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今週の「相場の焦点」by Joe Tsuda(津田 穣)31 July 2023

31 July 2023

<ポイント>YCC修正はボデーブローとなって効いてくる

・先週はFOMCECB理事会、そして日銀金融政策決定会合に市場の関心が集まった。
FOMCECB理事会では予想通りに25bpの利上げを行ったが、「9月以降はデータによる」として再利上げの明言を避け、結局政策会合後にはドルやユーロの軟調が目立った。
・金曜日の日銀会合に先だち、木曜日のNY時間に日経新聞が「日銀がYCC修正を議論」と報じたため、木曜日のNY時間にドル円は一時138円台まで下落。
・日銀会合声明では「長期金利の変動幅は±0.5%を目途としてより柔軟に運用」、「1%で指値オペを実施」と発表されたが、当初市場は政策据え置きと判断したか、ドル円は141円台まで上昇。しかし結局“柔軟な対応=1.0%に上限修正”と判断したか、今度は138円台前半まで急落。しかしその後はNY時間後場にかけて調整買戻しが強まり、結局“往って来い”で141円台前半引けという、一日の動きとしては“乱高下”を演じた。
・日銀としては引き締め転換のイメージを避けたいのだろう。しかし日本の10       年債利回りは0.56%台まで上昇し、今後も上限1%を目指すと考えられる。であれば金曜日NY後場の日本株先物やドル円141円台への大幅反発はあくまで「ショートカバー」であり、やり過ぎ。
・今後長期金利の上限1%への引き上げの影響はボデーブローのように効いてくると思う。
・今週から8月に入り、米7月雇用統計、英中銀理事会、中国PMIなど重要イベントが重なるが、先週の予想を上回る米Q2GDPにもかかわらず、米景気減速を示す指標の発表には注意したい。
YCC撤廃など日銀の金融政策が正常に近づけば、日本経済や財政政策への従来の“庇護”がなくなり、日本の経済や財政面での諸問題が浮き彫りとなるため→中長期的には「大幅円安要因」と考える。
・しかしここまで為替市場をリードしてきた金利相場の巻き戻しを考えると、日本の長期金利上昇は短期的には“円買い要因”となるのではないか?
ターゲットは130円。

◎<豪ドル相場>――豪ドル「蚊帳の外」で軟調

先週の相場レンジ―AUDUSD 0.6628-0.6821  AUDYEN  91.79-95.85
今週の予想レンジ―AUDUSD 0.6550-0.6850  AUDYEN  90.00-95.00

・先週は円高・ドル高が進み、特に日銀会合前後、ドル円乱高下する中、豪ドル円は一時91円台まで下落したのは、日銀の長期債利回りへの柔軟な対応(=実質的に上限を1%とした)を受けたもの。ただ豪ドル円はNY後場にかけてショートカバー入り93円台後半まで反発している。
・また、欧州通貨がNY後場急反発する中、豪ドルが66セント台半ばの安値引けとなったのは、今週のRBA理事会への警戒感(つまり利上げサイクル終了観測)からであろう。
・先週のFOMCとECB理事会では予想通りに25bpの利上げが行われたが、9月以降についてはデータ次第として利上げ継続の明言を避けた。
・RBAについても状況は同じであり、6、7月の据え置きに続いて今週の理事会でも据え置きとなれば、今回の利上げサイクルは4.1%で終わり、市場の関心は“利下げの時期”にシフトするだろう。
・特に地場情報によると、「豪州の不動産市場は度重なる利上げでかなり傷んでおり、その影響は早晩雇用市場にも伝染する」との警戒感が高まっている。
・米豪の景気格差からはやはり米国優位であり、加えて日銀のYCC修正(正常化)スタンスが今後も継続すれば、金利面からの円買い圧力が予想され、豪ドルは目先対ドル・対円共に軟調推移する可能性が指摘される。
ターゲットは65セント割れ、90円割れレベルか。

 

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Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

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