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シドニー発豪ドル見通し(30 May 2016)

 

”シドニー発豪ドル見通し”(毎週月曜アップデート)

(米ドル円日足)

(豪ドル米ドル日足)

(豪ドル円日足)

 

Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在Junax Capital, AT  FUND、Sydney でファンドマネージャーを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。

豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。

趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ

 

今週の主な予定、イベント

5/30(月)

 独5月CPI、ユーロ圏5月消費者信頼感指数、セントルイス連銀総裁講演、英国市場休場、米国株式・債券市場休場

31( 火)

豪州Q1経常収支、豪州4月住宅建設許可件数/4月民間部門信用

日本4月雇用統計、ユーロ圏4月失業率/5月CPI、独5月CPI、米国5月消費者信頼感、米国4月個人所得収支

6/1(水)

豪州Q1GDP、中国5月製造業PMI・財新メディア製造業PMI、米5月ISM製造業景況指数、FEDベージュブック、OECD16年世界経済見通し発表

2(木)

豪州4月貿易収支/小売売上高、ECB理事会(ドラギ総裁会見)、米5月ADP雇用者数、ダラス連銀総裁・パウエル理事講演、OPEC総会

3(金)

中国5月財新メディアサービス業PMI、米5月雇用統計、米4月製造業受注、米5月ISM非製造業景況指数、地区連銀総裁講演(シカゴFED、ブレナード理事)

 

 

1)マーケットの焦

キーワード:6月FOMC利上げ?、米5月雇用統計、日本の消費増税再延期?原油価格(OPEC総会6/2)、英国EU離脱問題(6/23)、ギリシャ問題再

先週は伊勢志摩サミットが行われG7首脳宣言として「世界経済の回復は続いているが成長は引き続き穏やかでバラつきがあり、世界経済の見通しに対する下方リスクが高まってきている。新たな危機に陥ることを回避するため、適時に全ての政策対応を行うことにより現在の経済状況に対応するための努力を強化する」としています。

先週は基本的に主要国の株価は上昇し(中国は横ばい)で商品相場も原油が一時50ドルに達するなど堅調推移しました。

金曜日のイエレンFRB議長講演では「今後数ヶ月で利上げがおそらく適切」と述べて、従来のハト派姿勢からややタカ派に転じた印象を与えましたが、同議長以外の地区連銀総裁達の”6月利上げ示唆”が相次いでいたこともあり、株価への影響は特に見られていません。

為替相場では米ドルが総じて堅調地合いとなっています。

上記イエレン議長発言に先立ち、安倍首相が消費増税を2年延期するとの報道があり、実際に首相は内閣に延期を打診した模様です。

また首相は補正予算を考慮中との報道もあり、これら財政出動の話もドル円相場をサポートしました。

週初ドル円は4月末の日銀会合で急落して以来、約1ヶ月ぶりに111円台を付けました。

市場の焦点は6/14-15のFOMCにありますが、今週金曜日発表される米5月雇用統計が利上げのための最後の試金石となります。

NFPR予想は前月と同じ約160千人増加予想ですが、米国の雇用はほぼ完全雇用の領域に近づいており、従来のような200千人規模の増加は不可能であることを市場は認識しつつあります。

余程の悪い数字が発表されない限り6月FOMCでの利上げの障害にはならないと考えます。

日米の政治的思惑もあり一時円先高観が高まりましたが、現在はむしろドル円買戻しにつながる材料が多いようです。

その他欧州サイドでは引き続き6/23の英国のEU離脱に関わる国民投票やギリシャ財政をめぐるIMFとEUの対立などが不安材料としては考えられます。

また6/2のOPEC総会では増産凍結で合意する可能性は少ないですが、市場はそれを既に織り込んで、むしろ好材料を探す展開が予想され、50ドルをはっきりと上抜いていくかが焦点となります。

 

2)豪ドル見通

先週の相場レンジ  AUDUSD 0.7145-0.7243  AUDYEN 78.31-79.75

今週の予想レンジ AUDUSD 0.7050-0.7250  AUDYEN 78.00-81.00

今週の豪ドルは: 引き続き対ドル軟調、対円では強保合いでしょう

先週の豪ドルはRBAのスティーブンス総裁がインフレターゲット変更に否定的な見解を示し「豪ドルは現時点で期待通りの動きをしている」と豪ドル安を肯定する発言をしたことから71セント台半ば、78円台前半の下値をテストする展開となりました。

注目のQ1民間設備投資(CAPEX)は前期比-5.2%(予想-3.5%、前回+1.8%)と予想を下回りましたが、むしろ2016/2017年の投資予想が上方修正されたこともあり、豪ドルの下値は限定的でした。

今週が”豪州ウイーク”で指標がラッシュです。

本日はQ1企業収益が発表され前期比-4.7%(前回-3.6%)と不冴えであり、また4月HIA住宅販売も前月比-4.7%(前回+8.9%)と低調でした。

明日はQ1経常収支、4月住宅建設許可、6/1(水)は注目のQ1GDP(予想前期比+0.6%、前回+0.6%、前年比+2.7%、前回+3.0%)がそして2日(木)は4月貿易収支、4月小売売上高が発表されます。

また今週は5月の中国製造業/非製造業PMI(政府・民間)も発表されます。

基本的に米ドル堅調地合いにあって豪ドルは対ドルで軟調推移が、また対円ではドル円上昇を受けて強保合推移が予想されます。

 

 

Have a nice week in advance !!!

 

 

Junax Capital, Sydney

Joe Tsuda

 

☆豪ドルトレーディングにはFXマガジン「Joeの豪ドル道場」をお勧めします。

http://www.fxmagazine.jp/magazine_direct.php?uid=3Gl8j

サンプル例を添付させて頂きます。

「サンプルpdf」ダウンロード

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)

http://www.central-tanshifx.com/

☆外為どっどコム社の動画担当(毎週金曜日)

http://www.gaitame.com/gaitame/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿

 

ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

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Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
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