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今週の「相場の焦点」by Joe Tsuda(津田 穣)19 June 2023

19 June 2023

<ポイント> 140円台は所詮、“金利相場”の延長線上

・先週は株高、ドル安・円安。
・主要国の利上げ最終局面入りで、予想通りFOMCは据え置き、ECB25bp利上げ、日銀は再び強固な緩和姿勢と三者三様で、通貨の動きはそれに素直に反応した形だ。
・ユーロ円の155円台は実にリーマンショック時の20089月以来であり、ポンド円の182円台もBrexit投票前の201512月以来の高値!
・因みにコロナ前(20202月)の主要国政策金利は:
日本-0.1、米国+1.75%ECB0.0%、英国0.75%、カナダ1.75%RBA0.75%、スイス-0.75%など。当時の金利差を比較するのはナンセンスかもしれないが、英欧共に、既に良い水準まで利上げを断行したと言える。
・問題は主要国のターミナルレート到達後であるが、今回のFOMCでパウエル議長は「“利下げ”は2-3年先」と発言し、OECD見通しでも「米国は2024年下半期に2回の控えめな利下げ」と予想している。つまり向こう1年以上米国金利の高原状態が続くという予想だ。
・その間米国経済は堅調な雇用が維持されれば大きく後退はしないだろう。むしろ欧州英国など他の主要国経済が高金利に悲鳴を上げだす可能性がある。
・“別格の”人工的金融政策の国日本では、強固な金融緩和を継続し、その内にインフレ低下してまた“元の低インフレ環境”に逆戻りを目指す。
・日本経済は大きなリバウンドなくぬるま湯状態が続く。しかし早晩人工心肺を付けた金融政策・財姿政策による経済運営が立ちいかなくなる時が来るだろう。
・海外市場から円アセットを避ける動きとなり、いずれ円売りの嵐とつながるだろう。(足元の日本株投資は最後の資金流入)
・現在の140円台は所詮金利相場の延長線上であり、円売り材料がけん引しているわけではない。

 

◎<豪ドル相場>――ドル安・円安地合が豪ドル支援材料に

先週の相場レンジ―AUDUSD 0.6731-0.6899  AUDYEN  93.87-97.58
今週の予想レンジ―AUDUSD 0.6650-0.6950  AUDYEN  95.00-100.00

・先週はドル安・円安が顕著となる中豪ドルは69セント近辺まで上伸。特に対円では円の全面安地合を受けて昨年9月以来となる97円台半ばまで値を上げた。
・FOMCでの金利据え置きに対して、ECBの利上げ、そして今週も英国中銀やスイス中銀の再利上げが予想される中、円以外の主要通貨に対してドル軟調予想が目立つ。
・ただRBAにしても利上げサイクルの終焉に差し掛かっていることは間違いなく、一旦米国以外の主要国のターミナルレート到達が確認できれば、足元の金利相場も収束するだろう。
・そろそろ高金利の豪州経済への影響が気になるところであり、70セントの壁は簡単にはブレイクできないだろう。
・一方対円では日銀の緩和継続姿勢が強固であり、暫く円安地合が継続する可能性があることから、心理的なターゲットである100円も想定内とすべきと考える。

 

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Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

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