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◆自信を増やそうとするより、セルフ・コンパッション

*自分に自信がないから、もっと自信を高めないと。

*自分に批判的で辛い。

*完璧主義過ぎて、何をやってもハッピーになれないし、物事を先延ばしにしてしまう。

 

このような悩みをよく聞きます。

 

自信を深める必要があるけれど、どうやったら良いかわからないとみなさんよく言いますが、自信は深めようと意識して、自分の良いところを数えるなどをやってみてもあまり深まらないことが多いのです。自信は、充実して生きられるようになった結果としてついてくるようなもののようです。

 

自信(自尊感情)を深めるのと同じくらい効果的なのは、セルフ・コンパッション。こっちの方が効果が上がりやすいです。自分に対する共感性や慈悲のあたたかい気持ち。私たちは人にあたたかい感情をできるだけ持ちたいと思い、そうするように心がけているように、自分にもそれらを向けること。完璧でない自分の全体性を包容し、時々失敗もして反省したり学んだりするし、でも基本は頑張って真心で生きようとしている自分に、肯定的な気持ちや姿勢を向けることです。

 

セルフ・コンパッションの研究者であるクリスティーン・ネフは、セルフ・今パッションには3つの要素があると言っています。

 

1 自分への優しさ:家族や友だちが長短持っていても基本受け入れようとするように、それを自分にも。

2 共通の人間性:人は完璧ではなく、みんな失敗する。自分もその一人に過ぎないという理解を持つこと。

3 マインドフルネス:思考や感情にばかり浸らず、いま目の前のことに集中すれば良いことを知っていること。

 

セルフ・コンパションの効果は4つ。

1 先延ばし癖が治る:先延ばし癖は「失敗が怖い」「楽しくない」から来ている。「失敗が怖い」は上の「共通の人間性」で誰でも失敗は怖いことへの理解で解決。「楽しくない」は、上の「マインドフルネス」で、目の前のことを楽しむスキルで解決。

 

2 完璧主義がマイルドになる:完璧主義を招いている「自己批判」に対し、

上の「自分への優しさ」と「共通の人間性」で、自己批判をやめて現実的に物事を行うようになる。

 

3 他人や自分を思いやれる:人にも自分にも共感性が高くなる

 

4 人生の満足度が上がる:セルフ・コンパッションと人生の満足度の相関係数は0.47で中程度の相関。セルフ・コンパッションを上げると、人生の満足度が高くなる!!

 

セルフ・コンパッション・フレーズを唱えてみましょう。

「私は苦しみを感じている」

「人生には苦しみがあるものだ」

「私は自分に優しくなれる」

 

そしてセルフ・ハギング。人に見えない所に行って、自分を自分でハグしてみる。そしてどんな感じがしたか、「暖かい」「やわらかい」「おちついた」などと感じてみる。人に見えない所に行きにくいなら、自分で自分をハグするところをイメージするだけでも良いです。

 

日本で育つと、とかくダメだしが多く、自己否定・自己批判を強調しすぎるしつけや教育観の中で育ってきている人が多いです。この影響で自己批判が強く、セルフ・コンパッションを向けても良いし、向けることの効用もわかっていない人が多い。

 

神さまや仏さまが全人類に、自分にも向けてくれていると思うような慈悲の気持ちを、自分でも自分に向けましょう。「慈悲の瞑想」で、口角を少しあげて微笑みながら5分でも瞑想して、完璧でない自分に慈悲を向けて、受け入れて、応援しているイメージを持ってみましょう。

   

 

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