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シドニー発豪ドル見通し(2011年10月17日)

”シドニー発豪ドル見通し”(毎週月曜アップデート)

(米ドル円日足)

豪ドル米ドル日足)

(豪ドル円日足)

Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在Junax Capital,AT FUND,Sydneyでファンドマネージャーを務める傍ら日本の投資家に市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。

趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ

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今週の主な予定、イベント

10/17(月)9月日本鉱工業生産、9月日本設備稼働率、10月NY連銀製造業景況指数、9月米鉱工業生産、9月米設備稼働率

18(火)RBA議事録、Q3中国GDP、9月中国鉱工業生産、小売売上高、10月独ZEW景況感指数、9月英CPI、9月米CPI、コスタ・ポルトガル中銀総裁講演、エバンス・シカゴ連銀総裁講演、ラッカー・リッチモンド連銀総裁講演、ローゼングレン・ボストン連銀総裁講演、バーナンキFRB議長講演

19(水)英中銀議事録、9月米CPI、9月米住宅着工件数、建設許可件数、米ベージュブック、ブラジル中銀会合、ローゼングレン・ボストン連銀総裁講演、ロックハート・アトランタ連銀総裁講演

20(木)9月英小売売上高、9月米景気先行指数、9月米中古住宅販売、新規失業保険、10月フィラデルフィア連銀製造業景気指数、ブラード・セントルイス連銀総裁講演、ロックハート・アトランタ連銀総裁講演、ピアナルド・クリーブランド連銀総裁講演

21(金)10月独ifo景況感指数、9月カナダCPI、トリシェ総裁講演、コスタ・ポルトガル中銀総裁講演、コチャラコタ・ミネアポリス連銀総裁講演

マーケットの焦点

キーワード― 欧州不安軽減、日本の円高対策、中国Q3GDP、米国の対中制裁法案上院可決と中国の反応、バーナンキ議長講演、トリシェ総裁講演

先週も前週に続いて市場のリスク許容度が増大し、金融市場のセンチメントは改善しました。

主要国の株価、商品相場は続伸し、一方通貨市場でもユーロは今回の安値1.31台から1.39近辺に、ユーロ円は100円台から107円台に反発し、豪ドルも93セント台から103セント台、豪ドル円は72円台から80円手前まで回復しました。

やはり最大の支援材料は欧州債務問題の好転です。

独仏首脳会談では銀行の資本増強策で合意を見、またギリシャ調査団の調査結果からギリシャへの第6次融資80億ユーロが実行される見込みとなりました。更にEFSFの拡充法案に対してユーロ17カ国中最後まで批准が難航していたスロバキアも最終的に批准し、拡充EFSFによる債務問題解決に道が開かれました。

また前週の強い9月米雇用統計に続いて9月の米小売売上高も堅調で市場センチメントが改善しました。豪州国内でも発表された9月の雇用統計が過去2カ月の不振を吹き飛ばす久々の強い数字となり、RBAの利下げ観測が後退して豪ドル買い戻しが活発化しました。

週末のパリG20では”世界経済の重大な下方リスクに断固として対応する必要性”で共通認識を得ました。

さて、今週は18日(木)に中国Q3GDP、9月の小売売上高、鉱工業生産が発表になりますが、GDPは前期の9.5%(前年比)から9.2%に減速するとの予想です。また米国上院の対中制裁法案可決に対しては早くも中国当局から「人民元はかなり良いレベルまで上昇した。人民元相場は輸出企業を守るために安定を維持する」との対抗的発言も聞かれ、今後の米中の攻防が注目されます。米国が強固に人民元切り上げを迫れば、米国債最大保有国の中国は対抗措置として”米債売り”を匂わせる可能性もあります。

また先週日本の政府高官から「来週にも円高是正措置を発表する」との発言があり、市場では”政府・日銀がドル円のフロアレートを80円に設定する”とのうわさも出て、ドル円相場がUP & DOWNしました。

このうわさはさておき、欧州金融機関の自己資本増強に絡んだIMFへの融資枠増額に応じるための日本の円売り観測や、EFSF債追加購入に関わる円売り・ユーロ買いの憶測もあり、これらと日本の政府高官発言を絡めた”円売り”が顕現化するかどうかも市場の焦点となっています。

また今週はバーナンキFRB議長やトリシェECB総裁の講演が予定されていますが、自国の金融政策のみならず、欧州債務問題の先行きに関しての見解が注目されます。

10月初旬に取り敢えず底入れした感がある金融市場ですが、この回復が本物かあるいは、調整一巡後に再度ベアセンチメントに戻るのか、注意深く見守る必要があります。

豪ドルマーケット

先週の相場レンジ AUDUSD 0.9753-1.0346 AUDYEN 74.89-79.92

今週の予想レンジ AUDUSD 1.0100-1.0500  AUDYEN 77.50-81.50

今週の豪ドルは堅調推移でしょう

先週の豪ドルは”買い戻し継続”でした。

上述のように欧州情勢の改善に加えて、国民の反対は未だ強いものの、取り敢えず炭素税導入法案が下院で可決され、上院でも可決されて法案が成立する運びとなりました。また先週木曜日に発表された9月の雇用統計は失業率5.2%(予想5.3%、前回5.3%)、就業者数+20.4千人(予想+10千人、前回-10.5千人)と予想外の好結果で、過去2カ月の悪い流れに歯止めがかかったことが豪ドルをサポートしました。

特に西豪州とクイーンズランド州という資源州で雇用が拡大し、力強い結果となりました。

26日に発表されるQ3CPが注目されますが、今回の強い雇用指数と欧州問題の好転という結果を受けて、11月のRBA利下げ観測がにわかに後退しており、これも豪ドルを押し上げる結果となりました。

上述のように今週も欧州問題や中国関連が市場の焦点となりますが、豪ドルは9月の初旬から大幅下落し、10月上旬に反発に転じています。

テクニカル的にも”半値戻し=50% retracement”が終わった豪ドルですが、欧州問題が更に好転してここから更に続伸か?あるいは再度悪材料が出てきて反落か?今週はそれを見極める週となりそうです。

猶、上述のように、日本の政府・日銀筋からインパクトのある”円高対策”が打ち出される場合には、豪ドル円も80円を上抜けして上昇する可能性が出てきます。

 

それでは 、今週も Have a nice WEEK!!!

Junax Capital, Sydney

Joe Tsuda

・豪ドルトレーディングにはFXマガジン「Joeの豪ドル道場」をお勧めします。 http://www.fxmagazine.jp/magazine_direct.php?uid=3Gl8j

サンプル例を添付させて頂きます。

「29_december_2010.pdf」をダウンロード

・現在セントラル短資FXブログに執筆中!

http://www.central-tanshifx.com/

 

ご注意!

本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、

それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

 

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Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
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