニー市内で試験を受けても、地方のコースで試験を受けても、変わりはないはずです。

RTAではもちろん、試験内容はどこでも統一したもので同じだと強調していますが、交通状態、道路環境には確かに違いがあるとしています。

 

調査によれば、ここ10年、試験制度を厳しくし、初心者免許の期間を長くしたりしたため、若者による死傷事故の件数が51%も減少しました。ただし都市と地方では大きな差があり、2000年と2010年の死傷事故数を比較すると、シティでは68%も減少しましたが、カントリーではたった25%減っただけです。まあ、田舎を走る場合、ついついスピードを出してしまいがちですから仕方がないのかもしれません。

 

そのため、引き続きP1(前期初心者免許)ドライバーへの夜間の運転制限や同乗者制限は厳しく維持する必要があるとされています。

まあ、合格率が高いところと低いところがあったとしても、いったん免許を保持すると、車が走る凶器とならないように、免許制度は厳しいものにするにこしたことはありません。

 

ところで、若者を対象にした制限も大事ですが、高齢者にも同様の制限が必要かもしれません。80歳以上は免許更新時に再試験を導入していますが、そういうことも大事ですね。

 

私の車を停めている駐車場のゲートを、同じおじいさんが自分の運転する車をぶつけて何度も壊しています。こうなると、高齢者の免許は取り上げた方が良い、と思ったりもしてしまいます。

 

(水越)

 

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