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「今週の相場の焦点」by joe Tsuda(津田 穣)10 July 2023

10 July 2023

<ポイント> 先週株価とドル円が調整反落

・先週は米国はじめ主要国の株価が調整反落し、リスク回避色が強まって円買戻しが活発化した。
6月のADP雇用数は+49.7万人というサプライズの増加を示したが、結局市場は6月のnfprが予想をやや下回る+20.9万人に留まったことに反応し、FRBの引き締め姿勢緩和観測からドルが売られた。
・中国や欧州の景気指標が軟化していることも世界的な株価反落の原因とされるが、むしろ6月を通して形成された株上げ相場への調整だろう。
・ドル円の反落も然りで、145円台までの円売り相場の調整と見たい。
・つまりかつてと違って円売りポジションの造成が順張りとなりつつある中で、円売りポジションが溜まれば、自ずと調整が起こるという現象だ。
・今週は米6月のCPIが発表されるが前年比で+3.1%(前回+4.0%)、コアで5.0%(前回5.3%)への低下予想となっており、FRBの引き締め緩和の観測が更に強まり、ドル反落の理由付けとされる可能性がある。
・しかしインフレ率の低下傾向は主要国共通の現象であり、米国と他の主要国との金融政策格差が一方的に逆転するとも考え難い。
・ドル円の調整反落が一巡すれば、再び上昇に転ずると考える。

 

◎<豪ドル相場>――調整により対ドル堅調、対円軟調に

 

先週の相場レンジ―AUDUSD 0.6599-0.6705  AUDYEN  94.74-96.83
今週の予想レンジ―AUDUSD 0.6500-0.6800  AUDYEN  94.00-98.00

・先週豪ドルはドルの反落地合を受けて66セント台後半で底堅く推移。一方対円ではドル円の142円台への反落と相殺し合いながらも95円台前半に軟化した。
・中国経済に対する不安が根強く豪ドルの上値をチェックする地合は変わらず。
・またRBAの金融引き締めもピークに達したとの見方から金利面での豪ドルサポート要因が徐々に剥落しつつある。
・従来の「ドル高・円安」パターンに調整が入っており、「豪ドルは米ドルの受け皿」として対ドル堅調、対円軟調となっているが、調整一巡後は再び元の「対ドル軟調、対円堅調」地合に戻ると考える。
・9月に任期満了となるRBAロウ総裁の去就が注目される中、7月中にはシャーマー財務相から総裁人事が発表になるが、任期の3年間延長は難しいとの見方が根強い。

 

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Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

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