at_money_service
ビジネス

「今週の相場の焦点」by Joe Tsuda (津田 穣)6 November 2023

6 November 2023

<ポイント>ドル円は148円台→151円台→149円台の乱高下
・先週は日米英の金融政策会合があったが、ドルは乱高下の後軟化して越週し、米金利は低下して米株価は急反発した。
・日銀会合前には、YCCの撤廃やゼロ金利解除まで観測が流れてドル円は一時148円台後半に下落した。しかし会合で長期金利1%をある程度上回る水準を容認したものの、事前予想ほどの緩和解除とは言い難く、ドル円は151円台後半の年初来高値に反発。
FOMCでは予想通りの据え置きとなったが、パウエル議長は慎重ながらも再利上げの可能性を残し、また利下げについては考えていないと明言するなど、むしろタカ派的据え置きとなった。
・ただ前週5%を打った10年債利回りの調整(低下)が顕著となる中、FOMC後も米利回りは低下傾向でドルの上値は徐々に重くなった。
BOE理事会でも据え置きとなったが、63の票割れで、3名は25bpの利上げを主張した。ベイリー総裁も「利下げの検討は時期尚早」、「再利上げの必要性があるか注視」と述べるなどタカ派色を残した。
・結局金曜日に発表された10月米雇用統計は、失業率が.3.8%から3.9%に悪化し、nfprも予想を下回る15万人増に止まる等弱い結果となり、発表後ドル円は149円台前半まで急落して越週。
・先週は「150円上定着か?定着失敗か判断の週となる」と申し上げたが、FRBも認める“米経済の堅調さ”に雇用面から軟化の兆しが見られ、この動きにCPIもフォローするとなれば、ドル円は更に145円台に向けて続落する可能性があるだろう。
・日銀の金融政策正常化(YCC撤廃とゼロ金利解除)の思惑が“やっと”出てきており、日銀動向も注視したい。
・また原油価格が重要レベル80ドルを割ってこれば、本邦貿易赤字の減少に寄与し足元の円売り圧力が低下することにもなる。中東やウクライナの地政学的懸念と共にリスク要因として注視したい。

◎<豪ドル相場>――ドル反落を受けて急反発

先週の相場レンジ―AUDUSD 0.6314-0.6518  AUDYEN  94.86-97.32
今週の予想レンジ―AUDUSD 0.6400-0.6700  AUDYEN  94.00-98.00

・先週豪ドルは週初ドル高を受けて63セント台の前半に下落したが、同レベルはサポートされ、徐々に反発。
・金曜日の弱い米雇用統計を受けて米債利回りが低下しドルが反落する中、65セント台前半まで回復した。対円ではドル円下落に豪ドル上昇が勝った形で今年5月以来の97円台まで上伸した。
・今週のRBA理事会では5カ月ぶりに政策金利を4.1%から4.35%に利上げすると市場は見ている。利上げとなれば折からのドル調整局面と相まって豪ドルは68セント程度まで続伸する可能性がある。
・ただ、例え利上げはあっても今後連続利上げとなる可能性は低く、地政学的懸念や原油軟調を考えれば、70セント方向への続伸の可能性も低いであろう。
・対円ではドル円が続落する場合、97-98円レベルが天井圏となることが考えられる。


―読者各位―
◎ジョーのTWITTER、フォローしませんか??
アドレスは@joetsudaFX です-相場の話など意見交換しましょう!!
◎セントラル短資FX社の「マーケットビュー」(https://www.central-tanshifx.com/market/marketview/column/?morecnt=0&itemtype=1&pdate=2022112115年近く投稿しています。
月報(毎月第三月曜日にアップ)ですが斬新な相場観をご披露します!!

 

 

この記事をシェアする

Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

この投稿者の記事一覧

概要・お問い合わせ

その他の記事はこちら