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シドニー発豪ドル見通し (2014年6月2日)

 

”シドニー発豪ドル見通し”(毎週月曜アップデート)
(米ドル円日足)

(豪ドル米ドル日足)

(豪ドル円日足)

Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在Junax Capital,AT FUND,Sydneyでファンドマネージャーを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。

豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。

趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ

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今週の主な予定、イベント

6/2(月)上海・香港端午節で休場、豪州4月住宅建設許可件数、米5月ISM製造業景況指数、世界経済フォーラム

3(火)中国5月非製造業PMI、豪州4月小売売上高、RBA理事会(金利据え置き予想)、ユーロ圏4月失業率、ユーロ圏5月CPI、米5月自動車販売統計、米4月製造業新規受注

4(水)豪州Q1GDP、ユーロ圏4月PPI、米5月ADP雇用者数、米5月ISM非製造業景況指数、米地区連銀経済報告書(ベージュブック)、G7(ブラッセル)

5(木)豪州4月貿易収支、中国HSBCサービス業PMI、ユーロ圏4月小売売上高、ECB理事会、BOE理事会、米新規失業保険申請件数

6(金)米5月雇用統計、ノルマンディー上陸作戦70周年記念式典(オバマ大統領、プーチン大統領など各国要人出席)

 

 

マーケットの焦点

キーワード:ウクライナ情勢(大統領選挙後)、ECB理事会、5月米雇用統計

前週末のウクライナ大統領選挙では親欧米派のポロシェンコ氏が過半数を獲得しましたが、選挙後もウクライナ東部の紛争が激化しています。

為替市場では今週のECB理事会における追加緩和観測(マイナス金利の導入や債券買い取りを含む複数の方策が取られる可能性)が高まり、この影響から各国の債券利回りが低下傾向となり、主要国の株価は堅調地合となっています。

NYKダウは本日オフショアで史上高値を更新し、独DAXも史上高値を、また日経平均も15,000円を伺う動きとなっています。

先週はユーロやポンドなど欧州通貨が軟調推移し米ドルを押し上げましたが、ドル円は週初日本の株価が軟調であったことや地政学的懸念も手伝って101円台半ばまで反落し、円クロスも軟調地合でした。

ただ発表された4月の日本の消費者物価指数が消費増税の影響とはいえ前年比+3.4%にジャンプし、またこのところ黒田日銀総裁が「日米の経済パフォーマンス格差から円高になる理由はない」などと発言していること(円高けん制?)、更には6月から日本の年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)など本邦機関投資が海外資産投資を増額するとの思惑も手伝って、ドル円は再び今朝102円台まで上昇しています。

今週の注目はやはり木曜日のECB理事会と金曜日の米国5月雇用統計です。

ECB理事会では上記のように追加緩和策が取られる可能性が高く、欧州の依然非常に高い失業率や不冴えな景況を考えると、追加緩和が今回で終了するとは限りません。特に複数の緩和手段が講じられる場合には"BUY ON FACT”のユーロ買い戻しも一過性に留まる可能性があります。

また今週は4月の米ISM製造業/非製造業景況指数や5月の雇用統計が発表され注目されます。

特に5月雇用統計は予想が失業率6.4%(前回6.3%)、非農業部門就業者数+21.8万人(前回+28.8万人)と前回をやや下回る予想ですが、5月雇用統計の調査対象週である5/12週の失業保険継続受給者数が減少しているとの指摘もあり、ポジティブサプライズにも注意したいところです。

加えて上記のように6月からの本邦機関投資家の外物投資増額の思惑もあり、種々のファクターが予想通りであればドル高に作用する可能性があります。

もちろん予想が外れる場合には逆に調整のドル売りが出ることは言わずもがなですが。

 

豪ドルマーケット

先週の相場レンジ AUDUSD 0.9211-0.9329  AUDYEN 93.70-94.91

今週の予想レンジ AUDUSD 0.9150-0.9350  AUDYEN 93.00-96.00

今週の豪ドルは不安定に振幅する可能性があります

先週は予想通りに基本的に堅調地合となり、週末にかけては93セント台、94円台後半まで上伸しました。

前週出た数々の豪ドル売り材料(S&PのトリプルA格下げの可能性、デべレ総裁補の資金流入減で豪ドル下落の可能性発言、鉄鉱石価格下落、アボット政権支持率低下など)を織り込む動きで、その間投資家需要も見られました。

週末に発表された中国の5月製造業PMは50.8と5カ月ぶりの高い数字となりましたが、一方金曜日に鉄鉱石価格(トン当たり)が91ドルと20カ月ぶりの水準に下落したことや、本日発表された4月の住宅建設許可件数が軟調であったことから豪ドルは92セント台半ばに反落。一方豪ドル円はドル円の反発もあって94円台で底堅い展開です。

今週は明日以降もRBA理事会、4月小売売上高、Q1経常収支、Q1GDP、4月貿易収支など豪州発の材料がたくさんあります。

ECB理事会や米国雇用統計に加えて国内指標が多いために、かなり振幅する可能性があります。

また20カ月ぶりの安値を付けている鉄鉱石価格も懸念材料です。

実際の実需減退のみならず、中国の銀行融資(返済期限が6月、12月に多い)に関わる担保積み増しや、融資返済資金ねん出のために鉄鉱石在庫を切り崩す動きが中国国内であるようです。

個人的には今週は米ドル堅調から豪ドルドルの上値が重い一方、ドル円上昇から豪ドル円は堅調地合と読んでいます。

 

 

 

Have a nice week in advance !!!

 

Junax Capital, Sydney

Joe Tsuda

 

☆豪ドルトレーディングにはFXマガジン「Joeの豪ドル道場」をお勧めします。

http://www.fxmagazine.jp/magazine_direct.php?uid=3Gl8j

サンプル例を添付させて頂きます。

「11 July_2012.pdf」をダウンロード

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当)

http://www.central-tanshifx.com/

☆外為どっどコム社の動画担当(毎週金曜日)

http://www.gaitame.com/gaitame/

 

ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

 

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Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

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