at_money_service
マネー

今週の相場見通し(23 December 2019)

23 December 2019

<主なイベント>

12/23(月)日中首脳会談、米11月新築住宅販売件数
24(火)日銀議事録、クリスマスイブでオセアニア、英、欧米短縮取引
25(水)クリスマスデーでオセアニア、英、欧米休場、
26(木)黒田総裁講演、ボクシングデーでオセアニア、英、欧休場
27(金)日本11月雇用統計、中国11月工業利益、ECB経済報告

<マーケットの焦点>

先週は前週の英国総選挙で保守党が圧勝や米中通商交渉での第一段階の合意を受けてリスクオンの動きが継続し米国株は史上高値を更新して越週した。
一方、ジョンソン首相が移行期限(来年の12/31)の延長を回避するための法改正を計画しているとの報道が、「移行期間内の合意が無理な場合、“合意なき離脱の可能性”がある」としてポンドは続落した。ジョンソン政権のスラック報道官は「合意なき離脱に備えた計画も続いている」と発言している。
一方米中首脳が電話会議を行い、第一段階合意や香港問題での進展を強調するトランプ大統領に対して、香港問題で習主席が内政干渉に深刻な懸念を表明するなど、依然として米中両首脳の温度差が浮き彫りになっている。
前週の英総選挙直後に1.35台、148円台手前まで急騰したポンドは結局総選挙での上げ分を吐き出す形で1.30割れ、142円割れまで反落し、一方株価上昇・リスクオンにサポートされたドル円も前週の高値109.70を抜けずに109円台前半に反落している。
今週はクリスマス週であり、欧米の市場は既にクリスマスから年始までの休暇シーズン入りとなり、市場は活性度が落ちるだろう。年内の実質的な取引は先週が最終週であったとも言えるだろう。
リスクオフの急激に高まった昨年12月の相場と比較して今年は米中通商交渉やBrexitにも一定の進展があったとしてこのまま「どんでん返し」なしで平和裡に年内の取引を終えたいところである。
世界経済減速懸念や米経済への先行き不安が強かった昨年末に比べて、上記のように二大リスクが軽減され、一方FRBも現在の「米経済と金融政策が適切な状況である」と判断していることが市場に安心感を与えていることは事実であろう。
ただ年末の薄商いの中、何らかのニュースが舞い込めばボラタイルな市場で値が飛ぶ状況には注意したい。

 

<豪ドル相場>

足元の豪ドル相場―年末に向けて堅調推移か

先週の相場レンジ―AUDUSD 0.6838-0.6906 AUDYEN 74.85-75.61

今週の予想レンジ―AUDUSD 0.68000.7000 AUDYEN 74.00-77.00

豪ドルは先週のリスクオンの動きを背景に69セント台前半、75円台後半まで上昇した後、米中やBrexitを巡る新たな不安材料もあり、一時68セント台前半、75円割れまで反落した。
しかし木曜日に発表された11月雇用統計で、失業率は再び5.2%に1ポイント改善し、就業者数は+39.9千人と、前月の大幅マイナスの反動もあり大きく増加したことから、再び69セント前半、75円台半ばまで反発している。
先週発表された政府のMYEFO(年央経済財政見通し)では本財政年度黒字転換額を4月の予算案+A$7.1bioから+A$5.0bioに下方修正した。またGDP予想を19/20年2.25%(2.75%)、2020/2021 2.75%(2.75%)、インフレ率予想を 19/20 2.0%(2.25%)、20/21 2.25%(2.5%)、失業率予想を 19/20 5.25%(5%)、20/21 5.25%(5%)といずれもやや下方修正している。
RBA同様に政府も来年の豪州経済に対して引き続き懸念を持っている様子が窺える。
豪ドルは依然として2018年から続くダウントレンドの中にいると考えられるが、足元は年末の向けての豪州資源会社の来年度の輸出予約(豪ドル買い)も予想され、押し目買いにサポートされて堅調推移が予想される。

 

「Joeの相場見通し」も本日が年内最後となり、年初には「来年の相場予想」などお届けしたい。
それでは一足早く:
Merry Christmas and A Happy New Year to you All !!!

 

―お客様各位―

小職の為替メルマガ「侍FXディーラーが相場を切る」(創刊以来10年)を人気メルマガサイトであるFOOMII社」からお届けしています。メルマガサイトhttps://foomii.com/00130 でサンプルをご覧ください。また時々無料公開しています。宜しくお願いいたします。

◎ジョーのTWITTERフォローしてください!!
joetsudaFX @joetsudaFX
 です。相場の話など意見交換しましょう!!

 

この記事をシェアする

Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

この投稿者の記事一覧

概要・お問い合わせ

その他の記事はこちら

マネー

29 January 2024 ◎<ポイント> 今週はFOMCに米雇用統計 ・先週は米株(NYダウ、S & P 500)が史上高値を更新!! …