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シドニー発豪ドル見通し(2011年8月8日)

”シドニー発豪ドル見通し”(毎週月曜アップデート)

(米ドル円日足)

(豪ドル米ドル日足)

(豪ドル円日足)

Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在Junax Capital,AT FUND,Sydneyでファンドマネージャーを務める傍ら日本の投資家に市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴29年。

趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ

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今週の主な予定、イベント

8/8(月)日本6月国際収支

9(火)南ア休場、英6月鉱工業生産、中国7月(CPI、PPI、小売売上高、鉱工業生産)、米FOMC

10(水)豪8月WESTPAC消費者信頼感指数

11(木)豪7月雇用統計、韓国中銀政策金利、米新規失業保険

12(金)米7月小売売上高、8月ミシガン大学消費者信頼感指数、ダドリーNY連銀総裁講演、G7?

マーケットの焦点

キーワード―米FOMC(8/9)、米国格下げ、欧州債務問題、リスク回避、豪州7月雇用統計

どうも世の中またまたおかしくなって来ています。

欧米の財政赤字問題は今年のメインテーマですが、まさに先々週、先週とギリシャ第二次支援策がまとまり、米国の債務上限法案が”ギリギリセーフ”で法制化したばかり。つまりデフォルト寸前で欧米債務問題は最悪事態を脱した訳ですが、よりにもよってその後で、世界の株式市場や商品相場が大きく値崩れするとは、、、、

余程世界の金融市場は欧米債務問題の行方や世界経済の先行きに対して悲観的な見方を持っているようです。

前週末に比較して本日の株価(オフショアCFDを含む)を見ると:

NY DOW  11,155 (前週末12,143)

NIKKEI 9,098(9,833)

DAX 6,153(7,158)

SHANGHAI 2,536(2,701)と軒並み1000ポイントがらみダウン。

また、商品先物インデックスCRB は326(342)といずれも軟調です。

つまり欧米共に”債務不履行(デフォルト)回避”を最優先に議論を詰めてきた結果、借入枠の増額や、貸出実施のための法整備を何とか整えた状態。もちろん足元の借り入れが可能となった前提として、今後の緊縮財政計画やその後の返済計画が認められた訳ですが、ここにきて市場は「赤字返済の前提となる景気回復に対する懸念や、今後緊縮財政のために景気刺激策は後退を余儀なくされ景気は益々落ち込む。また米国なども更なる金融緩和第三弾が必要になる」など悲観的な見方が支配的になりつつあるようです。

もちろん週末にはS&Pが米債格付けを引き下げる(AAA→AA+)と言うショッキングなニュースが世界を駆け巡りました。これはある意味時間の問題でしたが、米国7月の雇用統計が予想を上回る強い数字であっただけに、「何もこのタイミングで格下げはないだとう?」との意見にもうなづけます。

いずれにしても、欧米財政危機の克服は、まず法制化の整備が取り敢えず終わり、それに向けて各国ともに緊縮財政を実施し、景気を回復させて企業収益を向上させて税収入拡大を図ると言う、遠く長い道のり。

必要以上に後ろを振り返って悲観論を醸成させても百害あって一利なしであると思います、悲観論が好きな人が世の中には多すぎます。

 

豪ドルマーケット

先週の相場レンジ AUDUSD 1.0375-1.1065 AUDYEN 81.41-86.18

今週の予想レンジ AUDUSD 1.0200-1.0600  AUDYEN 79.00-84.00

今週の豪ドルは下値テストと押し目買いの交錯

先 週の豪ドルは”大きく下げる”でした。

きっかけはやはり、米国債務上限法案が可決され、”米ドル全面安”にやは歯止めがかかったこと。(米ドル買い/豪ドル売り)またその後は上述のように欧米の債務問題に対する根強い懸念や、ひいては世界経済二番底懸念まで高まってきたことから、市場のリスク許容度が急激に減少し、これまた豪ドルへの重しとなりました。

また先週のRBA理事会では、前週に発表されたQ2CPIが強い数字となったことから、8月利上げ観測も復活しましたが、結局RBAは金利据え置きを選択しました。RBAの声明を読んでも特に欧米債務問題を深刻に捉えれており、加えて中国経済の減速、豪州国内景気もソフトトーンであるとの解釈。特に”豪ドル高が景気下振れ要因”との認識を強めている点も豪ドルの上値を重くしました。

次回のQ3CPIの発表が10/26になりますから、その間世界経済の急激な回復でもない限り、RBAが次に利上げを実行するのは早くて、11月の理事会との見方が一般的です。

結局先週は史上高値1.1080を付け(豪ドル円は86円台まで)た豪ドルですが、先週は大幅に下落して1.04割れ、81円台半ばの安値圏で越週しています。

今週も上記の欧米債務問題に加えて、8/9の米FOMCが注目されます。米国の緊縮財政から財政による景気刺激は更に困難になるため、その代わりに更なる金融緩和(量的緩和QE3)が議論されるようであれば、再びドルの上値が重くなるでしょう。

ただ申しましたように欧米債務問題や米国の格下げ問題も市場は半ば織り込み済みの状態であり、豪ドルの”投げ”一巡後は徐々に豪ドル底入れ、そして押し目買いによる反発の可能性もあるでしょう。

国内指標では木曜日に7月雇用統計が発表されます。

4月以降、弱、弱、強と来ており、7月は予想値が+10千人、失業率4.9%と若干控えめですが、果たしてどうか?豪州経済では現在堅調な雇用が引き締め政策の大きな根拠になっています。

 

それでは 、今週も Have a nice WEEK!!!

Junax Capital, Sydney

Joe Tsuda

・豪ドルトレーディングにはFXマガジン「Joeの豪ドル道場」をお勧めします。 http://www.fxmagazine.jp/magazine_direct.php?uid=3Gl8j

サンプル例を添付させて頂きます。

「29_december_2010.pdf」をダウンロード

・現在セントラル短資FXブログに執筆中!

http://www.central-tanshifx.com/

 

ご注意!

本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、

それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

 

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東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
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