教育/留学/習い事

廻る配達員? Uber EatsでB-BOYライフ/佐々木優

ローカル飲食店の宅配メニューをスマートホンのアプリ上で簡単に注文できるサービス「Uber EATS」。ここオーストラリアでも近年人気が高まる同サービスの配達員として活躍する佐々木優さんが「ワーホリお仕事図鑑」に登場。

Uber Eatsを始めたきっかけは、日本で働いていた時には実現できなかった仕事とダンスの両立を叶えるため。オン・オフの切り替えをうまくコントロールすることで、ダンスに時間を割くことができただけでなく、自転車を走らせることが身体を鍛えることにもなり、ライフスタイルにとても合っていたと振り返る。

自由度の高い勤務スタイルや一期一会の出会いは特別な出会いや体験のきっかけとなり、目標としていた英語力の向上もワーホリ生活を終える前に達成することができた。ワーホリから帰国後の新しい目標を見つけ、次のステージへと歩みを進める佐々木さんに話を聞いてみた。

自己紹介をお願いします

佐々木優(ささきゆう)です。友達からはササユって呼ばれています。青森県出身の25歳です。オーストラリアでワーホリを始める前は東京に住んでいました。メーカーで電気系のエンジニアの仕事をしていて、カーアンプの設計をしていました。オーストラリアではUber Eatsをしています。仕事が休みの時は学生時代から続けているダンスもやっています。

オーストラリアに来たのは英語を勉強したかったからです。以前働いていた会社のお客さんに、海外メーカーの方が多くて、よく上司が英語で会議をしたりしていたのですが、すごくかっこいいなと思って。後は、小さい頃から外国語を話せる人に憧れがあったので、エンジニアをやめてオーストラリアでワーホリをすることを決めました。

自己紹介でダンスというキーワードが出ましたが、佐々木さんにとってのダンスとは?

ダンスを職業にしたいとは今は全然思っていないですけど、大きな大会で優勝したいという気持ちで練習しています。後は、オーストラリアに来てダンスをしているだけで、友達がたくさんできたり、自然と英語を話す機会も多くなっていって。コンペティションにはコンペティションの楽しみがありますが、ライフスタイルとしてのダンスは人との交流の場所って感じです。

オーストラリアに来た理由の一つに、ダンスをする時間を取りたかったっていうのもあります。日本でフルタイムとして働いていた時は、ダンスをする時間が全然取れなくて。インターネットで調べてみたら、シドニーにはダンサーも多いし、時給が高いからフルタイムで働かなくても生活していけることを知りました。

それなら、ダンスと仕事を両立できるんじゃないかと思い、シドニーに来ました。

ワーホリでUber Eatsをはじめたきっかけは?

最初は一般的なワーホリをしている人と同じように、日本食レストランでディッシュウォッシャーをやっていたのですが、日本語環境だし、生活していくうえで必要な資金も全然稼げなかったので、ダンス仲間から勧めてもらったUber Eatsに挑戦してみることにしました。

まずUber Eatsのアプリをダウンロードして、パスポートと学生証の写真を送ります。個人情報の確認が終わればアプリを通して、シティにあるUber Eatsのオフィスに来てくださいと連絡があり、そこでカバンを受け取るとUber Eats配達員として勤務スタートすることができます。

初期費用としては、Uber Eatsのカバンに約35ドル(中古)と自転車、後は携帯ホルダーなどを含めて200ドルくらいだったと思います。ちなみに今使っている自転車は8台目です。盗難が3回、故障が5回と、何度も買い換えました。最初は新車を購入したのですが、JAMS.TVなどのクラシファイドで格安の中古自転車が販売されているので、それで十分だと思います。

Uber Eatsで働く日のスケジュールについて教えてください

基本何も予定がなければ、火・水を休みにしていて、それ以外の日に働くようにしています。ランチタイムの11時〜16時が昼の部、ディナータイムの18時〜21時が夜の部としてやってます。

その時間帯に働くと注文が入りやすいのもありますが、プロモーションがかかって配達料が普段よりも多くもらえることがあるんですね。こんな感じで働いていれば、物価が高いシドニーでも生活ができます。やろうと思えば貯金もできるんじゃないですかね?

Uber Eatsで働くコツは?

Uber Eatsは時給制ではなく、どれだけの数と距離を配達したかでもらえる金額が決まるのですが、依頼を受けてからレストランに行くまでの距離は料金に含まれません。すごく遠いところにピックアップを行かないといけない場合は、キャンセルをすることもあります。

距離としては近くても坂道だったり、自転車では走行しにくいエリアもあったりするのですが、慣れてくるとどういったルートを取れば早く楽に行けるかがわかってくるので、シドニーの街に関してかなり詳しくなりました(笑)。

注意しないといけないのは、最初にスタートした場所からどんどん離れて行ってしまうこと。配達終了後に次のピックアップがあって、それを配達して……と、やっていると家からかなり離れた場所に来てしまい、最後に戻るのが大変になります。

それも勘でわかるようになるので、配達終了後にUber Eatsのアプリをオフラインにして、ちょっと戻ってからまたオンラインにしたりと調節しています。

Uber eatsで苦労したことは?

最初はオーストラリアの住所の仕組みが分からなくて。例えば通りがあって、片方は家番号が奇数しかなくて、もう片方が偶数になっているのですが、それを知らなくてずっと偶数の番号を奇数側で探してしまったり。

最終的にお客さんから電話がきて、「もう俺外にいるからちょっと周り見てみろ」と言われ、すぐ後ろでお客さんが手を振っていたりして。そういう時はちょっとヘコみましたね。でも……それくらいかなと。嫌な人間関係もないですし、働くストレスは少ないと思います。

僕はもともと体力がある方だから、自転車を漕ぐこともそんなに苦にならないし、少し辛いなと思う時も修行だと思っています。最近は電動自電車を使って配達している人もよく見かけるので、日本人女性でも全然問題なくできるんじゃないでしょうか。ワーホリでUber Eatsやるのおすすめです!

Uber Eatsならではのメリットってありますか?

携帯のアプリで全部やっているから、ログインしたら自分のピンが出て、誰か近くでピックアップあればすぐに行けるし、やっぱり止ーめたってログオフすればいつでも休憩できる。その自由度が一番のメリットだと思います。

ワーホリという限られた期間の中で、本当に自分がしたいことのために時間が取れるし、僕の場合は自転車を漕ぐことで体も鍛えられるので、それがダンス活動にも繋がったのもすごくよかったですね。

後は仕事をするうえで人間関係のストレスって絶対にあると思うのですが、継続的に特定の人と一緒に仕事をすることがないので、すごく気持ちが楽なのもメリットだと思います。

オーストラリアでのダンス活動はいかがでしょうか?

ワークショップ終了後、参加者と共に記念撮影

Uber Eatsのおかげで練習時間を取れるようになったので、技術は上がったと思います。大会でも結果を残すことができて、ソロバトルで優勝したこともありますし、1年間で3つのタイトルを獲得することができました。

ダンスを通して英語が上達したのも良かったです。練習場所に日本人が少なかったので、仕事もダンスも常に英語環境でした。

後は、スタジオでワークショップを開催させてもらったのも良い経験です。金銭目的というよりも、これまで習ってきたことをみんなに広めたいという気持ちでやらせてもらいました。

オーストラリア渡航前に思い描いていたワーホリ生活とギャップはありますか?

正直に言うと……、自分の思い描いていたワーホリ像の通りだったかなと思います(笑)。やっぱり英語の上達が一番の目的だったのですが、こうやってダンスを通していろんな人と英語で話すことが出来て、普通の人に比べて学ぶ機会が多かったと思いますし、よく頑張ったなと自分に満足しています。

Uber Eatsをすることは予想していなかったんですけど、これは生きていく上での手段と言うか、いかに効率的にお金を稼いで自分の時間を作っていくかってところで、Uber Eatsがとてもはまっていたという感じです。

日本人って仕事を生きがいにしている人が多くて、逆に言うと仕事を取っちゃうと何も残らない人もいて。そうなるのが嫌で海外に来たはずなのに、結局そこに戻ってしまうと意味がないので。ワーク・ライフ・バランスを実証できたことは自信になりました。

ワーホリが終わって、次に考えていることはありますか。

日本に戻ってからは、日本語を外国人に教える日本語教師になりたいと思っているのでまずは養成校に通おうと思っています。外国人であるにも関わらず、ワーホリ生活では多くの人にすごく助けてもらったので、じゃあ今度は日本が好きな外国人のために、自分がなにかしてあげたいなという思いがあります。

Uber Eats……ですか? ん〜、とりあえず日本でも登録して、一回くらいはやってみましょうかね(笑)。

お仕事をがんばるワーキングホリデーメーカーを大募集!

「ワーホリだから、限られた業種でしか働けないだろう」なんとなくそう思っていませんか? どんな仕事にも挑戦できるのが ワーキングホリデービザのいいところ。ワーホリお仕事図鑑では、オーストラリアで働くワーキングホリデーメーカーの方たちを応援しています。

取材にご協力いただけるワーキングホリデーメーカーの方はぜひ編集部までご連絡ください。編集部アドレス:editor@jams.tv (自薦・他薦は問いません!)

連載『ワーホリお仕事図鑑』の過去記事一覧はこちら
>>https://www.jams.tv/author/wh_workbookをクリック

この記事をシェアする

この投稿者の記事一覧

その他の記事はこちら