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シドニー発豪ドル見通し(28July 2014)

 

”シドニー発豪ドル見通し”(毎週月曜アップデート)
(米ドル円日足)

(豪ドル米ドル日足)

(豪ドル円日足)

Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在Junax Capital,AT FUND,Sydneyでファンドマネージャーを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。

豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。

趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ

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今週の主な予定、イベント

7/28(月)米6月中古住宅販売

29(火)日本6月雇用統計、米7月消費者信頼感

30(水)日銀議事録、米Q2GDP、米7月ADP雇用者数

31(木)米FOMC、独7月失業率、ユーロ圏6月失業率、ユーロ圏7月CPI、米新規失業保険申請件数

8/1(金)黒田日銀総裁講演、中国7月製造業PMI、米7月雇用統計、米7月ISM製造業景況指数

マーケットの焦点

キーワード:地政学的懸念(ウクライナ、イラク、パレスチナ)、FOMC、米Q2GDP、米7月雇用統計、GPIF

先週はマレーシア航空機撃墜によるリスク回避の巻き戻しが見られたものの、依然としてウクライナや中東不安も残り株式市場は一進一退でした。

為替相場では前週の”リスク回避の円買い・ドル買い”からむしろドル買いの優勢な展開となりました。

ドル円は101.00がサポートされて102円台手前まで反発し、一方ユーロは1.34台後半まで一旦反発しましたが冴えない7月の独ifo景況感の影響や、対ロシア追加制裁の思惑で結局1.34台前半に反落し、国内指標があまり強くなかったポンドは1.70割れに下落しています。

今週は係る地政学的懸念及び米国経済/金融政策が焦点となります。

ウクライナ情勢では欧米の対ロ追加制裁が実施される場合には、欧州経済への影響もあり、リスク回避の動きとなるでしょう。

”米ロ第二次冷戦”の観測も聞かれます。

またイラク国内での内戦の可能性や、イスラエルのガザ地区侵攻などはラマダン(断食月)明けの中東情勢を更に緊張される可能性があり、米軍の派兵なき中東紛争は、原油価格の上昇などを引き起こして”有事のドル買い、円売り”材料視される可能性があります。

一方今週は”米国週間”で水曜日にはQ2GDP(速報値)が発表されますがQ1の-2.9%(前期比年率)から+3.0%にジャンプアップする予想となっています。

また木曜日朝にはFOMCの結果が発表されますが、100億ドルの緩和縮小と”慎重姿勢”が確認されると予想されますが、6月の強い雇用統計や最近の失業保険申請件数の減少傾向から「出口戦略」へ言及される場合にはサプライズとなるでしょう。

金曜日には注目の米7月雇用統計が発表されますが予想は失業率6.1%(前回6.1%)、NFPR+230千人(前回+288千人)となっています。NFPRの伸びはやや鈍化予想ですが、最近の強い雇用関連指数から再び”ポジティブサプライズ”には要注意です。

もっともここ数カ月「強い内容でドルが一旦上昇後急落」パターンとなっており、労働の質(労働参加率や長期失業者数など)問題も注視する必要がありますし、表面上の強い数字=ドルの上昇とは限りませんが。。。

以上今週は地政学的懸念や米国の材料がポイントとなります。

全般的にはドル買い材料が多いという印象ですが、リスク回避の動きが、再度かく乱要因となる可能性にも留意したいところです。

 

豪ドルマーケット

先週の相場レンジ AUDUSD 0.9361-0.9471  AUDYEN 94.93-96.20

今週の予想レンジ AUDUSD 0.9250-0.9450  AUDYEN 94.00-97.00

今週の豪ドルは上値の重い展開ですが、下がったところ(93セント台前半、95円割れ)は押し目買いにサポートされる展開でしょう

先週の豪ドルは”上げて下げる”展開でした。

発表されたQ2CPIが予想を上回り、中国の7月HSBC製造業PMIがこれまた52.0と18カ月ぶりの改善を見せたことから94セント台後半、96円台前半まで上伸しました。

しかしその後は米ドル高地合にあって94セント割れ、95円台半ばまで反落しています。

発表されたQ2消費者物価指数(CPI)はヘッドライン(全項目)が前年比で3.0%(予想+3.0%、前回+2.7%)とRBAの2-3%レンジの上限に達し、これは2年半ぶりの強い数字です。

またRBAの注視するアンダーライイング・インフレーション(ボラタイル項目を除外した刈り込み平均値)は+2.9%(予想+2.7%前回+2.6%)と過去4年で最大の数値となりました。

今回のインフレ率上昇では健康保険料、賃貸料、教育費、運賃などのいわゆるサービス部門の上昇が寄与し、一方財の部門ではタバコと食料・雑貨の上昇が目立ちました。

ただ、今回のCPIが予想をやや上回ったからと言って、RBAが即金融スタンスをニュートラルから引き締めに転じる可能性は少ないですし、また中国のPMIにしてもこのまま改善が続くとも思えません。

IMFは来年の中国経済は今年の7.4%(予想)から7.1%に減速することを予想しています。

今回の強いCPIと中国PMでも95セントを越えなかったこと、また今週はドル買い材料が目立つことや地政学的懸念が根強いことから豪ドルは足元上値の重い展開が予想されます。

 

Have a nice week in advance !!!

 

Junax Capital, Sydney

Joe Tsuda

 

☆豪ドルトレーディングにはFXマガジン「Joeの豪ドル道場」をお勧めします。

http://www.fxmagazine.jp/magazine_direct.php?uid=3Gl8j

サンプル例を添付させて頂きます。

「11 July_2012.pdf」をダウンロード

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当)

http://www.central-tanshifx.com/

☆外為どっどコム社の動画担当(毎週金曜日)

http://www.gaitame.com/gaitame/

 

ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

 

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Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

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