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混雑解消に日本の手法が決め手に!

シドニーの人口はどんどん増えてきて、昔に比べて街中を歩いていてその混雑ぶりに驚くほどです。大げさではなくて、人の込み具合を体感できるほどに、人口が増えてきたなと実感しています。

人口が増えると、当然、宅地開発から交通網の充実まで、さまざまなインフラ整備が必要になってきます。それは経済的に活発になりますし、景気に反映してよいことなのですが、なかなか追いついていないのが現状です。

例えば交通渋滞は深刻なものです。特に金曜日の午後、市内を抜けるのにはかなりの時間が必要になっています。当然、電車やバスも渋滞したり、遅れたりという始末です。特に電車は、最も不満が寄せられる公共交通機関ですね。遅れたり、突然運休したり、通勤客はたまったものではありません。

州政府はとかく評判の悪い電車の運行状況を改善するために、スピードをアップしたり、スタッフを増員したり、電車とホームとの間にスクリーンドアを設けたりと、一応サービス向上に向けて考えているようです。

今後は2階建ての列車ではなくシングルデッキの電車を増やしていくようです。というのも、ピーク時のタウンホール駅やセントラル駅ではかなりの混雑ぶりで、危険でさえあるからです。

シティレールでは、どの駅でもホームにおける1時間当たりの乗客数は2万4000人が限度としています。ところが、もうすぐセントラル駅の16番ホームはその限度に達するそうで、早急な改善策が求められています。

計画では、電車の運行頻度を増やしたり、電車の乗客数を増やしたりして、1時間当たりの限度を2万7000人にまで増やす予定です。

一番簡単な対策としては、電車の速度を上げることです。そうすると頻繁に電車が到着して乗客をさばく回数が増えて、混雑が緩和するというのですが、もちろんこの方法は、時刻表がほとんど機能していない現状では不可能な対策です。シティレールもそれは認めているようです。

次に、電車とホームの間にスクリーンドアを設置する対策です。でも、これは混雑時に線路に落ちたりしないように危険防止策を講じることで、ホームの混雑解消にはならないのではと思いましたが、そうではなくて、スクリーンドアをホームの端に設置することで、逆にスクリーンぎりぎりまで人々が立つことができるので、結果的に多少混雑が緩和されるというのです。でも、ドアの開閉を待ったりして時間が余計にかかり、運行時間に支障が出るのは明らかです。

そこで最終的に、駅員を増やして乗客をコントロールし、適度に分散させて素早く電車に乗り込ませるという方法です。これって、日本の駅で、ラッシュアワー時に乗客を電車に押し込む駅員さんですね。ついにシドニーの駅にも「押し屋」さんが登場するのですね。実際に、タウンホール駅やウィンヤード駅では効果を上げているようですが。

いろいろ策を講じているようですが、一番の方法は、時刻表通りに電車を運行するということだと思います。たしかシティレールの規定では、5分までの遅れは「遅れ」と認識しないことになっているはずです。ですから、年間の電車の運行遅れの割合は、一見それほど高くないように見えますが、実際にはかなり高いはずです。

電車を時刻通りに運行すれば、乗客も決まった時間に乗り込むことができ、素早く発車してすぐ次の電車がやってくるという、至極当たり前の状況になれば混雑がかなり解消するはずです。

まあ、当面の対策としては、日本からベテランの駅員さんを呼び寄せて、トレーニングするのが一番かもしれませんが。

(水越)

 

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