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今週の相場見通し(18 February 2019)

<主なイベント>

2/18(月)日本12月機械受注、米国休場(ワシントン・バースデー)
19(火)RBA理事会議事録、英国1月雇用統計、独2月ZEW景況感指数
20(水)1月WESTPAC先行指数、日本1月通関ベース貿易収支、FOMC議事録
21(木)豪州1月雇用統計、独・仏1月CPI、ユーロ圏・独2月製造業/非製造業PMI、米12月耐久財受注
22(金)RBAロウ総裁議会証言、日本1月CPI、独Q4GDP(改定値)、ドラギ総裁講演

 

<マーケットの焦点>

先週主要国の株価は総じて上昇、商品相場も堅調でリスク選好地合となった。 欧州通貨(ユーロ・ポンド)が総じて軟調でドル高地合となり、ドル円も一時111円台を付ける動きとなった。
米中閣僚級通商協議が北京で始まり両国ともに協議の進展を表明している。
一方2/14英国議会はEU離脱問題でメイ首相提案の動議を303-258で再び否決した。
トランプ大統領は米政府機関の再閉鎖を回避するため予算案に署名する一方、国境の壁予算確保のために非常事態宣言に署名。
また中国関税引き上げの期限延長も示唆した。
米中通商協議、Brexit、国境の壁問題など懸案事項はどれ一つとして解決してはいないが、かといって事態が急激に悪化する状況もなく、市場は悲観的シナリオの行き過ぎ感をやや修正した形だ。
ただ、トランプ大統領の非常事態宣言に対して民主党のペロシ下院議長は憲法違反を盾に法的異議申し立てを示唆している。
米中通商協議は今週からワシントンに場を移して協議が継続されるが、市場の期待感は依然強い。 従来から指摘しているように、両国とも国内景気減速懸念が強い中、協議の進展は必須の状況であり、ある程度の成果を見て対中関税引き上げは最終的に回避されるだろう。
ただ巨額の貿易不均衡が改善する確証は全くなく、加えて知財法や技術移転問題に対する両国の隔たりは依然大きいと言われており、通商摩擦も一時休戦の域をでないだろう。
一方、トランプ大統領の非常事態宣言に対して民主党は強く反発し、これを皮切りに来年の大統領選に向けて強力な対抗馬擁立を画策している。
ねじれ議会にあって、トランプ大統領も政局運営に苦労するだろう。
先週は欧州通貨の下落が米ドル高をリードし、リスク選好の動きも加わってドル円は111円台まで上伸した。
2/27には再度EU離脱案に対して英国議会の採決が予定されるが、依然“合意なき離脱”の可能性が高いと考える。
今週はドラギECB総裁の講演が予定され、また種々の欧州指標も発表されるが、スペインでの反政府運動(サンチェス首相は4/28の総選挙実施を余儀なくされた)も含めて、引き続き欧州通貨安が米ドルをサポートするだろう。
一方FOMCの利上げ休止以降も米景気減速懸念は強く、27日に発表されるQ4GDPは政府機関閉鎖の影響もありかなり弱い数字(予想2.6%、前回3.4%)が予想され、米ドル自体も問題を抱える。
係る米ドルの強弱材料が交錯する中、ドル円は株価の動きに連動してリスク回避とその巻き戻しの動きにフォローすることとなろう。
再度111円台を突破して上伸するか?あるいはリスク回避の動き高まって再び110円以下に下落するか?今現在その瀬戸際にあると言える。

 

<豪ドル相場>

足元の豪ドル相場―売り買い交錯

先週の相場レンジ―AUDUSD 0.7057-0.7148 AUDYEN 77.92-79.24

今週の予想レンジ―AUDUSD 0.7050-0.7250 AUDYEN 77.50-80.50

 

先週の豪ドルは70セント台半ば、77円台後半から徐々に底入れして徐々に反発となった。
週前半は前週のRBAロウ総裁の発言「現在の政策金利見通しは一段と均衡している」や成長/インフレ見通しを下方修正したRBAの“四半期金融政策報告書”の影響が残ったが、後半は米中通商協議進展への期待や、商品相場の堅調、更には主要国の株価上昇などの好材料にサポートされて徐々に買戻しが活発化した。
今週国内要因としては木曜日の1月雇用統計及び金曜日のロウ総裁議会証言が注目される。
ロウ総裁は先々週の発言で“利下げ、利上げ両方の可能性”を示唆したが、特に市場は政策バイアスが“利下げ”に傾く可能性を注視している。
今週も米ドル並びに欧州通貨動向を見ながらの取引が予想されるが、足元のレンジ70-73セント、76-80円レンジをブレークするには好悪両材料の更なる進展が必要になってくる。

 

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Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

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