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今週の相場見通し(15 April 2019)

<主なイベント>

4/15(月)米財務省半期為替報告書、日米通商協議(~16日、ワシントン)
16(火)独4月ZEW景況感指数、米3月鉱工業生産
17(水)日本3月貿易収支、中国Q1GDP、中国3月鉱工業生産・小売売上高、米2月貿易収支、米ベージュブック
18(木)豪州3月雇用統計、米3月小売売上高、インド総選挙、米債券市場短縮
19(金)日本3月CPI、欧米市場休場(グッドフライデー)

<マーケットの焦点>

先週主要国の株価は高値圏維持し、リスク選好的なムードが継続した。
IMFは今年の世界経済見通しを3.3%(前回は3.5%)に下方修正し、貿易摩擦とBrexitをリスク要因としたが市場は大きく反応せず。
むしろ米中通商交渉への期待感が依然として強く、英国のEU離脱期限が10/31まで延長されて足元の“合意なき離脱”懸念が後退したこともリスク選好の動きを支援した。
為替市場でもリスク選好的な円売りが活発化し、ドル円は3月上旬以来の112円台前半に上昇し、ユーロ円も126円台、ポンド円も146円台を回復している。
今週は金曜日がイースター・グッドフライデーで欧米主要市場は休場となる。
主なイベントは本日の米半期為替報告書と今日明日の日米通商協議であるが、為替報告書では前回同様に中国の為替操作国認定見送り、そして中国、日本、韓国、インド、独、スイスなどに対する監視対象国維持となる見込み。
一方日米通商協議では事前に日本の自動車数量規制や為替条項要求など米国の強固姿勢がうわさされたが、米国としても本命の米中交渉が大詰めを迎え、日本への厳しい要求は手控えられるであろう。
また水曜日の日本の3月貿易収支、中国のQ3GDP、木曜日の米3月小売売上高などが注目される。
Brexit関係の話題も一休みで相場は再び米国、中国などの経済指標に注目するだろう。
米国の金融引き締め停止は既に市場織り込み済みであり、3月の堅調な雇用統計など、むしろ予想を上回る米指標にはドル買いの反応をするだろう。
一方合意なき離脱の危機はやや後退したが、欧州経済の先行き不安は強く、相対的に欧州通貨軟調が米ドルをサポートすることが予想される。
加えてイースター休暇や日本のゴールデンウイークを控えて株価が堅調を維持すればリスク選好の円売りが継続する可能性はある。
ただ基本的には、昨年12月のFOMC以降ドル円相場は112-114円レンジから下放れて112円台が天井になっており、再び112-114レベルに簡単に戻るとは考えていない。
日米通商協議なども楽観的見方先行だが、強い対日要求がある可能性も忘れるべきではない。
今週は米3月貿易収支が発表されるが予想は-535億ドルと依然最高水準の赤字を抱えており、米国の対外債務が雪だるま式に膨らんでいることを意味する。
トランプ政権が再び対外強固姿勢を前面に打ち出す可能性にも留意したい。
従来より市場のリスク選好ムードが高まると、何かカウンターパンチ的なリスク要因が降って湧くのが従来のパターンであり 、中東の地政学的懸念含めて注意は怠りたくない。

<豪ドル相場>

足元の豪ドル相場―依然ブルセンチメントだが、調整には要注意

先週の相場レンジ―AUDUSD 0.7087-0.7192 AUDYEN 78.95-80.48

今週の予想レンジ―AUDUSD 0.7050-0.7250 AUDYEN 78.50-81.50

 

先週の豪ドルは米中通商協議への期待感や商品相場の堅調、更にはデベレRBA副総裁のインフレ上昇予想、そして全般的な株高・リスク選好の動きにサポートされて72セント近辺、80円台半ばまで上値を伸ばした。
発表された来年度連邦予算案は黒字転換と減税などの財政出動を予定しており市場は好感したが、IMFや国際格付け機関などは、楽観的過ぎるとして警鐘を鳴らしている。
今週は3月雇用統計が発表されるが予想は就業者数+1.5万人(前回+4千人)、失業率5.0%(前回4.9%)とそこそこ堅調予想となっている。
今週金曜日は豪州もグッドフライデー休場となるが、足元の堅調地合の継続を予想する一方、新たなリスク要因などが浮上する可能性も頭の片隅に置いておきたい。

 

A Happy Easter to you all !!!

 

 

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[津田1]

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Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
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☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

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