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15 「酒粕の話 その2」

「酒粕の話 その2」

 

前回のコラムで酒粕のお話をさせていただきました。今回はその2と言うことで、健康への寄与についてお話したいと思います。

秋田大学医学部名誉教授で、現在は水俣市の助役の滝澤行雄先生は、「酒粕中のアミノ酸効果を深く生かし、生活習慣病防止のトビラを開こう」とお話しています。

酒粕は、すぐれた栄養食品として紹介されており、実に100種類以上の栄養分を含んでいると言われています。たんぱく質、糖質、インシュリン様物質、血圧を下げるペプチドなど有用成分が多く含まれています。これらは麹菌がでんぷんを糖質に変える過程の中で生み出されたものです。よって、日本酒の酒粕のみに見られる大きな特徴といえます。

各種アミノ酸の有益な生理活性は心臓病、ガン、糖尿病、骨粗しょう症、老化、痴呆症などの予防や美容効果を発揮してくれます。

その中でも肝硬変から「肝臓を守る」という効果は、比較数字もしっかりと表れている研究データとして非常に面白いものがあります。通常、日本酒やその酒粕などが肝臓を守るというのは信じられないかもしれませんが、本当なんです。

滝澤教授が15年間の都道府県別肝硬変および、肝臓ガンの死亡率と酒の消費の相関関係を調査したところ、日本酒を飲む人の肝硬変や肝臓ガンによる死亡率が低いことが悪鬼らかになりました。地域別に見ても、日本酒を良く飲む地方よりも、焼酎党の多い地方のほうが肝臓疾患による死亡率が高いこともわかりました。

酒粕にも日本酒同様にアミノ酸成分が含まれていますので、効果があると言われています。

ただ、あくまでもまだ研究段階ですので、酒粕を食べれば肝硬変にならない、とは言い切れませんので、その点はご注意下さい。

このように、酒粕には素晴らしい成分が多い、という事を知ってもらいたいと思います。海外でもこの酒粕が自由に流通できる時代が来るように私達蔵元も努力して行きたいと思います。

次回は酒粕の美容への影響などもお話したいと思います。

 

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