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シドニー発豪ドル見通し (2013年7月22日)

 

”シドニー発豪ドル見通し”(毎週月曜アップデート)
(米ドル円日足)

(豪ドル米ドル日足)

(豪ドル円日足)

Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在Junax Capital,AT FUND,Sydneyでファンドマネージャーを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。

豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。

趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ

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今週の主な予定、イベント

7/22(月)安倍首相参院選後会見、米6月中古住宅販売

23(火)米5月住宅価格指数

24(水)日本6月通関ベース貿易収支、豪州第二四半期CPI、米6月新築住宅販売件数

25(木)英第二四半期GDP、独7月ifo景況感指数、米6月耐久財受注、米新規失業保険申請件数

26(金)日本6月CPI

 

マーケットの焦点

キーワード:米国QE縮小観測、日本ネジレ国会解消、中国人民銀行の貸出金利の下限撤廃、7月米雇用統計(8/2)、日本の6月貿易収支(7/24)/6月CPI(7/26)

先週はバーナンキ議長の議会証言、モスクワG20、週末の日本の参院選と多くのイベントがありました。

全般的にはリスク選好の動きが活発化しNYKダウが15,500ドルの新高値更新、日経平均が14,800円、独DAX指数が8,300と高水準を維持しました。ただ景気減速傾向の強い中国上海総合指数は再び2,000を割り込むなど冴えない展開です。

また商品相場もCRB Indexが290台に上昇するなどある程度堅調を維持しています。特に原油価格は108ドル台に続伸し、金価格も1314ドルまで値を上げています。

為替相場では先々週のバーナンキ議長講演での「予見可能な限り緩和継続」発言で一時ドルが大幅に下落しましたが(ドル円98円台、ユーロ1.32台、豪ドル0.93台など)、先週はドルがやや買い戻される展開でした。

理由は①先週のバーナンキ議長の議会証言で”指標によってはQE縮小”が再確認されたこと

②ムーディーズが米国のトリプルA格と見通し”安定的”を確認したこと

③中国のQ2GDPが一部予想されたほど弱くはなく(6.5%-6.7%予想)、7.5%と予想範囲内に収まったことなどです。

ただ今週初は参院選で予想通りに自公圧勝となりネジレ国会が解消されましたが、既に市場に織り込み済みで、ドル円の上値は100.65近辺と限定的であり、むしろ日経平均が反落してドル円は現在100円を割り込んでいます。

基本的には出口戦略のちらつく米国に対して日・欧・オセアニアなどの地域の金融緩和継続は明らかであり、金利格差から米ドル堅調地合が予想されます。

また日本のネジレ国会解消でアベノミクス(株高、円安)効果が更に高まることも考えられます。

ただ今週発表される6月の日本の貿易収支は5月の9,964億円の赤字から単月とは言え1,500億円程度に大幅に縮小予想であること、また31日に発表される米国のQ2GDPで減速が予想されることなど、ドルの上昇も一方的とはならないでしょう。

その他では26日に発表される日本の6月CPIが注目されます。

5月は7カ月ぶりに0.0%とマイナスとはならず、また6月の予想は+0.3%となっており、脱デフレが鮮明になれば円安要因と考えられます。

市場の目は徐々に8月2日発表の米7月雇用統計に移って行きます。

 

豪ドルマーケット

先週の相場レンジ AUDUSD 0.9035-0.9292  AUDYEN 89.91-92.56

今週の予想レンジAUDUSD 0.9100-0.9300  AUDYEN 91.00-94.00

徐々に下値を切り上げる展開でしょう

先週は先週は久々に豪ドルサポート材料が見られました。

前週発表された6月雇用統計で失業率が5.7%と4年ぶりの高水準となり8月切り下げ観測が強まって週初は豪ドルを下押ししました。

しかし月曜日に発表された中国Q2GDPが7.5%と事前予想の範囲内に収まったことで中国懸念が一服。

火曜日ラッド首相が来年の7月に1年早く炭素税を廃止してETS(排出量取引制度)に移行する旨を発表しました。

炭素税はトン当たり25ドルと実勢(6ドル程度)をはるかに上回る炭素価格に基づく課税で評判が悪かった訳で、今回の炭素税廃止を産業界、家計部門は歓迎しています。

また同日発表されたRBA議事録(7月分)で「豪ドルの下落を踏まえれば政策は当面適切、豪ドル下落は目先インフレをやや押し上げる」と述べられたことから8月利下げ観測が後退しました。

更に金曜日に中国人民銀行が貸出金利の下限を撤廃し商業銀行の自由競争が可能になったことも豪ドルサポート要因とされました。

国内指標では24日発表されるQ2CPIが注目されます。

ヘッドライン(全項目)の予想は前期比+0.5%(前回+0.4%)、前年比+2.5%(前回+2.5%)、RBAの重視するアンダーライイングインフレーションは前期比+0.5%(前回+0.4%)、前年比+2.25%(前回+2.4%)と前回と大差ありませんが、身近のガソリン価格やZ電気代の急騰を考えると、豪ドル下落の影響がもっと出る可能性がある(強い数字が出る)ように思います。

また中国の金融・財政政策の出方も注視すべきでしょう。

5月~6月まで大幅に下落した豪ドルですが、果たしてそろそろ下げ止まりから反発に転じるのか見ていきたいところです。

 

 

それでは Have a nice week in advance!!!

Junax Capital, Sydney

Joe Tsuda

 

☆豪ドルトレーディングにはFXマガジン「Joeの豪ドル道場」をお勧めします。

http://www.fxmagazine.jp/magazine_direct.php?uid=3Gl8j

サンプル例を添付させて頂きます。

「11 July_2012.pdf」をダウンロード

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当)

http://www.central-tanshifx.com/

☆外為どっどコム社の動画担当(毎週金曜日)

http://www.gaitame.com/gaitame/

 

ご注意!

本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、

それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

 

 

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東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

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