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シドニー発 豪ドル見通し(2011年6月6日)

”シドニー発豪ドル見通し”(毎週月曜アップデート)

(米ドル円日足)

(豪ドル米ドル日足)

(豪ドル円日足)

Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在Junax Capital,AT FUND,Sydneyでファンドマネージャーを務める傍ら日本の投資家に市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴29年。

趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ

今週の主な予定、イベント

6/5ポルトガル総選挙(与党敗北)

6/6(月)NZ、中国、香港休場、ユーロ圏4月CPI、プロッサー・フィラデルフィア連銀総裁講演、フィッシャー・ダラス連銀総裁講演

7(火)RBA理事会(オフィシャルキャッシュレート4.75%据え置き予想)、ユーロ圏4月小売売上高、ロックハート・アトランタ連銀総裁講演、バーナンキFRB議長講演

8(水)独4月貿易収支、経常収支、米地区連銀経済報告(ベージュブック)、ホーニグ・カンザスシティー連銀総裁講演、ユーロ圏Q1GDP改定値

9(木)豪州5月雇用統計、日本Q1GDP二次速報値、NZ中銀政策金利、BOE政策金利、ECB政策金利、ブラジル中銀政策金利、プロッサー・フィラデルフィア連銀総裁講演、イエレンFRB副議長講演

10(金)中国5月貿易収支、英国4月鉱工業生産、英国5月生産者物価指数、カナダ5月雇用統計、韓国中銀政策金利

 

マーケットの焦点

キーワード― ドル安、日本と米国のソブリンリスク、ギリシャ問題の行方(本当に危機は去ったか?)、各国金融政策(今週は各国中銀政策会合開催)

先 週の金融市場では前週末と比較して、世界的に中国株が若干反発した以外は株価は低迷。商品相場は小幅上昇(原油価格は横ばい、金は若干上昇)でした。また米雇用統計はじめ軟調な指標発表が続いたため米金利(長短)が大幅に低下し、米ドルは対主要通貨で下落した週となりました。

中国のNZ債投資の話しも聞かれて、NZドルは0.82ドル台に史上高値を更新、一方ドルスイスはリスク回避のためのSafe Havenのスイスフラン買い需要で0.83台前半まで史上安値を更新しています。

現在市場の関心を集めているのは日米の格下げ観測です。

日本に対しては5/31にムーディーズがソブリン格付けの引き下げ方向の見直しを発表しました。理由は震災による財政赤字の悪化と政局の混迷でした。また、同社は6/2には今度は米国の債務上限引き上げが数週間以内に進展なければトリプルAからダブルAレンジへの格下げを示唆しています。

特に米国経済は日本の震災によるサプライチェーン寸断の影響もあり、4月5月の諸指標は軒並みダウンしています。

量的緩和策第二弾は6月末で終わりますが、出口戦略に移行どころか量的緩和第三弾の観測まで出る始末で、目先まだドル安基調が継続しそうです。

またギリシャ問題は先週ムーディーズがギリシャ国債格付けをB1からCaa1に三段階引き下げましたが、金曜日には今度はIMF、ECB、EUによる追加措置の可能性が高まり、問題進展の期待からユーロ買い戻しにつながりました。しかし一方、週末のポルトガル総選挙では与党が敗北していますし、またウクライナの副首相がIMFの金融支援がなければ債務危機の可能性を示すなど、依然として欧州ソブリンリスクも完全解決とは程遠い状態です。

今週は各国中銀の金融政策会合が開かれます。

―豪州、NZ、英国、欧州中銀、ブラジル、韓国―

足元の世界経済スローダウン懸念を勘案すれば各国ともに金利据え置き(ブラジル以外)が予想されますが、8日(水)に発表される米国の地区連銀経済報告(ベージュブック)の結果と共に、各国当局者の発言に注目したいところです。

豪ドルマーケット

先週の相場レンジ AUDUSD 1.0587-1.0774 AUDYEN 84.96-87.61

今週の予想レンジ AUDUSD 1.0550-1.0850 AUDYEN 84.50-87.50

今週の豪ドルは対米ドルで堅調、対円で揉み合い

先週の豪ドルは”下げて上げる”の展開でした。

週初はムーディーズのギリシャ格下げや、豪州国内でも弱い4月住宅建設許可件数やQ1GDPの発表を受けて軟調推移でしたが、木曜日に発表された4月の小売売上高が予想外に強い数字となり豪ドルをサポート。

またムーディーズによる米国格下げ観測や、金曜日の米5月雇用統計が弱い数字となり米金利が低下したことから、豪ドルは1.07台に反発して高値引けしています。

ただ豪ドル円は米ドル円の80円近辺への下落と、豪ドルの上昇が相殺し合って、86円中心に揉み合い相場となっています。

今週も上記のように米ドル相場の行方がキーポイントとなりますが、火曜日のバーナンキFRB議長の講演や水曜日の米国FEDのベージュブックの内容が注目されます。

また上記の各国中銀の政策会合の結果も重要でしょう。

豪州国内では火曜日のRBA理事会(金利据え置き予想)と会議後の声明、更には木曜日の5月雇用統計が焦点です。特に4月の就業者数が予想外の22千人マイナスとなっおり、また今朝発表された5月のANZ求人広告は前月比-6.5%と16カ月ぶりの低水準に落ち込んでいます。

果たして豪州雇用市場にも影が差し始めているのか、、、、、

再び高値圏に反発(1.07台、86円台)してきた豪ドルですが、米ドル安が底流としてあるために、今週も堅調地合が継続するものと思われます。

ただ豪ドル円はドル円軟調(80円割れの可能性)が予想されますので、引き続き85-87円台中心の揉み合い相場でしょう。

豪ドル自体が反落するには、米ドル反発よりはむしろ雇用統計など国内指標の軟調が足を引っ張る場合が想定されます。

それでは 、今週も Have a nice WEEK!!!

Junax Capital, Sydney

Joe Tsuda

・豪ドルトレーディングにはFXマガジン「Joeの豪ドル道場」をお勧めします。 http://www.fxmagazine.jp/magazine_direct.php?uid=3Gl8j

サンプル例を添付させて頂きます。

「29_december_2010.pdf」をダウンロード

・現在セントラル短資FXブログに執筆中!

http://www.central-tanshifx.com/

 

       

ご注意!

本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、

それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

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東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

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