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JTB主催「グローバル・デスティネーション・キャンペーン」決起パーティーが開催

株式会社JTBは2018年4月からの1年間、「グローバル・デスティネーション・キャンペーン」として、オーストラリアのチャーター航空会社であるアライアンス航空と複数年契約し、オーストラリアへの送客を強化する旨を発表。2月14日には東京の在日オーストラリア大使館にて、オーストラリア政府観光局との間で共同マーケティングに関する協力覚書を締結している。

この発表を受け、オーストラリアのシドニーでも同キャンペーンの決起パーティーが、2月20日にヒルトン・シドニーで開催された。これまで日本国内のインバウンドに関するイベントは年に数回ほど開かれていたが、アウトバウンドに関するイベントは十数年ぶり。旅行業界関係者からの注目度は高く、今回のパーティーにはオーストラリアを拠点とする120名以上のサプライヤーが出席した。

キャンペーンの目玉は、座席供給数の制限から航空券代が高沸しているゴールド・コーストやウルル間で、20本の国内線をチャーターしたこと。座席不足によって取りこぼしていた日本からのアウトバウンドの旅行客を積極的に取り込んでいくことが目的だ。また、アライアンス航空の機材では最大100名まで搭乗が可能だが、状況に応じてさらに便数の増加も検討するという。座席はルックJTBやJTB旅物語などのパッケージだけでなく、法人旅行や教育旅行などグループ内のさまざまなチャネルで販売していく方針。

JTBワールド・バケーションズの生田亨代表取締役は、主催者挨拶で「オーストラリアへの個人旅行に加え、JTBの得意とする教育旅行や法人旅行の訪問先としての需要も伸び、取り扱いが増えているので、さらなる需要喚起につなげていければと思う。社会から期待されるリアルエージェント(実店舗を持つ旅行代理店)の価値を見つめ直し、全チャネルを総動員してOTA(オンライン旅行会社)ではできない当社ならではの価値を届ける」と語った。

また、JTBワールドバケーションズ執行役員アメリカ&オセアニア部長の濱田久美氏は、教育旅行分野で現地教育機関との各種プログラムの共同開発を進めることや、JTB専用のオープントップバスでシドニーのハーバー・ブリッジを走行するという史上初の試み、ゴールド・コーストの自然動物保護園「カランビン・ワイルドライフ・サンクチュアリ」のコアラ保育エリアにおける施設保全活動のスポンサー契約の締結など、具体的な施策をプレゼンテーションした。

パーティー出席者の一人、キャプテン・クック・クルーズのアンソニー氏は「我々は35年間、日本からのインバウンドビジネスに携わっているが、今回のキャンペーンはオーストラリアにとって大変うれしいニュース。弊社では日本人観光客に合う観光や食事、シドニー湾のクルーズを豊富に用意しているので、さらに多くの日本人の方に素晴らしい価値を提供できるのではないかと思う。JTBのこらからの計画が楽しみ」と期待を膨らませた。

業界最大手で最大の集客力を誇るJTBが、東海岸から大陸中央部への独自アクセス確保に向けて大きなアクションを起こしたことには、利用者ばかりでなく日本からのツーリスト全体、さらには、オーストラリア全土の観光事業者への明確なメッセージとして大きな意味がある。オーストラリアならではの大自然を、手軽に、安心して、存分に体感していただくことが、今後の日本からのオーストラリア観光需要の底上げには欠かせない。旅行業界をリードする会社だからこそ実現可能な、オーストラリア政府観光局やアライアンス航空を巻き込んだ一大キャンペーンの発起に、オーストラリア現地のサプライヤーも大きな期待を寄せている。

この「グローバル・デスティネーション・キャンペーン」について、JTBオーストラリア代表の笠原昌哉社長は、以下のように語った。

「一時期の日本マーケットは落ち込んでいたが、少しずつ回復してきており、出席者から日本人マーケットへの期待の高さがひしひしと感じられた。日本側のJTBと思いを一つにして、このキャンペーンを必ず大成功させたい」

取材・写真・文:德田 直大(編集部)

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