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シドニー発豪ドル見通し(23 April 2018)

<主なイベント・日程>

4/23(月)独・ユーロ圏4月製造業PMI、米3月中古住宅販売件数
24(火)豪州Q1CPI、独4月ifo景況感指数、米3月新築住宅販売、米4月消費者信頼感、米仏首脳会談
25(水)豪州ANZAC DAY休場、北朝鮮・朝鮮人民軍創設記念日
26(木)ECB理事会(ドラギ総裁会見)、米3月耐久財受注、新規失業保険申請件数
27(金)日本3月雇用統計、日銀政策会合、英Q1GDP、米Q1GDP、南北首脳会談、米独首脳会談

<マーケットの焦点>

先週も米中貿易摩擦や北朝鮮リスクの後退からリスク選好地合となり主要国の株価は堅調推移し、ドル円は107円台後半まで上昇しました。
また米債利回りのフラット化(長短金利差縮小)の修正から米10年債利回りが一時2.95%まで上昇したこともドルを押し上げました。 注目の日米首脳会談では米朝会談で拉致問題を取り上げる言質は得たものの、通商関連では日米の溝が浮き彫りになりました。 日本がTPPを基本路線とする一方、米国は二国間自由貿易交渉(FTA)を主張して平行線を辿りました。トランプ大統領は巨額の対日赤字を減らし、更にバランスさせる(赤字解消?)ことまで言及しました。
今後日米貿易協議の開始で合意したものの問題山積で、赤字削減の実績が上がらない場合にはトランプ政権は日本の金融緩和政策も円安要因として矛先を向けてくる可能性があります。
また週末には北朝鮮が21日から核実験とミサイル試験発射を中止し、北部の核実験場を廃棄するとことを決定するというビッグニュースがあり、トランプ大統領や安倍首相は前向きの動きとして歓迎しました。
今週の南北会談や米朝首脳会談を優位に運ぶための戦略でしょうが、非核化や核放棄には触れておらず、過去の経緯からして楽観論は禁物でしょう。
今週も27日の南北会談や米朝首脳会談を巡る動き、米中及び日米貿易摩擦関連、安倍首相や麻生財務相帰国後の日本の政局などが主な材料となります。
また木曜日のECB理事会と金曜日の米国Q1GDPが注目されます。 ECB理事会では9月以降のテーパリング(資産購入の段階的縮小)に更に踏み込んだ発言があるか、また米Q1GDPは予想が2.2%(前期比年率)とQ4の2.9%から減速予想です。ただし今年の米国GDPは2.9%程度が予想され、Q2以降の加速が予想されますが、一方金融引き締めの影響も指摘されるところです。
先週は総じてリスク選好の動きで株価上昇、ドル円上昇となりました。ドル円も108円台への上昇予想があり、一部には3月の104円台で底入れし再び110円台を目指すとの見方もあります。
ただ上記のような材料次第では再び反落する可能性も否定できず、今週も神経質に UP & DOWNする展開が予想されます。

 

 

 

<豪ドルマーケット>
今週の豪ドルは、あまり方向感がなく、揉み合い推移でしょう

先週のレンジ:  AUDUSD 0.7655-0.7813  AUDYEN 52.62-83.94

今週の予想レンジ:AUDUSD 0.7600-0.7800  AUDYEN 81.00-84.00
 

先週の豪ドルは米中貿易摩擦懸念の後退や商品相場上昇にサポートされて一時78セント台、84円近辺まで上昇しました。
しかし木曜日に発表された3月雇用統計で就業者数が予想の+20千人に対して+4.9千人であったことや、full-time-jobが-19.9千人であったことから、買いポジションの調整が出て76セント台後半、82円台後半まで反落しました。
ユーロが1.22台、ポンドが1.40割れに軟化しドルが強調推移していることも豪ドル売り戻しを誘いました。
米中貿易摩擦懸念は後退しましたが、水面下ではIT関連での対抗措置など応酬が激しくなったことから中国株が大幅下落するなど、依然として不安定な状況です。
また先週トランプ大統領は「人為的に吊り上げられた原油価格は容認できない」と発言して一時原油は反落しました。
今週国内指標の注目は火曜日のQ1CPIです。前回は前期比+0.6%、前年比+1.9%と依然 RBAのターゲットに達していませんが、昨年後半からの労働市場の改善から賃金上昇の影響がそろそろ数字に表れるのか?注目されるところです。
豪ドルは3月以降底入れして78セント台、84円台まで反発しましたが、先週後半は失速しました。 ただ市場のリスク許容度は依然として高く大きな崩れも予想されません。 暫くは76-77セント、82-84円台中心の揉み合い相場が予想されます。

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Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

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