at_money_service
マネー

今週の相場見通し(25 November 2019)

25 November 2019

<主なイベント>

11/25(月)独11月ifo景況感指数、パウエル議長講演
26(火)米10月新築住宅販売、中国アリババ香港市場に上場、独12月GFK消費者信頼感
27(水)中国11月工業利益、米9月個人所得収支、米Q3GDP改定値、米9月中古住宅販売、FEDベージュブック
28(木)黒田総裁講演、ユーロ圏11月消費者信頼感(確報値)、米感謝祭のため株式・債券市場休場
29(金)日本10月雇用統計、独11月失業率、ユーロ圏10月失業率、米株式・債券市場感謝祭翌日で短縮取引
30(土)中国11月製造業PMI、トゥスクEU大統領任期終了
31(日)シャルル・ミシェルEU大統領就任

<マーケットの焦点>

先週は香港人権法案が米上下院で可決されたり、通商交渉の第一段階署名が来年にずれ込むとの思惑から市場のリスク回避ムード強まり、米株も史上高値を更新後に反落し、日経平均も前週末比でやや下げた。ただ通商問題・香港問題共に大きなリスクオフには発展していない。
ドル円も米中関係悪化懸念から週初の109円台から一時108円台前半に反落したが、週末に向けては108円台後半にやや反発して越週。
先週は米中関係以外でも色々なニュースがあった。
月曜日にはトランプ大統領がパウエル議長と会談し経済に関する協議を行ったが、再び“12月のFOMCでの利下げ圧力をかけたのでは?”との見方もあった。
発表されたFOMC議事録の内容から目先の政策金利据え置きの見方が強まり、12月の利下げ観測が後退した。
一旦立ち消えになったGSOMIA(日韓軍事情報包括保護協定)は米国の圧力もあってか。一転して延長となったが、韓国は「輸出管理の問題点を韓国が改善する」と発表した日本政府の説明は事実と異なると抗議するなど依然もめている。
ラガルド新ECB総裁は「新たなポリシーミックスが必要、財政政策を組み合わせることでECBの目標達成が早まるだろう」と述べたが、早くも財政刺激の拡大に消極的な独政府や独連銀との不協和音の匂いがする。
米大統領選ではブルムバーグ元NY市長(77才)が民主党の候補指名を目指して出馬すると表明した。穏健派の同氏の出馬は中道のバイデン氏との票の食い合いになるとの見方もある。
また24日ジョンソン首相は「総選挙で保守党が勝利すれば1月末にはEUを離脱し、来年末までの離脱交渉期限も延長しない」と述べている。
週末の香港区議会選挙(地方選挙)の中間集計では民主派が親中派に圧勝の様相で、1997年の中国への返還以後初めて過半数を確保する勢いだ。
今週も米中通商交渉における第一段階合意に向けた駆け引きや香港問題も絡めて米中関係を巡る思惑や、12月のFOMCでの利下げの有無などが市場のフォーカスとなろう。
繰り返すが今年のムービングレンジ104-112円の中間である108円台はよほど居心地がいいのかステイが長引いている。
ただ悪いニュースが出ても108円台がサポートされつつあり、悪いニュースへの耐性が徐々にできつつあるようだ。また年末に向けての恒例の“ドル資金需要”が出始めているのかもしれない。
引き続き年末に向けてドル円上昇のシナリオは変えていない。

<豪ドル相場>

足元の豪ドル相場―底堅い展開か

先週の相場レンジ―AUDUSD 0.6780-0.6830 AUDYEN 73.48-74.31

今週の予想レンジ―AUDUSD 0.6750-0.6950 AUDYEN 73.00-76.00

先週の豪ドルは米中関係の不透明感もあり67セント台後半、73円台後半で頭の重い展開だった。
米中通商交渉は第一段階の年内の合意が無理ではないかとの懸念が広がったが、一方その場合にも12/15の関税引き上げは回避されるとの見方もある。
トランプ大統領自身「香港を支持するが貿易の合意もしたい」と本音をこぼしている。
週末の香港地方選挙では民主派が過半数確保の勢いもあり、習政権としても世界が注目する中理不尽な強権的政策は取れないだろう。。
係る世論の力は通商交渉でもむしろ合意に向けて後押しするのではないだろうか?
また豪州国内では、先週モリソン政権が豪州経済サポートのためにインフラ投資などの財政出動の意向を示したことも好材料だ。
年末恒例の資源会社による来年度の資源輸出予約も徐々に出るだろうし、豪ドルは底堅い展開を予想する。

 

 

 

―お客様各位―

小職の為替メルマガ「侍FXディーラーが相場を切る」(創刊以来10年)を人気メルマガサイトであるFOOMII社」からお届けしています。メルマガサイトhttps://foomii.com/00130 でサンプルをご覧ください。また時々無料公開しています。宜しくお願いいたします。

◎ジョーのTWITTERフォローしてください!!
joetsudaFX @joetsudaFX
 です。相場の話など意見交換しましょう!!

 

 

この記事をシェアする

Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

この投稿者の記事一覧

概要・お問い合わせ

その他の記事はこちら