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シドニー発豪ドル見通し(16 June 2014)

 

”シドニー発豪ドル見通し”(毎週月曜アップデート)
(米ドル円日足)

(豪ドル米ドル日足)

(豪ドル円日足)

Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在Junax Capital,AT FUND,Sydneyでファンドマネージャーを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。

豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。

趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ

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今週の主な予定、イベント

6/16(月)日銀月報、ユーロ圏CPI、米5月鉱工業生産・設備稼働率、NYK連銀製造業景況指数、NAHB住宅市場指数

17(火)FOMC、独6月ZEW景況感指数、英5月CPI・PPI、米5月CPI・住宅着工・住宅建設許可、英中首脳会談

18(水)日銀議事録、日本5月通関ベース貿易収支、英中銀議事録、バーナンキFRB前議長講演

19(木)米6月景気先行指数、ユーロ圏財務相会合、W杯対ギリシャ戦、米新規失業保険申請件数

20(金)黒田日銀総裁挨拶、EU財務相理事会、米NZ首脳会談

 

マーケットの焦点

キーワード:FOMC、世界株高、地政学的リスク(ウクライナ、イラク)

先週は週前半米国や独の株価が史上高値を更新するなど、世界的にリスク選好ムードが高まりましたが、週後半はイラクやウクライナの地政学的リスクに加えて米経済指標(小売売上高、失業保険など)も不冴えなものが目立ち、高値警戒感から世界的に株価は反落しました。

株安とリスク回避でドル円は一時101円台半ばまで下落しましたが、安部首相が法人減税の方向を明らかにしたこともあり102円近辺を回復。

一方ユーロはECB理事会後に一時ショートカバーの動きで1.36台後半まで反発しましたが、ECB高官からは量的緩和を含めた一段の緩和緩和措置を示唆する発言も相次ぎユーロは再び1.35台前半で軟調です。

一方、カーニー英国中銀総裁が利上げが早まる可能性を示唆したことからポンドは1.70台まで急騰しています。

この結果ユーロ円は137円台で軟調推移する一方、ポンド円は173円台で堅調です。

今週の焦点は17/18の米FOMCですが、今回は3カ月に一回のスタッフの”経済予測”も発表されます。

また100億ドルの緩和縮小(テーパリング)が実施されて資産購入額は月額450億ドルから350億ドルに減額される予定で、今年10-12月までには資産購入を終了することになります。

利上げ開始予想の高い2015年下半期までの間にリバースレポ(有価証券貸借取引)や利金の再投資などが議論される可能性があります。

また依然衝突が絶えないウクライナ東部でのウクライナ軍と親ロ武装勢力の武力衝突の激化に加えて、イラクではアルカイダ系の武装組織「イラク、シリア、イスラム国」が首都バクダッドに向けて進撃中であり、イラク大統領がオバマ政権に空爆を要請するなど緊張が高まっています。

最近の原油価格の急騰はこのイラク情勢の結果であり、原油高から来る本邦貿易赤字拡大観測はドル円押し上げになるでしょう。

また先週は安部政権が法人減税の方針を打ち出しましたが、月末に予定される新成長戦略では年金改革に期待が集まっています。

年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)による外貨建て資産投資増額観測が高まっており、これは円安要因となる可能性があります。

ドル円は相変わらず年初来の100-103円レンジを抜けられず、市場の投機筋もドル円のポジショニングから興味を失いつつあります。

一方ユーロやポンドなど欧州通貨は活性に動いており、また資源国通貨の動意も高まりつつあります。

 

 

豪ドルマーケット

先週の相場レンジ AUDUSD 0.9334-0.9437  AUDYEN 95.43-96.15

今週の予想レンジ AUDUSD 0.9250-0.9450  AUDYEN 94.00-97.00

今週の豪ドルは利食い反落も下値はサポートされるでしょう

先週の豪ドルは発表された5月の雇用統計が失業率は5.8%(予想5.8%、前回5.8%)であったものの就業者数は-4.8千人(予想+10.0千人、前回+10.3千人)と4カ月ぶりに就業者数マイナスとなりました。

しかし市場はあまりネガティブな反応は見せず、むしろfull-time-jobが前回の+14.2千人から+22.2千人に増加したことを好感しているようです。

豪ドルは5月の緊縮型予算案発表後やや軟化しましたが、今週発表された5月のNAB企業信頼感や6月のWESTPAC消費者信頼感はむしろ堅調な数字を示し豪ドルをサポートしました。

また投資家が低金利通貨円やユーロから豪ドル資産(主に豪州連邦債など)に資産シフトしているとのレポートも見られます。

ただ先週は鉄鉱石価格が91ドル(トン当たり)まで下落し、また中国経済への懸念も拭えていないのは確かです。

したがって特に対ドルではやはり95セント越えはかなり困難であると考えます。

またドル円が100-103円レンジを抜けないことから豪ドル円の96円台が頭打ちとなっていますが、こちらも90円に向けての投資家の"BUY ON DIPS”が強い半面、ドル円の上値ブレークがないかぎり96-97円をブレークすることは足元かなり困難であると考えます。

 

Have a nice week in advance !!!

 

Junax Capital, Sydney

Joe Tsuda

 

☆豪ドルトレーディングにはFXマガジン「Joeの豪ドル道場」をお勧めします。

http://www.fxmagazine.jp/magazine_direct.php?uid=3Gl8j

サンプル例を添付させて頂きます。

「11 July_2012.pdf」をダウンロード

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当)

http://www.central-tanshifx.com/

☆外為どっどコム社の動画担当(毎週金曜日)

http://www.gaitame.com/gaitame/

 

ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

 

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Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

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