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今週の相場見通し(14 October 2019)

14 October 2019

<主なイベント>

10/14(月)日本休場(体育の日)、米国休場(コロンブスデー)、中国9月貿易収支、APEC財務相会合、ノーベル経済学賞
15(火)中国9月CPI/PPI、独10月ZEW景況感指数、10月NY連銀景況指数、黒田総裁講演、カーニー総裁講演、IMF世界経済見通し、米民主党候補討論会
16(水)韓国中銀理事会、英9月CPI、ユーロ圏9月CPI、米9月小売売上高、カーニー総裁IMFイベント出席、FEDベージュブック、香港林行政長官施政方針演説
17(木)豪州9月雇用統計、米9月鉱工業生産・住宅着工件数、EU首脳会議(~18日)
18(金)中国Q3GDP、中国9月鉱工業生産・小売売上高、米9月景気先行指数、IMF世銀総会、米国EUからの輸入品75億ドルに対する報復関税発動
19(土)英離脱延期法が定めるEUとの離脱案合意期限

<マーケットの焦点>
先週は米中通商協議が市場の焦点であったが、部分合意を受けてリスク選好地合となり、前週末と比較して主要国の株価は上昇し、ドル円も108円台半ばに値を上げた。
注目の米中通商協議では週初トランプ政権がウイグル自治区での人権問題に関して28の団体・企業をブラックリストに追加したことから協議の開催を危ぶむ声も聞かれた。
しかし予定通りに協議は開催され部分合意が成立。トランプ大統領は「中国とフェーズ1の合意に達した」と満足の意を示した。
合意では両国が農産物輸入、知財法と金融サービス、通貨などに対する初期段階の合意に達したとされる。この合意を受けて10/15に予定された第1~3弾2500億ドル分30%の対中関税発動は回避された。
またBrexitに関しても前週から合意なき離脱懸念が高まっていたが、ジョンソン首相とバラッカー・アイルランド首相会談において「合意可能な道筋があることで一致した」との発言があり、その後のバルニエEU主席交渉官とバークレイ英EU離脱担当相の会談後バルニエ氏は「法的文書の草案作成作業に入るための十分な進展があった」と述べ、一気に合意離脱期待が高まった。
先週ポンドは安値1.21台後半、130円台半ばから、1.27台前半、137円台後半まで大きく上伸した。
今週も市場の焦点は米中協議の行方や17/18のEU首脳会議における英国提案へのEU参加国の賛同の可否となる。
また18日(金)には中国のQ3GDPが発表されるが、予想は6.1%(前回は6.2%)とやや減速予想となっている。ただ米中協議が更に進展すればむしろ市場はQ3の数字よりは今後の景気回復に対して楽観的な見方をするだろう。
また米中が部分合意に達すれば米経済に対するポジティブな材料となり、月末のFOMCにおける利下げ観測が後退するだろう。
Brexitに関しては依然予断を許さないが、10/31の離脱期限には合意のあるなしにかかわらず英国は離脱し、この問題に決着がつくと考える。合意離脱になれば当然市場のリスク選好地合が急速に進展するだろう。
先週は週初の悲観ムードが週末にかけて一転楽観ムードに変わった。
トランプ大統領・ジョンソン首相という“油断ならない両ヘッド”が手綱を握るだけに、またまた「ハシゴ外し」の懸念は残るが、今週は基本的にはリスク選好地合が広がる可能性に期待したい。果たして「台風一過の青空」となるか??

<豪ドル相場>

足元の豪ドル相場―堅調地合か

先週の相場レンジ―AUDUSD 0.6710-0.6810 AUDYEN 71.84-73.96

今週の予想レンジ―AUDUSD 0.6700-0.6900 AUDYEN 72.50-75.50

先週豪ドルは、米中協議に対する不透明感や、発表された9月NAB企業信頼感・景況感や10月WESTPAC消費者信頼感が不冴えであったことから木曜日には67セント台前半、71円台後半まで下落した。しかし週末にかけて米中協議が進展したことからリスク選好地合となり金曜日には高値68セント台前半、73円台後半まで上昇して高値圏で越週した。
何といっても米中協議が最大の材料であるが、今回は部分合意に至ったものの、中国の構造問題や人権問題に対するトランプ政権の攻撃は大統領選まで継続する見込みであり過剰の楽観視は禁物だ。
加えて米国とEU間の通商摩擦も悪化しており、中国の最大貿易相手先がEUであることも不安材料視される。
また木曜日には9月雇用統計が発表されるが前回は就業者数が+3.47万人と大幅増加となったためその反動が予想されるし、前回5.3%に1ポイント悪化した失業率の行方も気になるところ。
米中摩擦の軽減は豪ドルサポート材料となることには相違ないが、まだまだフリーハンドで豪ドルを買っていく地合とは言い難い。
 

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Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


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☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

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