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シドニー発豪ドル見通し(2011年10月3日)

”シドニー発豪ドル見通し”(毎週月曜アップデート)

(米ドル円日足)

豪ドル米ドル日足)

(豪ドル円日足)

Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在Junax Capital,AT FUND,Sydneyでファンドマネージャーを務める傍ら日本の投資家に市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴29年。

趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ

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今週の主な予定、イベント

10/3(月)中国国慶節で休場~7日、Q3日銀短観、米9月ISM製造業景況指数、ギリシャ2012年予算案提出

4(火)RBA理事会(金利据え置き見通し)、豪州8月貿易収支、EU財務相理事会、メルケル独首相講演、バーナンキFRB議長上下合同経済委員会証言、ラッカー・リッチモンド連銀総裁講演

5(水)豪州8月小売売上高、英Q2GDP確報値、ユーロ圏8月小売売上高、米9月ADP雇用指数、米9月ISM非製造業景況指数、メルケル独首相・バローゾ欧州委員長会談

6(木)日銀金融会合、英中銀理事会、ECB理事会、米新規失業保険

7(金)日銀金融会合、英9月PPI、カナダ9月雇用統計、米9月雇用統計

マーケットの焦点

キーワード― ギリシャ・デフォルトの可能性(第6次融資80億ユーロ実施の有無-トロイカ調査団<EU、IMF、ECB>の調査結果)、各国中銀金融政策(豪州、英国、欧州、日本)、米9月雇用統計

先週もギリシャ問題が市場の動きを左右し、結果的には9月上旬より始まったアセット市場のベアマーケット(下げ相場)が最安値圏を模索する動きとなりました。欧米及び日本の株価は前週大きく下げていただけに、結果的に先週は前週比若干反発して終わっていますが、中国株価は今週の国慶節休場を前に続落し、商品相場も総じて軟調でした。

通貨市場も前週末のG20において、予定外の”緊急共同声明”で欧州問題サポートが出されましたが具体性に欠き、ユーロは年初の安値1.28以来の安値1.33台を付け、豪ドルは昨年11月に1.00パリティーの上に上昇して以来の安値0.96台に下落、豪ドル円も73円台と年初来安値を更新しました。

しかしその後、ギリシャが支援の条件である財政目標を達成できそうにないことから9月初めにギリシャを離れていたEU、IMF、ECBのトロイカ調査団が再度ギリシャに戻ったこと、更にはフィンランドやドイツでEFSF(欧州金融安定ファシリティー)拡充法案が可決されたことなどを好感して市場は若干下げ止まった感がありました。

ただ今週初予定されるEU財務相会合では依然として①さらなるEFSF規模拡大案②EFSFレバレッジ案③ギリシャ第二次支援における民間負担の増加問題④欧州銀行の資本増業策などの問題が山積しており、予断は許しません。

また先週金曜日には米イーストマン・コダック社が破産法申請を含む選択肢を検討しているとの報が流れNYKダウが大きく下落するなど、米経済関連の新たな不安も持ち上がっています。

このように欧州不安は当局が真摯に対応を協議していますがいまだギリシャのデフォルトの可能性を含めて不安感がぬぐえない状況です。

今週の注目はギリシャ関連ではトロイカ調査団の結果を待ってギリシャに対する80億ユーロの第六次融資が実施されるか、またEU財務相会合において諸問題解決に前進が見られるかでしょう。

加えて今週は”金利週間”ということで豪、英国、ECB、日本の金融政策会合が開催されます。RBA理事会では一部利上げ観測もあり、またECB理事会では利下げの有無が焦点となります。

また金曜日には米国9月の雇用統計が発表になりますが、8月は就業者数の伸びがゼロであっただけに結果が注目されます。

更に今週は中国が国慶節で休場となりますが、人民銀行の引き締め政策で中国不動産市場と株式市場が変調をきたしており、来週の休場明けの中国市場の動きにも留意する必要があります。

豪ドルマーケット

先週の相場レンジ AUDUSD 0.9622-0.9985 AUDYEN 73.39-76.68

今週の予想レンジ AUDUSD 0.9550-0.9950  AUDYEN 73.00-78.00

今週の豪ドルは、再び”下値トライ後反発”でしょう

先週の豪ドルは”反発後、再度下落”でした。

上述のように国内要因よりはやはり欧州債務不安の成り行きが豪ドル相場を左右した一週間でした。

週初はユーロの下落に連動して下値をテストし96セント台前半、73円台前半の今年の安値をつけましたが、EU当局への期待感からユーロが反発すると、豪ドルも一時は1.00のパリティーの少し下まで、また豪ドル円も76円台後半まで反発しました。

しかしフォロースルーなく、結局は欧州不安払拭できずに再び現在軟調地合となっています。

豪ドルは昨年11月にパリティーを上にブレークし、7月下旬には一時1.10の史上高値を付け、豪ドル円も86円まで(年間高値は4月の90円)上昇しました。当時は欧州不安も今ほど深刻では、豪ドルはむしろ他の主要国に比べて財政面の健全性が評価されて、資金が集中しました。

しかしその後欧州問題、特にギリシャのデフォルト不安が高まると、市場のリスク回避の動きが一気に高まり、豪ドルアセットすらも売り浴びせられる状況となっています。

特に豪ドルは3月の日本の震災後、また8月上旬のミニクラッシュ時にも1.00のパリティーを割り込んでいますが、それも一瞬でした。今回はもう1週間以上パリティーを割り込んでおり、市場のリス回避の動きの根深さが感じられます。

今週は欧州不安が更に増幅するのか、あるいはトロイカ調査団からポジティブな調査結果が出て、第六次融資80億ユーロが実施されるのか?

今後の欧州問題の行方を占う上で重要な週となりそうです。

豪ドルの行方もまさしく”ギリシャ次第”ですが、国内的にも今週はRBA理事会、8月の貿易収支、住宅建設許可、小売売上高と続きます。

RBA理事会では金利据え置き予想ですが、一部には利下げ観測もあるようです。

また7月は+0.5%と堅調であった小売売上高ですが、国内景気を占う上でも8月数字が注目されます。

現在今年の最安値圏にある豪ドルですが、テクニカル分析では、徐々に底入れする可能性も示唆しています。

それでは 、今週も Have a nice WEEK!!!

Junax Capital, Sydney

Joe Tsuda

・豪ドルトレーディングにはFXマガジン「Joeの豪ドル道場」をお勧めします。 http://www.fxmagazine.jp/magazine_direct.php?uid=3Gl8j

サンプル例を添付させて頂きます。

「29_december_2010.pdf」をダウンロード

・現在セントラル短資FXブログに執筆中!

http://www.central-tanshifx.com/

 

ご注意!

本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、

それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

 

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1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
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