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シドニー発豪ドル見通し(30 June 2014)

 

”シドニー発豪ドル見通し”(毎週月曜アップデート)
(米ドル円日足)

(豪ドル米ドル日足)

(豪ドル円日足)

Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在Junax Capital,AT FUND,Sydneyでファンドマネージャーを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。

豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。

趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ

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今週の主な予定、イベント

6/30(月)ユーロ圏6月CPI、米5月中古住宅販売、米5月中古住宅販売成約件数

7/1(火)日銀短観、中国6月製造業PMI、RBA理事会(金利据え置き予想)、独/‘ユーロ圏6月失業率、米6月自動車販売台数、米6月ISM製造業景況指数

2(水)ユーロ圏5月PPI、米6月ADP雇用者数、米5月製造業新規受注、イエレンFRB議長講演

3(木)中国6月非製造業PMI、ECB理事会(ドラギ総裁会見)、ユーロ圏5月小売売上高、米国6月雇用統計、米6月ISM非製造業PMI、米新規失業保険申請件数

4(金)米国独立記念日休場

 

マーケットの焦点

キーワード:日銀短観、ECB理事会、米6月雇用統計、地政学的リスク(ウクライナ、イラク)、安部政権の新成長戦略

先週はウクライナやイラクの地政学リスクに加えて月末、四半期末ということで高値警戒感も手伝い主要市場の株価に調整が入りました。

主要国の景況もまちまちでしたが、少し過去の話とはいえ米国のQ1GDPが-2.9%に大幅下方修正され(予想-1.7%、速報値-1.0%)て市場にネガティブインパクトを与えたこともセンチメントを悪くしました。

またセントルイス連銀やリッチモンド連銀総裁などのタカ派FRB高官の発言から来年3月までに利上げがあるとの思惑が高まったことも株価の調整売りを誘いました。

かかる地政学的懸念や株価の調整局面からリスク回避の円買いが強まりドル円は101円台前半に下落していますが、ユーロやポンドは対ドルで買い戻されているため、ユーロ円は138円台、ポンド円は172円台とむしろ堅調です。

今週は注目材料がいっぱいです。

経済指標では明日の日銀短観、中国の6月製造業PMI、米国6月ISM製造業景況指数がありますが、焦点はやはり米国独立記念日休場とために3(木)に繰り上げ発表される米6月雇用統計です。

またこの日はECB理事会も重なります。

明日の日銀短観は大企業製造業DIが前回の17から15に減速予想ですが、これは4月の消費増税の影響であり、ある程度の悪化は市場織り込済みでしょう。

一方6月米雇用統計予想値は失業率が前回と同じ6.3%、NFPRが+20.9万人(前回+21.7万人)で、予想外の悪化がない限り、7月のFOMC(29/30)では再び100億ドルの債券購入額の減額が予想されます。

またウクライナ情勢ではポロシェンコ・ウクライナ政権と親ロ武装勢力との和平協議が難航する場合にはリスク回避の円買い要因となります。

一方アルカイダ系武装組織「イラク、シリア、イスラム国」とマリキ・イラク政権の内戦の可能性が高まる場合には原油価格上昇となり日本の貿易赤字拡大→円安の思惑に結びつきます。特に米軍の介入なき中東紛争は原油価格上昇と”有事のドル買い”を促すことが考えられます。

またECB理事会では今後の量的緩和導入に関してどの程度コミットした発言がなされるか注目されます。

FOMCにおけるハト派的な内容や先週の米国のQ1GDP下方修正でドル売り戻しがやや優勢になっていますが、期末・月末の調整も一巡し、下半期になってドル軟調地合が反転する可能性もあるでしょう。

 

豪ドルマーケット

先週の相場レンジ AUDUSD 0.9354-0.9445  AUDYEN 95.31-96.33

今週の予想レンジ AUDUSD 0.9300-0.9500  AUDYEN 94.00-97.00

今週の豪ドルは売り買い交錯揉み合いでしょう

先週は大きな豪州指標もない中、米ドルが全般的に軟調地合になったことから、豪ドルは対ドルで94セント台の高値をテストする一方、対円ではドル円の軟調地合を受けて95円台前半に反落しました。

今週は7/1(火)にRBA理事会、2(水)貿易収支(予想-200mio、前回-122mio)、3(木)5月小売売上高(予想+0.2%、前回0.0%)、5月住宅建設許可件数(予想+3.2%、前回-5.6%)と国内材料がたくさんあります。

6月のRBA理事会は予想よりややハト派的なイメージが強かったですが、果たして年後半に向けての金融政策の舵取りに変化があるのか?注目されます。

また豪州景況は5月の緊縮型予算案発表後も比較的堅調ですが、今週発表される諸指標が更にサポートするのか?あるいは失望感を与えるのか?

ただ豪ドルを取り巻く環境は、やはり中国経済や、地政学的リスク、更には米国金融政策などの国外要因に大きく影響を受ける点は否めず、今週もそれら外的要因の進捗状況を常にチェックする必要があるでしょう。

基本的には豪ドル反落局面は投資家需要による押し目買いがサポートする展開となるでしょう。

 

Have a nice week in advance !!!

 

Junax Capital, Sydney

Joe Tsuda

 

☆豪ドルトレーディングにはFXマガジン「Joeの豪ドル道場」をお勧めします。

http://www.fxmagazine.jp/magazine_direct.php?uid=3Gl8j

サンプル例を添付させて頂きます。

「11 July_2012.pdf」をダウンロード

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当)

http://www.central-tanshifx.com/

☆外為どっどコム社の動画担当(毎週金曜日)

http://www.gaitame.com/gaitame/

 

ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

 

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Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

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