旅行/観光

【日本に帰国する方へ】検疫の流れと準備しておいた方がいいこと

4月1日(水)、外務省は「日本における新型コロナウイルスに関する水際対策強化」と題し、新たな制限を発表しました。その内容は、入国拒否対象地域に新たに49か国・地域(注)を追加(日本国籍者は対象外)というもの。この制限により、オーストラリアを含む多くの国・地域から日本への入国ができなくなりました。

そんな中、ここオーストラリアから日本に帰国することを決意したJAMSスタッフが1名。彼女は、この制限が発表される前に帰国を決めており航空券も手配済みでしたが、出発日前日にこの制限が日本帰国日の1日前から施行されると発表されたのです。

もちろん、日本国籍保持者が入国を断られることはないでしょうが、そうであっても「入国拒否」されている国から帰国となるとなかなか緊張しますし、生きていてあまり経験できないことだと思います。

そこで今回は、入国拒否指定国・地域から帰国する日本人に密着取材!…した気持ちで、JAMSスタッフの報告書を参考に入国までの流れをご紹介していきます。

入国拒否指定国・地域に滞在中でこれから日本に帰ろうとしている方へ、もちろんそうでない方へも、今後自分がこのような状況に置かれた時、空港での実際の流れや、準備しておいた方がいいことなど、JAMSスタッフの経験からお伝えします。

オーストラリア出国から日本入国までの流れ

オーストラリア出国

シドニー空港へは電車を利用。空港に入るまでに、航空券とパスポートを見せる必要がある。航空券は空港に入る前の路上で、パスポートは空港に入ってすぐの所で見せる。オーストラリア国籍、または永住権を保有している者、見送りの者は空港には入れなかった。

列に並ぶ時やベンチに座っている時も1.5mの「Social Distance」を取りなさいと注意される。出国審査後の搭乗ロビーにあるフードコートも2店舗ほどしか開いておらず(夜19時半だったからかもしれないが…)少し混んでいた。

羽田空港到着

4:45 羽田空港到着

本来は5:05着だったので、早めの到着。

機内アナウンスで「海外へ滞在歴のある日本人を含むすべての入国者はPCR検査の対象となる」と流れる。乗務員より書類が4点(申告書・入国される方へ検疫所よりお知らせ・健康相談記録・質問票)配布され、それらに記入するよう指示がある。

5:30 飛行機を降りるよう指示

搭乗口ロビーへ全員で移動。その後、2回ほど場所を移動。何をするわけでもなく、ただ場所を移動しただけだった。

PCR検査

9:00 PCR検査

検疫官に、記入した書類一式を提出。その後名前と番号を書いたラベルを渡される。

自宅待機場所、ホテルを予約している場合はホテル名を聞かれ、書類に記入するよう指示。ホテルで自宅待機する予定の方で、まだ宿泊先を予約していない人はホテルリストが配布されていた。

PCR検査は通路のような場所に簡易ブースに区切られ実施。係の方に伝えられたブースに入り書類・ラベルを渡す。インフルエンザ検査に似ていると事前情報で知っていたが、(インフルエンザ検査をしたことがなかったので分からないが…)鼻の奥のほうまで綿棒のようなものを入れられて、個人的には痛かった。

検査自体は2〜3分で終了。その後、係の方に名前と宿泊予定のホテルを伝え、その情報はリストに記入される。ここで自宅にて結果を待つ人は解放されるのか…?

9:20 出発ゲートロビーで待機

充電スペースやWiFiも完備。自販機(飲み物・お菓子)も設置されていた。

15:00 お昼支給

おにぎり2つと緑茶が支給される。

PCR検査結果発表

19:00 PCR検査結果発表

検疫官の方が順に名前を呼び、呼ばれた順に列に並ぶ。その後、検疫官から直接結果を通達される。自宅で結果を待っている人の名前も呼ばれていたので、帰宅したのかそのまま羽田空港で待機しているのかきちんと区別されていなかった印象。

20:00 入国審査・税関への誘導

また一人ひとり名前を呼ばれる。ホテルへの送迎が必要な人は時間と集合場所を係の人より伝えられる。(その際にホテルまでではなく、最寄り駅までの送迎になると通知)

そして「COVID-19流行地域滞在歴あり」というピンクの紙を渡される。

20:30 移動

名前を呼ばれた後、バス送迎が必要な方はグループで待機。到着ロビーにあるタリーズに集合するよう指示がある。

入国審査・税関

20:45 入国審査・税関

入国審査・税関は比較的スムーズに簡単に通過。その後、タリーズ前へ移動・待機

21:20 バスへ移動

係の人が誘導し、バス停留所まで移動。そこでは自衛隊の方が10名くらい待機していた。他のバスを見ると感染防護服を着用した方が車内を清掃していた。運転手の人に最寄駅を伝え、荷物は停車場所別に分けられる。その後、22:25にホテルの最寄駅(大森海岸駅)に到着。

ホテルを予約する際に考慮した方がいいポイント

海外滞在歴がある人を受け入れてくれるか

予約する前に電話で確認する必要がある。JAMSスタッフが宿泊したホテルは清掃が入らない、ホテル内のレストラン利用不可だということを了承すれば受け入れOK。

最寄り駅が近いか

送迎バスは最寄り駅までしか行かないので、駅近を選ぶと良い。ただ、送迎バスはリストに記載されているホテルのみにしか行かないかもしれないので、送迎バスリストに載っているホテルを予約した方が無難かも。

近くにコンビニ・スーパー・ランドリーサービスがあるか

ホテルでルームサービスがあれば一番良いが、ない所もあるのでホテル近辺情報も確認した方が良い。

電子レンジが利用可能か

部屋に設置してある所が一番良いが、これもある所ばかりではないので、ホテルに事前連絡する際に使えるか聞くことをオススメする。JAMSスタッフが宿泊したホテルはフロントに食料を持っていけば、スタッフルームにある電子レンジで温めてくれた。

手荷物に入れておいた方がいいもの

実際に経験した人しか分からない…こんな状況に至った時「これだけは手荷物に入れておいて欲しい」というものを教えていただきました!

軽食

機内食は夜とお菓子の詰め合わせのみで朝ご飯は無かった。羽田空港での食料配布は15時までなかったため、手荷物にパンやお菓子などの軽食を入れておくことをオススメする。もしくは機内で出てくるパンやクラッカーを持ち帰るなど。

自動販売機でお菓子・飲み物は購入できるが、日本円、特に小銭が必要。周りには「1万円札しかない」「日本円を持っていないから自販機で購入できない」と言っている人もいた。冷水機は設置してあった。

時間つぶしができるもの

15時間ほど待機しなければいけないので、読み物や作業するものがあった方が良い。JAMSスタッフは基本仕事をしていたので気が紛れたが、何もない人は寝るか携帯を触るしかすることがない。

防寒具

パーカーとジャケット(MA-1)を持っていたので、上半身は大丈夫だったが、足元が冷えたので、ブランケット等を持ち込むと良いと思った。特に仮眠を取りたい時や、取った後は身体が冷えるため。

充電器

外部との連絡を頻繁に取る必要がある方は充電器必須。充電スペースも羽田空港には沢山あったので、手荷物に入れておいた方が良い。

SNSへの登録も忘れずに!

参考までにTwitterなどからも情報取集した方がよいと勧められたので、ツイッターアカウントを開設。帰国するまでどのような状況か確認しておいた。情報は取捨選択しなければいけないが、参考までに見ておいた方がいい。

レポートしてくれたJAMSスタッフの感想

今はホテルで隔離生活を送っていますが、時間を持て余しています。

仕事をしたり、友達とスカイプで話したり、テレビを見たり、勉強したりして過ごしています。監視の目などは特に無く、どこでも行くことができる状況なので、「隔離」というよりかは、自主的に籠っているという感覚です。

やはりオーストラリアを基準にして考えると日本は緩いのかなと思います。「Social Distance」もあまり意識されていないように思いますし、フードコートもイートインスペースも開いています。

また、どのような状況でも自分が継続してできることがあってよかったなと思います。住む場所が唐突に変わり、地元にもすぐには帰れず、1人でいると不安定な気持ちになることも多いですが、その中でも「やらないといけない」ことがあるのは幸せだなと思いました。私の場合は仕事ですけどね!


今回はJAMSスタッフのレポートを参考に、オーストラリア出国から日本に入国するまでの流れと、準備しておくべきことをご紹介しました。

インターネットが発達しているこの時代、ストレスに感じることも多いと思いますが、私たちの経験や知識を共有できるのもまたインターネットです。国や地域によって定められているルールをきちんと守り、自ら行動そして発信し、一刻も早いウイルスの収束に向けてみんなで力を合わせましょう。

皆さまが世界のどこにいても、安全でいることを願います。そして、検疫所のスタッフや医療従事者の方々、スーパーやコンビニ、薬局の従業員の方々など、毎日休まず私たちの生活を守ってくれている方々に感謝いたします。

レポート:臼井佑季/編集:濱田紗衣

この記事をシェアする

この投稿者の記事一覧

概要・お問い合わせ

その他の記事はこちら