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今週の相場見通し by Joe ( 7 December 2020)

7 December 2020

◎<主なイベント>

12/7(月)中国11月貿易収支/外貨準備高、EU中期予算及び景気対策を巡る合意期限
8(火)日本Q3GDP改定値、11月景気ウオッチャー調査(内閣府)、独12月ZEW景況感指数、トランンプ大統領新型コロナワクチン巡り会合を開催
9(水)中国11月CPI・PPI、米10月求人件数
10(木)Q4日本大企業全産業業況判断指数、ECB理事会、米11月CPI、EU首脳会議(~11日)、米FDA諮問委員会ファイザーのワクチン巡り会合開催
11(金)BOE金融安定報告書、米11月PPI、ユーロ圏首脳会議、米暫定予算期限

◎<マーケットの焦点>

先週もリスク選好の<株高・ドル安(円安)>が進行した。
米株(NYダウ、S&P500、ナスダック)は金曜日に三つ揃えで史上高値を更新!
ユーロは2018年4月以来の1.21台後半、ポンドは2018年5月以来の1.35台前半、豪ドルも2018年6月以来の74セント台半ばに上昇した。
特に豪ドルはアフターコロナを見越した商品相場の上昇にもサポートされた。
またユーロ円は今年9月の高値に並ぶ126円台後半でこのレベルは2018年12月以来であり、ポンド円や豪ドル円は今年の高値圏140円台、77円台を付けるなど「ドル安・円安」が顕著だ。ドル円はドル安と円安の綱引きで104円を挟んだ揉み合いであった。この結果ドルインデックスは90台と2018年4月以来の安値圏に下落している。
新型コロナワクチン開発が進展して年内に接種が開始される可能性が報道され期待感が増した。またロシアや中国でも独自のワクチン開発が進みロシアの「スプートニクV」は既に一般への大規模接種が開始されるなど、コロナ収束期待が強かった。
ワクチンの安全性は完全に証明されていない部分もあるが、世界の感染者数が67百万人に達しようとしている(死者数は1.5百万人超え)現状では、明白な副作用弊害の報告がない限り“見切り発車”的なワクチン投与の開始はやむを得ないのか。
またBrexit関連では依然として英EU間の溝(公正競争、統治、漁業権での大きな相違)は埋まっていないが、現在でも協議は行われており市場の期待感は根強い。
最悪“合意なき離脱”のケースも含めて“年内Brexit成立”の青写真は変わらない。
トランプ大統領は依然として敗戦を認めず、最高裁まで戦う姿勢でいるが、12/14の選挙人投票で負けが決まれば、さすがにトランプノイズも徐々にフェードアウトするしかないだろう。
次のステップとして:ワクチン接種の効果で世界の感染拡大に歯止めが掛り、特に次第被害国米国でのコロナ収束の兆しが見え始めれば、リスク選好の動きが更に具体的根拠を持つことになる。そうなった時に足元の「リスク選好のドル売り」が果たして継続するか?これは年明けになるかもしれないが、ドルショートポジションの大規模な巻戻しが起きる可能性には留意したい。その時には米国の“双子の赤字懸念”など完全に一時棚上げである。

◎<豪ドル相場>

足元の豪ドル相場―堅調地合継続か

先週の相場レンジ―AUDUSD 0.7339-0.7449 AUDYEN 76.57-77.56
今週の予想レンジ―AUDUSD 0.7200-0.7500 AUDYEN 75.50-78.50

先週豪ドルは「リスクオンのドル安」の流れを受けて再び74セント台前半、77円台半ばと今年の高値圏まで上昇した。
先週の月曜日には「依然として74セント台、77円台は高値圏と認識」と申しあげたが、年内ワクチン接種の可能性など新たな展開があり、コロナ収束を見越した商品相場の上昇などは、素直に「レジスタンスを抜く新たなサポート要因」と認識すべきであろう。
もちろん豪中関係は依然改善の兆しはなく、むしろ長期化の様相すらある。であれば中国を最大の貿易相手国とする豪州の34カ月続く貿易黒字に今後黄色信号が点灯する可能性は否定できない。
その懸念を念頭にモリソン政権は中国の代替輸出先としてアジア諸国への通商交渉を活発化させているのだが。
ただ大きな流れとして来年コロナ禍が収束すれば、長らく日陰に押しやられてきた資源通貨豪ドルに再び脚光が当たる可能性に期待したい。
いずれにしても年末の鉱山輸出業者の来年の輸出予約(豪ドル買い需要)もあり、目先豪ドル堅調地合が続きそうだ。

―読者各位―
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Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

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