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シドニー発豪ドル見通し(2012年5月14日)

”シドニー発豪ドル見通し”(毎週月曜アップデート)

(米ドル円日足)

 

豪ドル米ドル日足)

(豪ドル円日足)

Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在Junax Capital,AT FUND,Sydneyでファンドマネージャーを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。

豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。

趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ

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今週の主な予定、イベント

5/14(月)ユーロ圏財務相会合、ユーロ圏閣僚会合、ユーロ圏3月鉱工業生産

15(火)RBA議事録、独仏主脳会談、オランド新仏大統領就任宣言、Q1GDP速報値(仏、独)、ユーロ圏Q1GDP速報値、独5月ZEW景況感指数、米4月小売売上高、米4月CPI

16(水)英4月失業率、BOE四半期インフレ報告、ユーロ圏4月CPI、ユーロ圏3月貿易収支、米4月住宅着工・建設許可、4月FOMC議事録、ブラード・セントルイス連銀総裁講演

17(木)NZ Q1PPI、日本Q1GDP(速報値)、米新規失業保険申請件数、米5月フィラデルフィア連銀景況指数

18(金)カナダ4月CPI、米フェースブックがNASDAQに上場、G8首脳会議(ワシントン郊外~19日)

マーケットの焦点

キーワード― 欧州問題(ギリシャの政局混迷→融資は実行されるか?仏新大統領の緊縮財政歩み寄りの有無、独地方選挙で与党敗北)、欧州経済指標(ユーロ圏・独仏Q1GDPなど)、米経済指標(4月小売売上高、CPI、住宅着工件数まど)、中国の景気減速、週末ワシントンG8

先週も欧州問題、中国の各種指標発表と週末の預金準備率引き下げ、更には豪州国内でも2012/13年度の連邦予算案や4月の雇用統計発表といそがしい1週間でした。

全般的には欧州懸念が強くリスク回避の動きが主流で、主要市場では前週比で株価が下落し、商品相場(CRB インデックス)も年初来の安値を更新しています。

前週末のギリシャ総選挙と仏大統領選挙ではいずれも現職が敗退しましたが、特にギリシャではパプリアヌス大統領の主要3党へのたび重なる組閣要請にも拘わらずここまで組閣は失敗に終わり、6月再選挙の可能性が高まっています。再選挙となれば緊縮財政に否定的な第2党急進左派連合が支持率を上げる可能性があり、そうなるとギリシャ支援の条件である財政健全化の実行が危ぶまれ、ギリシャに対する融資が滞って、6月末にはギリシャ財政の資金が枯渇すると言う観測があります。

また明日は独仏首脳会談が予定されますが、”緊縮財政より景気浮揚優先”を掲げて当選した社会党のオランド新大統領がどこまで独に歩み寄るか、疑問視する声も聞かれます。

その他スペインやポルトガルの銀行の不良債権化の問題もあり、当分は

”欧州不安の再燃”から目が離せない状況です。

また先週は中国の4月主要経済指標が発表されましたが、貿易収支では輸入の激減が目立ち、また小売売上高、鉱工業生産共に予想を下回り、係る弱い数字を受けて週末に中国人民銀行は銀行の預金準備率を20.50%から20.0%に引き下げました。

しかし2月の引き下げ時と異なり本日株価(上海総合指数)の上げも僅かで、かなり景気後退懸念が強い状況です。

今週は欧州のGDPや米国の主要指標(小売売上、住宅着工など)も発表になりますが、欧州については債務不安を和らげるような強い数字は期待薄です。

また米国についても更なる景気減速が確認されれば、再びQE3(量的緩和第三弾)観測が高まることになります。

昨年見られた中国の強い景気けん引力が期待できず、加えて主要国の景気もスローダウン懸念が高まるようであれば、更に市場の”リスク許容度”が減少することになります。

現在ギリシャのユーロ圏離脱の確率は5割を超えるとの見方もあります。もちろん”即離脱”ではなく、来年に向けての”猶予期間”が設けられ、かつてほどのインパクトはないと思われますが、市場に痛みを伴うことも確かです。

週末のワシントンG8ではこれらの欧州問題も討議されることになります。

豪ドルマーケット

先週の相場レンジ   AUDUSD 1.0018-1.0220  AUDYEN79.72-81.70

今週の予想レンジ AUDUSD 0.9850-1.0150  AUDYEN 78.50-81.50

今週の豪ドルも依然下値テストとなるでしょう

先週の豪ドルは上記のように欧州ソブリンリスクの再燃や、中国の不冴えな経済指標(特に4月輸入の大幅減)、更には豪州国内でも3月貿易赤字の拡大や金利先安観から1.0000のパリティー直前まで、また豪ドル円も心理的レベルである80円を一時割り込む水準まで下落しました。

また週末の独地方選挙における与党CDU敗北を嫌気したユーロ安に引っ張られて、本日は一時1.0000パリティー割れ、80円割れまで再び軟化する局面がありました。

先週は来年度予算案(2012-2013年度)で15憶豪ドルの黒字転換の見込みが示され、また木曜日に発表された4月の雇用統計も予想を上回る強い数字となりましたが、豪ドルの戻りも限定的でした。

今週も豪ドル相場の主要材料はやはり欧州ソブリンリスクにからむリスク許容度の増減にありますが、徐々に悲観的な見方が増えつつあるのも確か。

また国内指標では16日(水)に発表される5月のWESTPAC消費者信頼感指数が、5月の50bp利下げや来年度黒字予算をどの程度評価するか注目されます。

5月に3.75%まで50bp引き下げられた政策金利(キャッシュレート)ですが、市場は年内更に50bp程度の利下げを見ています。

欧州情勢ではたとえギリシャがユーロを離脱しても、中期的にはユーロ圏の安定化に寄与することは確かであり、今後のユーロ瓦解を読む向きは昨年末や年初の頃より減少しています。

しかしながら、世界の景気動向など見ると、まだまだリスク選好に目を向ける余裕などないのも事実です。

豪ドル相場もまだ下値確認とはいかず、年末年初の安値0.98台、78円台近辺を伺う動きが予想されます。

 

それではHave a nice week in advance!!!

Junax Capital, Sydney

Joe Tsuda

 

☆豪ドルトレーディングにはFXマガジン「Joeの豪ドル道場」をお勧めします。

http://www.fxmagazine.jp/magazine_direct.php?uid=3Gl8j

サンプル例を添付させて頂きます。

「29_december_2010.pdf」をダウンロード

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当)

http://www.central-tanshifx.com/

☆外為どっどコム社の動画担当(毎週金曜日)

http://www.gaitame.com/gaitame/

 

ご注意!

本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、

それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

 

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東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
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