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今週の豪ドル見通し(20 August 2018)

先週はお盆休みとなりましたが今週から再開します。

<主なイベント>

8/20(月) アトランタ連銀総裁講演、トルコ市場短縮取引
21(火)トルコ市場休場(~24日)
22(水)米7月中古住宅販売、FOMC議事録、米中通商会議(~23日)
23(木)米7月新築住宅販売、ジャクソンホール年次シンポジウム、米中相互関税(160億ドル相当)発動予定
24(金)日本7月CPI、米7月耐久財受注、パウエル議長講演

<マーケットの焦点>

先週は北半球が夏季休暇シーズンで市場の活性度落ちる中、引き続き米国とトルコ間の緊張や、米中貿易摩擦問題が不安要因であったが、両問題共に急激な悪化は避けられたことからリスク回避相場も一服といったところ。
ただし主要国の株価はNYダウが調整でやや反発した以外いずれも冴えない展開で、上海総合指数は年初来の安値を更新した。
トルコ問題ではトルコのエルドアン大統領が依然強気姿勢を崩しておらず、ムニューシン米財務長官が「牧師が放されなければ追加制裁を準備」と発言するなど解決の糸口が見いだせない。
米中摩擦では今週23日に米中相互の160億ドル相当の輸入品に25%の新関税が課税されるが、一方、22日と23日に米中通商会議が開催予定であり、両国の歩み寄りに対する期待感も感じられる。
また今週は22日にFOMC議事録が発表されるがFRBの年内4回利上げが裏書きされる内容であればドルサポートとなるだろう。
更に23日~25日、カンザスシティーのジャクソンホールで年次シンポジウムが開催され主要国の中央銀行総裁や財務相が集う。
24日にはパウエルFRB議長も講演するが、米国利上げ継続に肯定的な内容となる可能性が高く、他の主要国との金融政策の方向性の違いが確認されれば、これまたドルサポート要因となるだろう。
ただし、トルコリラの下落のみならず、米国の金融引き締めのネガティブな影響が新興国全般の株価や通貨下落を更に促す可能性は否定できず、今後のリスク要因と認識すべきであろう。
景気格差や金利格差からのドルの優位性は変わらないが、一方11月の米中間選挙を控えてトランプ政権がよりハードな内外の諸政策を打ち出す可能性が否定できず、市場の不安感を煽っているのも事実である。
更にトルコ情勢や米中摩擦も楽観視するには時期尚早であろう。

<豪ドル相場>

 

足元の豪ドル相場―やや底打ち感出つつあるが、依然として上値は限定的か

先週の相場レンジ―AUDUSD 0.7202-0.7319 AUDYEN 79.70-80.97 今週の予想レンジ―AUDUSD 0.7200-0.7400 AUDYEN 79.50-82.50

 

先週豪ドルは72セント近辺、80円割れと年初来の安値を更新した後、下げ止まりからやや反発に転じている。
週末に向けてトルコ情勢一服感や今週の米中通商協会議開催のニュースなどでリスク回避の動きがやや緩和したことも豪ドル買戻しを誘った。
先週金曜日RBAのロウ総裁は下院経済委員会での証言で、暫くRBA理事会声明から消えていた文言「次の金融政策の動きは利上げ」と発言したが、「足元金利を変更する状況にはない」と再び強調した。
また貿易摩擦問題や新興国不安についても懸念を口にした。 ロウ総裁としては市場で囁かれる“再利下げ”の憶測は打ち消したい一方、利上げ時期もかなり先であることを市場に再確認したかったのだろう。 また貿易摩擦問題や新興国不安が豪州経済にとって大きな懸念材料であり、今後RBAの金融政策にも影響を与える可能性があることは従来からの同総裁の指摘通り。
豪ドルは先週一時売り圧力が急激に増加した。その後行き過ぎ感はやや修正されたが、自律反転から上昇に向かうと判断するには、“いかにも”時期尚早といったところだ。

 

 

 

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Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

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