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シドニー発豪ドル見通し(2012年6月25日)

”シドニー発豪ドル見通し”(毎週月曜アップデート)

(米ドル円日足)

ドル米ドル日足)

(豪ドル円日足)

Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在Junax Capital,AT FUND,Sydneyでファンドマネージャーを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。

豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。

趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ

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今週の主な予定、イベント

6/25(月)独短期債入札、独7月GFK消費者信頼感調査、米5月新築住宅販売件数

26(火)スペイン短期債入札、イタリア債入札、米4月S&Pケースシラ竏ク住宅価格、米ユタ州予備選挙(全ての予備選終了)、キング英中銀総裁講演

27(水)NZ5月貿易収支、米5月耐久財受注

28(木)28-29日EU首脳会談、独6月雇用統計、英Q1GDP確報値、米Q1GDP確報値、米新規失業保険、ピアナルト・クリーブランド連銀総裁講演

29(金)日本5月雇用統計、日本5月CPI、仏Q1GDP、ユーロ圏6月CPI、独連邦議会が欧州安定化メカニズムと財政協定を承認する公算、ブラード・セントルイス連銀総裁講演

マーケットの焦点

キーワード―日本の消費税増税法案と日銀の追加緩和、欧州情勢と米国の金融政策/日本の円売り介入

先週はギリシャの再選挙の結果緊縮財政派が勝ったことからユーロ懸念が一旦後退しましたが、その後もスペイン情勢の不透明感からユーロが1.25台~1.27台で振幅するなど神経質な相場展開でした。

週後半は中国や米景気後退懸念が再度高まり主要国の株価や商品相場は結局前週末比値を下げ、商品相場(CRB インデックス)などは原油価格や金貨価格の軟調から年初来の安値圏に落ちています。

また先週行われた米FOMCでは一部期待のあったQE3への言及はなく、オペレーションツイスト(長期の買いオペと短期の売りオペ実施で長期金利を低めに誘導する政策)の期限を6月末から年末に延期したに留まったことから、米ドル買い戻しの動きが活発化し、ドル円は約2か月ぶりの高値80円台半ばまで上昇しています。

円クロスは総じて堅調でしたが、背景はこの米ドル堅調に加えて、日本の5月貿易赤字が9000億ドルに拡大したこと、更には消費税増税法案が可決の見通しなり、その見返りに日銀が7月か8月の政策会合で量的緩和を更に拡大させるとの思惑があるようです。

また増税法案への賛否で民主党が分裂の危機に瀕しており、係る政局の混迷も円売り材料視されています。

欧州情勢はギリシャ不安がやや後退しているものの、引き続きスペインやイタリアの銀行問題などまだ予断を許しません。

先週も格付け会社ムーディーズは大手欧米銀行15行の格下げを実行しています。

したがって、今後欧州情勢が再び悪化して、上記の円売り圧力を上回ってリスク回避の円買いが再燃する場合には、日本の金融当局が円売り介入に出る可能性もあります。

先週のG20で、秋の大統領選挙を控えた米国のオバマ大統領は「G20諸国は通貨を過小評価させた水準を保つために為替介入をしてはならない」と述べていますが、一方今月になってIMFは「円は幾分過大評価されている」と述べており、むしろ”オバマ大統領のけん制発言も円には適用されない”という見方もあるようです。

また先週のFOMCで米国のQE3への言及はありませんでしたが、おそらくFRBとしては、欧州情勢などが最悪の事態となった時のためにQE3を温存する戦略であると思われます。

今週はEU首脳会議が開催されますが、議題としては、銀行同盟、ユーロ共同債、財政統合、成長支援、緊縮策の修正協議など問題が山積しています。

豪ドルマーケット

先週の相場レンジ   AUDUSD 1.0006-1.0224  AUDYEN79.33-81.57

今週の予想レンジ AUDUSD 0.9900-1.0200  AUDYEN 79.00-82.00

豪ドル調整買い戻しも一巡し、ここから再度反落か?あるいは先週の底入れ確認で続伸か?を決める週となりそうです。

ポジションの偏りも解消しており、売り買い交錯相場が予想されます。

 

先週の豪ドルは月曜日にギリシャ再選挙での緊縮派勝利を好感して上部にギャップオープンした後、スペインの国債利回り高騰(10年債は一時過去最高の7.29%レベルに)を受けて反落。

しかしG20を通過して徐々に欧州懸念後退し、ユーロに連れて水曜日には週中高値1.02台前半、81円台半ばまで上昇しました。

しかし週後半はFOMCでのQE3言及ないこと、及び発表された米中の経済指標が弱かったことから、リスク回避の円買いならぬ”米ドル買い”が急激に活発となりました。

ユーロや豪ドルなどのリスク通貨が反落、ドル円は約2カ月ぶりの高値80円台を回復するなどまちまちの動きとなりました。

今週も豪州国内では大きなイベントはなく、引き続き週末のEU首脳会議に向けて欧州情勢がメインファクターとなります。

来週火曜日(7/3)のRBA理事会における追加利下げの可能性については、6月上旬では利下げをほぼ100%織り込んでいましたが、ギリシャ選挙における緊縮派勝利を受けて現在50%未満に後退しています。

5月初中の1.04台、84円台から6月初旬には0.95台、74円台に大幅下落した豪ドルも、それ以降徐々に底入れして先週は1.02台、81円台まで回復しました。

6月初の底入れが本物であったか?あるいは調整買い戻しが終了すれば再び反落するのか?7月にかけての欧州情勢が鍵を握りそうです。

 

 

それではHave a nice week in advance!!!

Junax Capital, Sydney

Joe Tsuda

 

☆豪ドルトレーディングにはFXマガジン「Joeの豪ドル道場」をお勧めします。

http://www.fxmagazine.jp/magazine_direct.php?uid=3Gl8j

サンプル例を添付させて頂きます。

「29_december_2010.pdf」をダウンロード

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当)

http://www.central-tanshifx.com/

☆外為どっどコム社の動画担当(毎週金曜日)

http://www.gaitame.com/gaitame/

 

ご注意!

本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、

それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

 

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1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

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