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シドニー発豪ドル見通し(16 October 2017)

<今週の主な日程・イベント>

10/16(月)中国9月CPI/PPI、10月NY連銀製造業景況指数 17(火)日米経済対話(麻生財務相―ペンス副大統領@ワシントン)、米韓共同軍事訓練(~21日)、英9月CPI/PPI、独ZEW景況感指数、米9月鉱工業生産、フィラデルフィア連銀総裁講演 18(水)中国共産党第19回全国代表大会開催、米9月住宅着工件数、FEDベージュブック、地区連銀総裁講演(NY、ダラスFED) 19(木)豪州9月雇用統計、中国Q3GDP、中国9月鉱工業生産/小売売上高、米9月景気先行指数、フィラデルフィア連銀製造業景況指数、EU首脳会議(~20日) 20(金)黒田総裁挨拶、9月米中古住宅販売、FRB当局講演(イエレン議長、クリーブランド連銀総裁)

 

<マーケットの焦点>

先週はNYKダウや日経平均はじめ休み明けの中国、欧州と主要国の株価は上昇し、商品相場も堅調推移しました。原油価格は再び51ドル台まで上昇していますが、OPECが今年、来年の需要予想を上方修正したり、中国の原油輸入増加予想が背景にあります。 先週ドルは総じて下落しました。 発表されたFOMC議事録がFRB内でも低インフレを問題視する向きが多いことを印象付け、しかも発表された9月の米CPIや小売売上が予想を下回り米債利回りが低下したことがドル円を111円台に押し下げました。 またスペイン・カタルーニャ独立懸念がひとまず収束したことやBrexit交渉で双方の歩み寄りが見られたことで、ユーロやポンドが強含んだこともドルを押し下げました。 今週の相場は来週末22日に開票される衆院選の結果を巡る思惑や北朝鮮情勢、明日開催される中国共産党大会、26日に予定されるECB理事会を巡る思惑などが主な材料となります。 衆院選では与党大勝観測があり、与党のみで過半数を大きく上回る300議席獲得予想や更に選挙後希望の党が自公民に加わる可能性まで取り沙汰されています。 与党の大勝はアベノミクス継続で株高・円安発想となりますが、一方「安倍首相続投望まず」が47%(毎日調べ)など、必ずしも与党勝利=株価上昇・円安とはならない可能性もあります。 先週は日経平均が20年ぶりの高値となる中ドル円はむしろ下落しました。これはリスク選好の円安よりは、“青い目の日本株価買い”が活発化した結果「円買い需要が発生している」と考えられないでしょうか? 米韓軍事共同訓練が明日から始まりますが、北朝鮮は「米国の軍事行動は我々の軍事的対応を余儀なくしている」と述べており、軍事挑発行動の可能性が懸念されます。 先週の9月米国CPIはコアが5か月連続の+1.7%となり上昇しないCPIがFRBを落胆させました。イエレン議長は週末の発言で「今年の米国経済における最大の驚きは低インフレ」と述べているように、今後も米国の“超低金利下政策の解除”は進むものの、年内の再利上げについては、今後の景況次第でまだ不確定だと思います。 米経済や国際情勢で予期せず乱気流が発生した時にはFRBの引き締め政策にも大きく影響することを忘れるべきではないでしょう。 26日のECB理事会では債券購入プログラムの段階的縮小を慎重に進める姿勢が確認できる可能性が強く、欧州経済の回復とともに緩和解除が徐々に鮮明になりユーロをサポートするでしょう。

<豪ドル相場>

今週の豪ドルは堅調推移でしょう

先週のレンジ: AUDUSD   0.7750-0.7891   AUDYEN 87.24-88.31 今週の予想レンジ: AUDUSD   0.7800-0.8000 AUDYEN 87.00-90.00

先週の豪ドルは米ドルが軟調推移する中78セント台後半、88円台前半まで上昇しました。 前述のように原油が51ドル台に上昇するなど商品相場が総じて堅調であったことや、発表された10月のWESTPAC消費者信頼感が11か月ぶりに楽観/悲観の均衡点100を超えて101.4となったことも好感されました。 この消費者信頼感回復の背景には豪州国内および世界経済の改善傾向や、豪州の住宅価格の高騰がやや沈静化するに伴いRBAの利上げ観測が後退していることがあります。 現在豪ドルは再び上昇基調ですが、最大の要因であるドル相場は下落一方でもないことから、ドルが反発すれば再び豪ドルの上値は抑えられます。 また再び80セント接近となればRBAのけん制も活発化するでしょう。 今週木曜日には豪州9月雇用統計が発表されます。 過去5か月余り強い数字が続いており、そろそろ反動だ出る可能性もありますが、周りで活発に進むインフラ事業(路面電車網や高層ビル群)など見るにつけ雇用の拡大が実感されるわけで、今後も継続する可能性が指摘されます。

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Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

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