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ビジネス

今週のジョーの相場見通し(23 March 2020)

23 March 2020

◎<主なイベント>

3/23(月)3月ユーロ圏消費者信頼感
24(火)日本1月景気同行指数、2月全国百貨店売上高、独・ユーロ圏製造業PMI速報値、米新築住宅販売件数
25(水)日銀主な意見、タイ中銀政策会議、英2月CPI、独3月ifo景況感指数、米2月耐久財受注、米1月FHFA住宅価格指数
26(木)独4月GFK消費者信頼感、ECB経済報告、米Q4GDP確報値、米新規失業保険申請件数(毎週20万人台だが、今週分は2-3百万人という恐ろしい予想も出ている)
27(金)日本3月CPI、中国2月工業利益、米2月個人所得収支
28(土)欧州市場夏時間に移行

◎マーケットの焦点>

コロナウィルス被害は3/23現在、世界171ヵ国にわたり、感染者数32万人以上、死者数1万4千人を上回る。
先週は全ての金融アセット価格が暴落し、手元ドル資金手当て需要が急送して米金利上昇、米ドル上昇となった。
米10年債利回りは一時1.2%を越し(価格大幅下落)、ドルインデックスは103台という2002年以来の暴騰を見せた。
東京オリンピックも、いよいよ(当然の帰結?!)延期の選択肢がIOCでも協議され出した。もっとも最初から協議はされていたであろうが、、
引き続きイタリア、スペインなど欧州での感染が急速に拡大しているが、一方米国での感染者数も3万人を超し、米国で拡大懸念が急激に高まっている。
NY州やカリフォルニア州での外出禁止令やパンデミックが1年以上続くとの予想など、米国が抱いていた悲観的な見方が残念ながら正しかったようだ。
ただドル資金手当ても一巡したか、今週は週初から1.06台前半まで下落していたユーロは1.07台に反発し、111円台半ばまで上昇したドル円も110円台前半に反落している。
今週木曜日に発表される米国の新規失業保険申請件数は従来の20万人台から、一気に2-3百万人に急増する(ゴールドマンサックス予想など)との空前絶後の予想も出ており、米経済危機説が今度はドルを押し下げる番か?
先週は米証券会社の米国のGDP予想としてQ2 -24%???、Q3+12%、Q4+10%で通年で-3.8%という驚くべき予想も出ていた。
おそらくQ3にはコロナ禍も終息という予想だろが、いかんせん”終息“は希望的観測にすぎない。
米中貿易戦争やBrexitは人知の及び範囲であるが、ウィルス被害は人知を超えた事象であり、今後の予想すら無意味なのかもしれないという脱力感に襲われる。
いずれにしても各国ともに最悪の事態を想定して、最大限の経済・金融・財政支援を継続するだろうが、想像したくはないが、ウィルス被害拡大に政策対応が追い付かない事態が最悪の事態ということになる。
株価に代表される金融資産の暴落は被害拡大が収まらない限り止まらないであろう。一方ドル資金調達が一巡し、米国での感染拡大懸念、景気大幅減速不安が高まる場合には、今度はドルが戻り売りされる可能性もあるだろう。
いずれにしても、すべての金融市場の”乱高下の峠”はまだ先であろう。

◎<豪ドル相場>

足元の豪ドル相場―依然上値重いが、介入警戒感が下値サポート

先週の相場レンジ―AUDUSD 0.5509-0.6189 AUDYEN 59.90-66.24

今週の予想レンジ―AUDUSD 0.5500-0.6000 AUDYEN 60.00-67.00

先週木曜日にRBAは緊急利下げ(0.50%→0.25%)を実施し、同時に公開市場操作で大規模(88億豪ドル規模)な資金供給を行った。
一方、ゼロ金利への追加緩和や量的緩和の可能性には言及しなかった。
発表と前後して豪ドルは55セント台前半と、リーマンショック時の安値60セント台を大きく下抜き、2002年以降の安値55セント近辺、60円割れまで暴落し、AUD/NZDも史上初一時1.00のパリティーを割った。
しかしRBAの利下げ後、ロウ総裁が「為替介入はまだ実施していない、必要であれば準備はある」と発言したことから、豪ドルは59セント台後半、65円台半ばまで急反発するなど乱高下を演じた。
いよいよ来週は本邦決算期末となり通常は豪ドルからのリパトリが強まる時節ではあるが、今年に関してはさすがに売るべき豪ドルのポジションは、豪ドル暴落過程で既にストップアウトされたと思われる。
ウィルスの感染被害状況をみながら、豪ドルの乱高下が今週も継続しそうだ。

 

―お客様各位―

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Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


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☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

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